表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/119

第71話 行羅未

  SAVE


 リルートが目を覚ました時、硬い地面で寝たせいもあり、ズキズキとした身体の痛みが彼女を襲う。

 「あいたたた.....」

 リルートはバッと飛び上がると、辺りを確認する。ラティナとアモス、エレノアはまだ寝ており、起き上がったリルートに倒してコルクが声をかける。

 「お目覚めですか、まあまだ寝てても良いそうですがね」

 「どれくらい経ったの?」

 「5時間ほどですね、敵は何も、それどころか音一つないのですよ」

 クルトは少し考える動作をするとコルクに聞く。

 「音一つしない、これについてコルクはどう思うんだ?」

 「ふむ、小生が思うに魔族が減ったというよりは奥で集まっている、我々冒険者を迎え打つ準備をしているのではないのでしょうか?」

 「そうだとしたら厄介だな......だがそうだとしたら逆に考えれば今が他の冒険者と合流するチャンスだな、今の所奥で冒険者には会っていない、それよりは後から来る冒険者達を待つべきだ」

 そう言ってクルトはゆっくり立ち上がると部屋から出ようとドアに手をかけたところで、リルートは止める。

 「あの....!!」

 クルトは一瞬硬直すると、ゆっくりとリルートの方を向く。リルートは緊張しているようで、少し黙っていたが、口をゆっくりと開く。

 「どうして....そんなに強いんですか?」

 「は?」

 あまりにも抽象的な質問に対して、クルトはポカンとしてしまう。クルトが返答に迷っているとリルートは続ける。

 「この冒険を続けているほど思ったんです。黒龍騎士団の候補生の人は大量のゴブリン達、バーサーカーを相手にかすり傷一つ受けただけでその全てを全滅させた、元黒龍騎士団のナタを持ったあの大男を相手に戦い続けて、元々ルックスパーティにいた人がようやく倒せたような魔族を一人で倒せるあなたは......常軌を逸している......そう思うんです.......」

 

 「......そうか......お前がファルメルのいるギルドの新人か」

 クルトはコルクとリルート以外の人達が寝てるのを確認すると、腰をおろし少し砕けた態度で口を開く。

 「俺の名前はクルト、元々の名は、キライド・レイスプラン。ルックスパーティで前衛として戦っていた」

 「あなたが.....戦士キライド.....どうして身元を隠してるんですか.......」

 クルトはため息をつくと俯くと口を開く。

 「10年前、大魔族とラグナは相打ちになった。あいつは強かった。そして死ぬ直前あいつは言った」


 「強い力は恐れられる。その力を自分のものにする者が現れる可能性もある。みんなに不幸にはなって欲しくはない、名を偽り隠すんだ」



 「そして俺たちはあいつの言葉を信じ、名を偽った。できるだけ隠して来たつもりだったが....こんなところでバレてしまった」

 クルトは自身の失態を考え、自身の手を見つめているのを見て、リルートは10秒ほど悩むと、口を開く。


 「クルトさんは.....人を守るために、自分の実力を見せてしまったのはそれだけ真剣ってことなんじゃないですか?」

 リルートの言葉を聞いてなお黙り続けるクルトに対し、リルートは続ける。

 「———戦うことに真剣で、傭兵として真剣で、人を守ることに真剣なんだと思います....そのことは寧ろ...誇るべきことではないでしょうか?」

 クルトは上を向き、大きく息を吸うとゆっくりと吐き、口が少し緩まると言う。

 「そう思ってくれただけでも....ありがたい」


 クルトはそう言って立ち上がり言う。

 「ファルメルから銀の鍵を貰っただろう、あれはほぼ全世界の錠をピッキングする際に役立つ()()()の開発した道具だ。お前の仲間になった技術士に渡すようにとのことらしい」

 

 「この銀の鍵......そんなすごい物なんですか?」

 リルートは胸ポケットから銀の鍵を取り出すと、コルクに見せる。

 「ほほう、これはまた凄いですね」

 「そんなにすごいの?」

 リルートがなんとなく聞いてみるとコルクは笑いながら言う。

 「イッヒッヒ、銀製で毒をすぐ検知でき錠に合わせて形状の変わるように金属に触れると形状変形するとんでもない鍵ですね、これとピック一本あればほぼ全ての鍵が解錠できるでしょう」

 コルクの言ってることは半分くらい理解できてないが興奮具合からとんでもない代物だと考え、感心していると、突然扉が開き冒険者が現れるのであった。


 「よかった.....人がいた.....!」

 二人の冒険者のうち片方は足を負傷した仲間を背負っているようで、その仲間をゆっくりと地面に寝かせる。

 「よかったら薬草を持っていませんか.....今切らしていて.....」

 「あ、持ってます!」

 リルートは道具箱から薬草を取り出すと、その冒険者に渡す。

 「ありがとうございます!!」

 冒険者はすぐに薬をすり潰すと包帯に塗り、負傷した患部に包帯をまく。



 「ちなみに他に冒険者は?」

 クルトが冒険者に聞くと答える。

 「実は魔族とは別に......裏切り者が出たんです....」

 「冒険者同士での決闘は禁止されてるはずだが....裏切り者の特徴は?」

 「一人は地面につくくらい長髪で銀髪の女と.....黄金の眼をした茶色のローブをきた男です......」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ