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第54話 大切なもの

 「な゛ぜわ゛がっだ....?」

 その声は、ゴブリンロードの声だと思っていたその声はマジックキャスターのものだった。

 「やっぱり......あの時の奇襲、ゴブリンバーサーカーの気配を消してた........」

 リルートはマジックキャスターの指に復剣を突き立てる。

 「楽に死にたいなら答えなさい、あのゴブリンロードは.....ただのホブゴブリンに装飾を纏わせただけですね、本物は、どこにいる?」

 マジックキャスターは暫く黙っているが、リルートはマジックキャスターの指を切り落とす。

 「ぐぐ.........」

 マジックキャスターは顔を顰めながらも、口を開く。

 「お゛前゛ら゛は゛も゛う゛終゛わ゛っでい゛る゛」

 「なにが......」

 「バーザーガーの入゛っだ森゛に同゛胞゛が100゛ばい゛る゛、あ゛の゛騎士゛は゛強゛い゛ごどばわ゛がっでい゛だ、今頃゛は........」

 「それは違うかな......」

 その時、腕を止血したカランが現れる、マジックキャスターが首を傾げるが、カランは笑う。

 「彼女は()()()()()候補の騎士だ、負けるわけがない」

 「あ゛?」





 森


 防戦一方のメリーをゴブリン達は笑う。既に数匹のゴブリン達が死んでいるが、それでも数が多い。ゴブリン達は笑っているが、その時、ゴブリン達の脳内に、ゴブリンロードからの一つの指示が入る。

 


 @@@@@@@@(今すぐそいつを殺せ)

 その指示が入った瞬間に、ゴブリン達はメリーを取り囲むように一斉に襲う。数は50体、更には周りから弓矢を構えたゴブリンもいる。絶体絶命のその瞬間であった。

 「.........」

 メリーは無言のまま、まず初撃をさけ、二匹のゴブリンの首を同時に飛ばす。その次に背後にいるゴブリン達を回転しながら蹴り飛ばし、他のゴブリン達を巻き込むと、周りにいるゴブリン達を一気に切り裂く。

 「ガ....?」

 メリーはそのまま走り出し、ゴブリンは驚いているうちに次々と殺され、弓を持ったゴブリン達が一斉に矢を放つが、メリーはその弾道を全て躱し、ゴブリン達を切り払う。

 バーサーカーはゴブリン達を目隠しにメリーに向かって走ると、その大剣で周りのゴブリンごとメリーに向かって一閃する。

 その時、メリーは避けることができず、僅かにだが腕に斬り傷を受ける。血がポタポタと流れ、バーサーカーはもう一撃打ち込もうとと大剣を構えるが、その時、バーサーカーの首が落ちるのであった。

 「..........」


 メリーはそのまま力尽きるように倒れる。[怪力]は一度使うとその際に使用した部位が、いわゆる筋肉痛のような痛みが走り、長時間、連続しての使用することができないのだ。



 (.....確か初めて旅を出た時に襲ってきた大男も元黒龍騎士団だったはず......)

 「黒龍騎士団ってなんですか?」

 リルートはカランに聞くと答える。

 「黒龍騎士団は世界最高峰の戦闘力を持つ騎士団だよ、だから.....メリーはきっと勝つよ」

 カランはそう言ってフェスの遺体を背負うと、少し悲しそうな表情で笑う。

 「一度戻ろうか.......」








 「にしてもロードじゃなかったのか〜、全然わかんなかったぜ.....」

 イロアスは悔しそうにしている、だが緊迫感があるものではなく、ゲームに負けて悔しいという感情に近い。

 「そう....ですね....」

 カランはもう戦えない、メリーさんがあの状況からなんとか生き残ったようだが........でもかなりきつい。





 「バーサーカーを倒したのか、感謝する」

 アランは毅然とした態度でメリーに言う、リルート達は長屋の外で待つ。

 「うーん、もう少しかかりそうだから俺は休むぜ」

 イロアスはそう言ってテントの方へ向かう。夜明けも近い、リルートも一度休もうとテントに向かっていると、マインに出会う。

 



   -----------


 「そっか〜、大変だったんだね」

 「マインさん、傷はどうですか?」

 マインは肋を摩ると顔を顰めながら言う。

 「まだ痛い........まあ骨折してるしね」

 そうやって他愛のない会話をしているが、暫くリルートは考え込み、マインに聞く。

 「イロアスさんは......いつもあんな感じなんですか....?」

 その言葉にマインはキョトンとし、少し考えると答える。

 「あー、なんか軽く見える?」

 「......はい」

 マインは朝日の方を見て、話す。

 「イロアスは昔、パーティで戦ってたんだ。今は傭兵に近い感じだけど」

 マインは二つの錫製のプレートを取り出す。

 「魔法使いニアと斥候のダイル、二人とも私とイロアスの仲間だった。だけどダンジョンでミスって二人とも命を落としたんだよ」

 そのプレートは薄汚れている、おそらく血のついた痕、だがそれを大事そうにマインは見つめる。

 「あいつは昔から能天気だったけど、今は少しおかしい、私たちは瀕死の状態で生き残った、そのせいか、生きていれば良い、死んでなければどうとでもなるって考えるようになったんだろうね.........」


 マインは淋しそうな顔で言う、リルートは少し悩むと口を開く。

 「そうなんですね.......でもわかりました、あの人はみんなが好きだったんですね」

 「そう?」

 「仲間が死んで、それで考えが変わってしまったって、その分だけ仲間のことを大切にしてたからだと思います。良い悪いでは、判断できませんよ......」

 リルートの言葉に、マインはふふっと笑う。

 「いいね、イロアスをぶん殴りたくなってきたよ」

 「なんでそうなる.......!?」

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