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第61話 傀儡

 リルートはへヴァッジのデコイが隠れてる木の方へ走り出すと、近づいて火薬を投げ、火を放つ。

 爆発音と共に木は倒れ、へヴァッジが飛び出す。

 「追撃して!!」

 「マグスキャントス———」

 リルートの言葉でアモスはへヴァッジに向かい、ラティナは詠唱し始める。その瞬間に周りを見る。

 

 (ずっと考えてた、私ならどう能力を使うかって.....! デコイは足までついているということはわざわざ空中だけから攻撃せずとも、低い位置から攻撃すれば十分厄介だった....それができないのではなくしなかった、だとしたら....!)



 リルートは周りの死体を見回す、沢山の騎士の死体が落ちている、それを一人一人見ていく。

 (おそらく下に意識を向けさせないため....へヴァッジの本体は死体と一緒に紛れて倒れてるんだ......死んだふりは案外難しい、呼吸だったり僅かな動きでもバレるから.....そうなると遺体の損傷がなく、顔や肺近くが隠れてる死体が可能性として高い....!!)


 リルートはデコイと戦いながらも周りを常に確認する。デコイの近くは戦闘が激しく踏まれたりアモスの剣撃を喰らう可能性がある、そうなればできるだけそこから離れるはずだ。

 今まで私が炎を撒いていない場所で、へヴァッジが矢の雨を撃っていない場所を........それでもやるしかない。



 

 「ラティナ! そこら中の地面を[念写]できない!?」

 「はあ!? この状況で何言ってるの!」

 ラティナはリルートのその真剣な目を見て、少し悩むと言う。

 「私の[念写]は使いすぎると頭痛を起こすの.......大体5枚ほどで.....それでもいい?」

 「うん、お願い.....」

 ラティナは視線を動かして、ラティナの目線の方向に次々と写真が現れる。

 「とりあえず10枚撮ってから.........」

 ラティナは頭を抑えながらも杖を構え、“手”を撃つために詠唱を続ける。

 リルートはラティナの写真を拾い上げると、“手”を斬り払いながら確認する。

 「えっと.........この近くにあるのは.......」

 リルートは写真をみてる中で、3つの顔を隠された外傷の少ない死体を見つけた。

 (考えろ.....どれだ.......おそらくこれはブラフのための死体のはずだ......間違った方を刺せば作戦がバレて.......)



 死体Aは顔を黒い布で被されており、剣で腹を刺された状態で倒れている。

 

 死体Bは左手が切り落とされており、他にも腎臓部を鈍器で殴られたあとがある顔は別の死体が覆うように隠れている。

 

 死体Cは左足を損傷し、右手首に槍が突き刺さっている、顔には死体の内臓が被さり、よく確認ができない。


 リルートはしばらく考えると、ナイフを取り、へヴァッジのデコイに投げつける。

 「何を.....!」

 へヴァッジはそのナイフを避けるが、リルートは次々とナイフを投げる、へヴァッジはナイフを弾き、ナイフを避ける。へヴァッジは避け続けてるその時、リルートはへヴァッジとの距離を詰めて剣撃を放つ。

 (あまり時間はかけられない.....早くしないとラティナの方に“手”が届く....援護できてる今のうちに...!)

 

 へヴァッジはその一撃を避けると、リルートの首に蹴りを打ち込む、さらに剣を持った“手”がリルートを襲うが、ヒュンと音が鳴り響き、“手”は真っ二つに斬られる。その瞬間、リルートはへヴァッジに酒をかけると同時に火を放つ。


 「ぐ.....!」

 へヴァッジは火を浴びながらも攻撃をしようとしたその時、へヴァッジは苦しみながら地面へと倒れる。


 「が.......何が......!?」

 へヴァッジが倒れる最中で目に入ったのはワイヤー、それが燃え、そのワイヤーの先をみると、あの死体三つに火が燃え移っていた。


 「アモス! そこの黒い布を被った死体を攻撃して! ラティナは頭に死体が被さった死体を!」

 そう言いながらリルートは内臓を被った死体に近づき、剣で突き刺す。


 グシャリと剣を伝って感触がくるが、死体は動かない。

 (これじゃない......!)

 リルートが振り返ったその時、アモスの重撃を避ける死体を見た。


 「動いた.....!!」

 「あいつが本体だよ!!」

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