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第72話 総対

 「俺がカイル、そしてこいつがレオンです、今寝てるのがハイトですね」

 そう革鎧をきたおそらく身なりから軽戦士だろうと推測できる青年は言う。

 「うっす」

 もう一人のプレートアーマーを着た男はそう一言だけ言う。

 「その裏切り者の恩恵についてはわかるか?」

 クルトが聞くとカイルは少し考え、少し不安まじりに言う。

 「ローブの男は腕を巨大な爪の変形させる恩恵です。銀髪の女の方は.....格闘家だったのでおそらく格闘系や身体能力向上の恩恵だと思います......」

 「わかった、ちなみ二人の恩恵は?」

 

 「俺は[布]、腕とか足とかをこんな感じで布に変えられます」

 そう言ってカイルは腕を横に伸ばしたと思ったらペラペラの布へと変化する。

 「触っても良いですか?」

 リルートが聞くとカイルは首を縦に振り、リルートは恐る恐るその腕に触れる。

 「すごい.....耐久性もあるし.....これって特に条件があったりもないんですか?」

 リルートが聞くとカイルは腕をつねりながら言う。

 「腕の感覚がとても鈍くなる....くらいですね」

 「痛みを感じにくいってことですか?」

 「ええ、まあ.....」

 カイルはレオンの方を見るとレオンは口を開く。

 「[エコロケーション]、手を叩くことで音の反響を聞いて全体を把握することができる」

 

 「分かった、とりあえず聞くんだが他に生き残りはいるのか?」

 「まだ何人かはいます、ここまで魔族には会っていないので」

 「分かった、じゃあ———」

 クルトは言葉を切り、口を抑えるとリルートはどうしたのか聞こうとするがクルトが静かにするようにジェスチャーをすると、[補聴]を使ったその瞬間、部屋から飛び出す。


 クルトが飛び出した時、2体の魔族がいた。魔族はクルトに襲いかかるが次の瞬間一体の首を一瞬にして落とすと、もう一体の魔族を蹴り飛ばす。

 追撃しようとするが、その瞬間、魔族の身体から刃が大量に飛び出し、クルトは腕を負傷するが魔族の核を斧で叩き潰す。


 「不味いな、何か準備が揃った可能性が高い。リルートとアモス、カイルそしてコルクは戻って冒険者たちを呼べ、残りメンバーで魔族達を引き止める」

 「わかりました」

 リルートはそう言って道具箱を背負うと、二人と共にダンジョンの道を戻るのであった。


 「裏切り者が出ることってあるの?」

 走ってる最中にアモスに聞くとアモスは答える。

 「......なくはない......報酬の取り分を増やすっていうよりは名声、今みたいな大きいクエストだと承認欲求だったり、あとは人を殺すことを楽しむ人間だったり.......でも基本的に合理的ではないよ.....」


 「そっか、じゃあそういう———」

 「あいつです! 前方の!」

 リルートが前を見た時、そこには銀髪の女がそこにいた。ゆらゆらと揺れ、地面を這う髪だ。もう一人の男は少し奥の方にいるのを視認できる。

 それを見た瞬間、アモスはベンクトと距離を詰め剣を大きく振り上げ、重撃を叩き込む。

 「話の通りですね」

 ベンクトはその一撃を横に跳び避けると、アモスの顔面に回し蹴りをぶつける。

 

 「ぐっ......」

 アモスは吹っ飛ばされるが[受け身]をとってすぐさま立ち上がる。

 ベンクトはすぐさまリルートの方に向かい、リルートの胸部に打撃を当てようと拳を振るう。

 「速っ.....!!」

 リルートは横薙ぎを払うがベンクトはその剣撃を避けるとリルートのふくらはぎを蹴ると腹に二打撃与える。

 

 リルートは体勢を崩しその場に倒れるがベンクトがさらに追撃をしようとした瞬間、カイルが庇う。

 [布]となった腕で打撃を吸収するとや斧槍を振るうが、ベンクトはその斧槍を捌く、アモスが追撃を加えようとするのを見て、ベンクトは一度距離をとる。

 「ハロルドさんも見てないで戦ってください」

 「知らないね、僕は楽しみたいだけなんだよ」

 ベンクトは怒りの表情を出さずともハロルドの方を睨むが、ハロルドは気にしていない様子で笑っていた。


 「リルート、格闘家と戦ったことある.....?」

 「ないけ.....ど!!」

 リルートは突然来た足の激痛に思わずその場にしゃがみ込む。痛みに悶絶してる中でアモスは重剣を下の方に構えながら言う。

 「格闘技は武器と違って間合いが短く殺傷力は低い......けど.....武器がない分機動力が高いから......武器は近すぎると戦いにくい、間合いをある程度気にした方がいい.....かな....」


 「.....わかった」

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