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第64話 卑小

 息を切らしながら、リルートはゆっくりと息を整える。傷と体の痛み、死と比べれば何事もない。

 

 「まだ........生きてるかもしれない.......!」

 リルートはゆっくりとへヴァッジに近づき、ナイフを構えへヴァッジの首にナイフを突き刺そうと振りかぶるが、アモスがリルートの腕を掴み止める。

 

 「.....もう死んでる」


 リルートはその言葉でゆっくりと腕を下ろす。そしてゆっくりと力を抜き、その場に腰を下ろすのだった。

 「とりあえずのかしら? 第一陣は壊滅状態よ、このままどうすればいいのかもわからないのだけれど?」

 ラティナはそう言ってリルートに手を差し出すと、その手をリルートは取り、立ち上がる。へヴァッジの死体を横目に、歩こうとしたその時、ラティナは即座に杖を構える。

 「え———?」

 そこにいたのは黒いフードを被ったコートの青年だった。

 

 その時、私は今までにない感情を抱いた。なんだろうか、この感情は......

 

 アモスは警戒して重剣をゆっくりと構えていると青年はへヴァッジの遺体を背負う。その時、ラティナは声を発する。

 「あなた何者なの!?」

 ラティナの言葉を無視して青年は足を進めようとするとリルートはすぐさまナイフを青年に向かって投げる。

 

 「........」

 青年はヒラリとそのナイフを躱わすとリルートの方を見て、ゆっくりと口を開く。


 「君か、運命の歯車は」

 その声は優しいけど、とても痛々しい声に感じた......私は....その人に聞く。


 「あなた.......マルクス.....?」

 その言葉に青年は少し硬直すると、背負ったへヴァッジの方に目線を向ける。

 「ごめん....へヴァッジ......少し話がしたい」

 そう言ってマルクスはへヴァッジの死体をゆっくりと下ろすのであった。

 

 「あなたは.....なぜ私を狙うの....?」

 リルートはそう問う、マルクスは少しだけ考えるとリルートに聞く。

 「...........なんのことかな?」

 

 「あなたは....フォルトナ、レルフェンス、へヴァッジの三人を差し向けてる、それに私の死体を欲しいってどういう———」

 その瞬間、マルクスはかなりの距離を詰め、リルートの目の前まで迫っていた。反応が遅れ、何もできなかったが、アモスはリルートの襟元を掴み、下へ叩きつける。

 「マグスキャントスエクソシア!!」

 「く......!!」

 アモスはすぐさま重撃をマルクスに向かって振り下ろす、しかしその瞬間、振り下ろすよりも先に剣に衝撃が走り、アモスは大きく吹き飛ばされる。


 「ストーンバレット!!」

 石の弾丸がラティナの周りに現れ、マルクスに向かって飛ぶ。マルクスはそれを全て躱わすと、ラティナに向かって走るがその時、一つの声が上がる。

 「おい! そっちにいるぞ!!」

 

 声の方向を見ると、そこにはたくさんの騎士や冒険者たちであった。マルクスは足を止めると、再度へヴァッジの遺体を背負う。

 「待て!!」

 リルートはそう叫び、走り出すが次の瞬間、マルクスは剣を取り出す。

 その剣はあまりにも禍々しいギザギザで今にも崩れてしまいそうな紅い刀身、そして深い血のような宝石の嵌め込まれた剣であった。

 「聖剣......!」

  マルクスはその剣を地面に突き刺すと、そこを中心に地面が[崩壊]し始める。

 「逃げられる...!」

 リルートは追いかけようとするが、地面が崩れ続け、後を追おうにも難しい、そうして[崩壊]が止まった時には、その場に大穴が空き、マルクスはそこにいなかった。


 「捜索するぞ!!」

 騎士たちもマルクスを探すが、辺りにはいない、そうやって探していると、アラン隊長が奥から現れるのであった。

 「アラン隊長.....生きてたんですか...!」

 リルートはアランにそう言うとアランは地図を取り出す。

 「第一陣が襲われた時、すぐさま第二陣、第三陣連絡を取りに行った。おかげで第一陣は壊滅してしまったがな......ところでイロアスとメリーはどうした?」

 「狼煙が上がった時に二手に別れました.....今から合流しようかと考えています」

 「そうか......」

 アランは少し考えながら、一言言う。

 「ゴブリン達が撤退した」

 

 「え....?」

 リルートが驚く暇もなく、アランは続けて言う。

 「おそらくゴブリンロードが討伐された。ゴブリン達は離散し、戦力は大きく削がれた。ここからは残党との戦い、そして.....あの男について聞かせてもらおうか」





 *****


 「なあメリー、こいつらの中にいる中途半端なやつってゴブリンロードなのか?」

 イロアスの問いにメリーはコクリと頷く。


 「さすがだな、全て片付けるなんてな」

 二人の踏みしめる大地には、血と、大量のゴブリンの死体であった。

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