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第59話 集合う

 「おい、リルート」

 その声でリルートは目を覚ます。

 まただ、またここまで戻った。今までよりもずっと”底が見えない“


 今までのどんな時だって限界が見え始めてた。

 ガルザルは恩恵は[幻]の数に限界があり、消すことはできない。

 アモスの[受け身]は落下などは殆ど無効にできるが打撃や衝撃などを防げるわけではない。

 アドレットの[粘液]は体力消耗が激しく多用できない。

 ライトの[念力]は発動条件があった。

 

 でもへヴァッジの”限界“がまだわからない、あれだけの“手”を操る上に隊を壊滅させている.......わかるのは“手”は攻撃をすれば簡単に無力化できることと、いや、もう一つあるはずだ。



 あいつはイロアスの斬撃に反応はしているが、刃を見た時に驚いていた、聖剣の存在を知ってはいる......つまりあいつは全てを見通しているわけではない....?


 リルートはそう考えると、ゆっくりと立ち上がる。

 「えっと.....あの狼煙って....何かあったんだよね?」

 リルートの言葉にイロアスは頷く。

 「そうだな、戻るか?」

 

 

 「うん、じゃあ全員で戻らない?」

 リルートはそう提案するとアモスが口を開く。

 「.......流石に全員戻るのは.........まずいんじゃないかな......?」

 「うーん.....でもな.........」

 どう答えるべきなのか少し迷いながらもリルートは言う。


 「ここで分かれても生存率が下がるだけだよ、それよりも固まって動いたほうがいいし、わざわざ狼煙を上げる状態って相当危険な気がするからね..」


 「とりあえず早めに決断するべきだと思うわ」

 メリーもコクコクと頷き、五人は来た道を引き返すのであった。






 「ねえ......どうしたの......?」

 アモスはリルートの肩を叩き、リルートが振り向く。

 「え......なにが.....?」

 「.........張り切ってる感じが....したから.....」

 


 わからない。今私は、今度こそみんなの力で勝てるような、そんな気がしている。これは高揚感......?


 

 「うーん......まあ戻って何もなければそれでいいし、何かあったら戻って正解でしょ?」

  









 「なんなのよ......これ.....」

 「こりゃひでえな.....」

 二人が驚いている中でリルートは冷静に周りを見て、へヴァッジのいる木の方を見ると、口を開く。

 「今さ、あの木の上に誰かがいた気がするから。一緒に行こう....!」

 リルートはそう言ってあの木に近づく。

 緊張感を持ちつつ、ゆっくり木に近づいた次の瞬間に爆発音が鳴り響き、リルートは振り向くなもなく、叫ぶ。

 「大砲が飛んできた......!!」

 リルートの叫びと共に、全員が散ると、その瞬間に地面に大砲が着弾し、衝撃が走る。


 土煙が舞い、辺りは見えなくなるとリルートはすぐさまそこから出て、辺りを見渡す。

 「“手”は.....どこに....!?」

 “手”はいない、そう思った次の瞬間にイロアスが叫び。

 「危ねえ....!!」

 ヒュンと甲高い音が鳴り響き、後ろを見ると“手”が真っ二つに切られ、落下するのであった。

 「ごめん....ありがとう...!」

 「それよりもこれは....敵はどこにいるんだ?」

 

 「わからない....イロアスはどこにいるかわからない?」

 リルートの問いに対して、イロアスは少し迷うと、息を飲み、言う。

 「.......30秒守ってくれねえか?」

 「わかった」

 そうしてイロアスはゆっくりと息を吐くと、目を見開く。


 瞳孔は大きくなり、首を動かして周りを見渡したその時、指を刺す。

 「あっちだぜ」

 

 「ありがとう....イロアス」

 リルートはそう言って指差した方向に向かう。

 「それと、俺の恩恵について教えとく、俺の恩恵は.....[千里眼]だ」

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