第76話 探り合い
青年の腕はすぐに再生し元に戻る。青年が笑いながら歩こうとした次の瞬間、クルトは青年と距離を詰め、斧を振るう、青年は咄嗟に後ろへと飛んでその瞬間に叫ぶ。
「エレノア、レオン! 攻撃を仕掛けろ!」
その言葉で二人は同時に青年の方へ向かう。
「「「もういいや、どうでもいい」」」
その瞬間、青年が腕を振るうと先行してたレオンは一瞬にして血まみれになる。
「がっ......!!」
レオンは一瞬だけ硬直するが、次の瞬間レオンは剣を捨てナイフに持ち変えた。地面に捨てられた剣は一瞬にして細切れになる。
レオンはナイフで青年のこめかみにナイフを突き刺そうと腕を振るう、しかしその一撃は青年に当たる直前、空中で完全に静止する
「な......!?」
「レオン避けな!!」
その瞬間、エレノアが大剣を青年に向かって振り下ろす。青年はその一撃を避けるとそのまま身体を大きく回しエレノアの顔面を蹴り飛ばす。
レオンはすぐさまナイフから手を離し青年の腹に一撃、拳を当てるが青年は効いている様子はなくニヤリと笑う。
「「「だめだよ、応用が何もできていないね、拳も単調で格闘経験ないでしょ?」」」
青年はレオンを突き飛ばすと大きく腕を上に挙げる。その眼は既に殺すことを目的としている。レオンは咄嗟に腕で顔を覆う。
(死ぬ........っ!!)
斬撃は放たれた。レオンは目を瞑り、死を覚悟してた。だが死を迎えることはなかった。
「レオン、立ち上がるんだ」
レオンがゆっくり目を開けた時、そこには真っ赤に染まった斧を持つクルトがいた。怪訝な表情で青年は腕を2度ほど振るう。クルトは避ける様子はなく、それに合わせて斧を振るう。
「あの斬撃を弾いた....!?」
レオンが驚いている間にも青年は少し考えるそぶりをすると笑い出す。
「「「なるほど....!なるほどね!! 魔法使いの炎系統の魔法で斧を熱したのかぁ.....」」」
楽しそうにニヤニヤと笑う青年に対しクルトは冷静な口調で口を開く。
「お前の能力について、ずっと考えていた」
青年は腕を振るい斬撃をクルトは何度も切り払いながら言う。
「斬撃のシンプルな能力だと思ったがそれは違う、壁を切ることができてエレノアの大剣が切れなかった、つまり硬さではなく、熱で切れなくなるものがある。そうなると物質を操っていることになる」
「「「だから? 俺のことなんて———」」」
「まず鉄や石など刃の可能性は低い、[溶解]したとしても勢いで斬撃を受けてしまう、それらしいものも見えてもいない。次に[糸]、だがそうだとしたら切った際に切られた糸が手だったり肌に感覚がしそうだが....誰も感じてはいない———」
その瞬間、青年は正面に円を描くように腕を振るう、壁を斬り払いながら斬撃はクルトに向かうがその瞬間、ラティナによる炎の連弾がクルトに後ろから飛び、斬撃は消える。
「そうなると恐らくお前の能力は[空気操作]辺りだろ? 炎で空気が膨張し刃を消滅させるんだろ?」
クルトの言葉に対し、青年は高笑いをする。しばらく笑い続けた後、深呼吸すると、少し低い声で青年は言葉を発する。
「「「ああ.....君すごいね、うん.........でもさ、それだけで勝てると思っているのかな?」」」
青年はその瞬間、腕を無茶苦茶に振るうと大量の斬撃が一斉に飛び出す。
「エレノアと俺で斬撃に対応! ラティナは炎の壁を作ってくれ!」
「マグスキャントスエクソシア———」
飛んでくる斬撃をクルトは次々と斬り払い続ける。しかしエレノアは斬撃を大剣で一撃当てるとその瞬間、エレノアは後ろへ飛ばされる。
「一撃が.....重い.....」
「ミディアスインペトムソルファイアウォール!」
その瞬間、クルトと青年の間に炎の壁が現れる。クルトはその瞬間に薪や箱に入ったタバコを炎に投げ込み、紙を取り出すと全員にそれを向ける。
[全員息を止めろ]
そう書かれた紙を見て全員は息を止めるのであった。




