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第79話 打開の手段

 「いい加減....そろそろ決めないと...」

 互いに勝負がつかない、だが確実にカイルとリルートは疲弊しており、それに対してベンクトは一切の疲弊を見せることもなく、このままでは消耗戦で負ける可能性がある、そのためには状況を打開する手段が必要だ。


 [針生成]を使う仕草はまだない、拳だけでなく腕全体が血塗れだったから私の血だけでなくベンクトの血だ。流血はしているから痛みがあって......だからあまり使わない......とか....?わからないけれどそれならば切り札に近いのか?


 リルートはすぐさまベンクトに斬りかかる、剣撃を避けながらベンクトは一撃、確実にリルートに打つとリルートはよろめきながら後ろに下がる。

 「いや......ちがう.....」


 ベンクトは地を蹴り続けてリルートに蹴りを打とうとするが、リルートは剣を振るう。その剣撃を避けようとベンクトは体を捻り紙一重で避けた次の瞬間、リルートは火付け爪を放つと復剣の刀身は赤く光ると爆発する。



 リルートの刀身は半分ほどがなくなっている、だがベンクトの腕も、爆発に巻き込まれ吹き飛ばされていた。

 「ナイスです! あとは剣を再生させれば....!」

 「いや、その必要はないです」

 

 ベンクトはすぐさま身体を捻りながら強烈な蹴りを放つが、リルートはそれに対応し防御する。

 「こっちの間合いで戦うんじゃなくて.....相手の間合いに合わせた方が早い....だから....!!」

 ベンクトはすぐさま二撃目を叩き込むがリルートはそれを剣で防御すると同時にカイルが後ろから斧槍で薙ぎ払い、ベンクトは紙一重で避ける。

 「少しは頭が回るみたいだけど....っ!!」

 ベンクトは続けてリルートに一撃を打ち込み、リルートは剣で防ぐが僅かに体勢を崩した時、ベンクトは既に先のない左腕を構えたその時、左腕が一瞬にして再生する。

 「騙されたな」

 その瞬間、血が巻き上がるのであった。

 赤い血で彩られたそれは、誰のものでもない、ベンクトの血であった。復剣が再生し、殴られた拳をむしろ真っ二つに切り開いていた。


 「な.....っ!」

 ベンクトは痛みで腕を食い込んだ復剣を振り下ろしながら後退りする。そしてゆっくりと傷口を当てて、くっつける。

  

 「あなたは.....」

 リルートはゆっくりと息を切らしながら口を開く。傷だらけの顔でベンクトを睨みつける。

 「あなたは....この戦闘中....一度も疲れることなく3人相手に戦い続けた....それだけならスタミナ系統の可能性もあったけど......」


 知っている、あの針の能力を、おそらくあれは元の恩恵なんかではなく身体の中に突き刺して仕込んでいる。そもそも格闘による戦闘スタイルなら自ら腕を負傷するような恩恵は合わない.....だとすると傷がついても問題がなく、その上身体に針を仕込める、疲れないことも含めるならば....




 「あなたの恩恵は....[超回復].....辺りじゃないの....?」

 ベンクトは僅かに顔を顰めるが、平静を装い、こちらに向かう、だがそれで構わない。相手を殺す方法はなくとも、無力化できる。


 ベンクトはこちらに向かって走る。チャンスは一瞬、相手が油断するその瞬間。

 カイルはベンクトの足元に向かい斧槍を振り、リルートは復剣で突きがベンクトの肩に命中するが、その瞬間、ベンクトは斧槍を足で踏みつけ無力化すると同時にリルートの腕を掴み、大きく上に上げるとそのまま地面に叩きつけられ、腕の骨を折られる。

 「ああぁぁあああ———っ!!」

 腕の痛みと全身に響き渡る衝撃でリルートは声を上げる、だが、それこそが最大の好奇なのだ。相手の最大の油断は、勝ちを確信した時と言うだろう。



 ベンクトが傷を回復させたその瞬間、バリスタの矢が飛び、ベンクトの脇腹に命中すると、そのまま壁にバリスタごと突き刺さる。


 「っ———....!」

 ベンクトは必死にバリスタの矢を抜こうとするが抜けない、しばらく引き抜こうとするが、リルートが腕を掴みロープで縛ろうと動く。

 「カイルさん! ベンクトを抑えて!」



 そうしてベンクトの腕を縛り、ベンクトを無力化した。リルートはカイルに腕を包帯で固定させてもらいながら言う。

 「[超回復]を行う瞬間にコルクが罠のバリスタで撃てば.....矢が癒着してうまく取れなくなる.....少し賭けだったけどね....」

 賭けでいい、何度でも繰り返す私は、どんな失敗も恐れる必要はない、ただ諦めなければいい。

 「早く....アモスのところに行かないと....」

 コルクとカイルはここに残ることになり、リルートはアモスの方へと走るのであった。まだ勝負は終わっていない。

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