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第69話 弱肉

 「ここは危険だ、ここからすぐに離れるぞ」

 「は.....はい!!」

 そうしてクルトに皆はついていき、小さな一つの部屋に入ることとなった。

 「ここならしばらくは安全だ、とりあえず状況を説明する」

 クルトはそう言って手書きの地図を取り出し、指を指しながら説明する。

 「今いるのが地下3階、最前線にいたのは地下五階だか......問題が起きた......」

 「魔族.....ですか.......」

 「そうだ、今既に40人は殺された、魔族は8体ほど倒した......もしかすれば後少しで———」

 「イッヒッヒ、それはあまりにも早計ではないでしょうか?」

 コルクはニヤニヤと笑いながら床を指差す。

 「今までの床の埃や擦り切れ具合、罠の錆、臭い、これを見る限りあと20体はいるのではないでしょうか?」

 「やはりそうか.....考えたくはなかったがな.....」

 「とりあえず....どう動きますか?」

 リルートが聞くとクルトは口を開く。

 「まずは全員の能力を確認したい、俺の名はクルト、普段は傭兵をしている。武器は戦斧、恩恵は[補聴]だ」

 「えっと、リルートです、武器は剣と.....あと火薬兵器....恩恵は[武器再生]です」

 「アタシの名前はラティナ、魔法使いよ、恩恵は[念写]、目の前の風景を紙に写して出すことができるわよ」

 「エレノア。武器はこの大剣だね、恩恵は[溶解]だよ」

 「........アモス.....剣を使う、恩恵は[重化]」

 「コルクです、技術士をしております、恩恵は[六指]でございます」

 そう言ってコルクが手を出す、よく見るとコルクの指は、6本あった。

 「とりあえず前衛は俺とアモス、エレノア、後衛でラティナ、リルート、斥候はコルクでいいか?」

 「ええ、了解したわ」

 アモスもコクリと頷き、とりあえず満場一致で決まった。

 



 「前に五人、戦闘中ですね、加勢しますか?」

 コルクが聞くとクルトはコクリと頷くと、飛び出す。

 「アモスは俺に続いて攻撃を! ラティナは魔法での援護を頼む!! リルートは周囲の警戒と魔族をラティナに近づけさせるな!」

 視認したのは2体の魔族と三人の冒険者、そのうち一人は既に死亡しているのを確認しつつ、クルトは魔族と距離を詰める。

 「お前.......!!」

 魔族はクルトをみた瞬間にまるで怒りの表情を現し、腕を大きく振り上げると、変形し巨大な獣の腕に変形する。爪は大剣ほどの大きさになり、クルトを襲う。

 クルトはその一撃を斧で受け止めると、一気の弾き返し、魔族が体勢を崩した瞬間にクルトが魔族の両足を切り飛ばす。

 

 一方でアモスはもう一人の魔族に攻撃を仕掛けるがその瞬間、アモスは魔族に腕を捕まれ、そのまま魔族はアモスを掴んだまま腕を振り上げ、アモスを地面に叩きつける。

 「が......っ!!」

 [受け身]でアモスにダメージは入っていない、すぐさま重剣を左手に持ち変えると、魔族の顔面に向かって突き出すが、魔族はそれを避けるとアモスの頭を潰そうと腕を振り下ろす。

 


 アモスはなんとかその攻撃を避ける、次の一撃が来るその瞬間、魔族の背中に石の弾丸が数発ほど命中し、魔族は僅かに仰け反った次の瞬間、エレノアが魔族の首を切り落とそうと大剣を振るうが、魔族はそれを避け、反撃を打とうした次の瞬間、飛んできたクルトの斧が魔族の頭に突き刺さる。その怯んだ瞬間にエレノアは魔族の首を切り落とすのだった。



 「なんとかなったな.....大丈夫か?」

 クルトは冒険者の方に向かう、既に一人は右腕、左足を無くしていた。もう一人の方は欠損はないもの腹を負傷しており、血に塗れていた。

 「とりあえず止血をする。動くなよ」

 「すみません....ありがとうございます」

 クルトはそう言って冒険者の傷口に包帯を巻きおえるとゆっくりと立ち上がる。

 「その冒険者を連れて上まで戻るんだ」

 「わ.....わかりました......」


 「コルク、休憩できそうな場所を頼む、それと罠は作れたりするか?」

 「イッヒッヒ、おまかせください」

 そうしてリルート達はさらにダンジョンを進んでいく。罠を避けつつ、コルクを戦闘に進んでいくのだが、リルートはふと疑問に思い、クルトに聞く。

 「魔族ってそんなに強いんですか? 今までみた限りだと.....」

 「.....俺は今まで何度か魔族と戦ったから経験があるが.......普通の人間はそうはいかない」

 「どういうことですか?」

 「魔族の最大の強さは人を欺くことに特化しているんだ、人間に性質が近いと言える」

 「そうなんですか?.....でもそれなら人と共存だって....」

 リルートの疑問にクルトはため息を吐くと、力無く答える。

 「そうだな......そうすれば一番良いのだろうが.....魔族は人が1番の好物なんだよ、人を食わなくても生きていけるが、人を好んで食うんだ」

 「そんな.....人を食べなくてもいいのに.....」

 その言葉に対し、クルトは言う。

 「人は肉を食べなくても、魚を食えば良い、それと同じだ。食えるなら食いたいってのがあいつらの考えなんだよ」

話はまだまだ続きます、面白いと思ったらブックマークや評価をお願いいたします。

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