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第51話 波瑠

 静かな真夜中、何人もが目を閉じて眠りにつく中で、リルートはイロアスに身体を揺すられる。

 「おい、起きろよ」



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 「ん......ぁ....」

 よだれを垂らしながらリルートは起き上がり目を擦りながら立ち上がると、あたりを見渡し寝ぼけながら一言言う。

 「もう....時間....?」

 「そうそう、時間だから行こうぜ」

 リルートはとりあえず伸びをするとラティナの身体を揺すると目をぱっちり開き、寝袋を蹴り飛ばし、跳び上がる。

 「早いわね、じゃあ行きましょうか?」

 「......随分とダイナミックな起き方.........」

 「なに?」

 リルートはボソッと呟いた言葉にラティナはいつもの鋭い目で見るがリルートは少し汗を流しながらもシラを切る。

 「ナンデモナイヨ」

 「あっそう」



 

 3人はテントを出て、第二陣に出るバリケードの前で8班の兵士たちが待っていた。

 「やっ、眠れたかい?」

 イロアスは気さくに兵士達に話しかけるが、やはり皆寡黙だ、そう思った次の瞬間に騎士が地面に受け身を取ることもなく力無く倒れる。

 「え.....? え?」

 騎士の兜が転がり外れて、顔が顕になる。

 つぶらな瞳に青色の長髪、無表情で邪気どころか正気もない顔をしていた。

 「はあ.......メリー、仕事なんだから起きなさい」

 髪を針にする恩恵を使っていた兵士はその騎士の首根っこを掴み立たせる。”メリー“はふるふると首を横に振り、表情こそ変わらないがとても嫌がってる感じがする。

 「そういえば自己紹介してないんじゃないか? いいだろ?」

 イロアスはそう提案し、兵士たちは少しだけ話し合うと自己紹介を始める。

 「僕の名前はカラン、恩恵は[髪針]、好きなものは犬かな」

 見る限り10代後半、オレンジ髪の童顔、金色の眼をしているが、優しい目をしているようだ。

 「俺の名はフェス、恩恵は[肉風船]、43歳だ」

 もう一人の兵士は茶髪で髭の剃り残しや髪もボサボサであまり見た目に気を遣ってるような雰囲気ではない、そして最後、メリーの自己紹介を待つが何も言わず、ただ黙っているとカランが口を開く。

 「えっと、『私の名前はメリー、恩恵は[怪力]で、仲良くしたい』だって」

 「わかるのッ!?」

 ラティナは思わずツッコミを入れる。少し驚きつつもリルートも自己紹介を始める。

 「私の名前はリルート、恩恵は[武器再生]!よろしくね」

 リルートは握手をしようと手を出すがメリーは特に何もせずその出した手をただ見つめている、リルートは苦笑いで手を戻す。

 「アタシの名前はラティナ、今回だけだろうけどよろしく」

 相変わらず憎まれ口を叩くラティナであった。

 「そんじゃあ自己紹介も終わったし行こうぜ」

 イロアスはそう言ってバリケードを出ようとするがメリーがイロアスを指差す。

 「.....『まだお前は自己紹介してない』だそうだよ」


 イロアスはそう指摘されると少し照れくさそうに言う。

 「あー俺ね....イロアス、恩恵は[空斬撃]、居合切りで剣の軌跡を飛ばして攻撃できるんだ、これでいい?」




 「なんでそんな嫌そうなの......」

 リルートは呆れながらイロアスに言うとイロアスは笑いながら言う。

 「俺はまあ、自己紹介嫌いなんだぜ!」

 「......自己紹介しようって言い始めたの誰なのよ.....」

 ラティナはため息をつき、とりあえず自己紹介も終わったことで5人は第三陣に向かうために歩きながら会話を続ける。

 「今はゴブリンはどこまで侵攻しているんですか?」

 「今は第四陣がだいぶ危ないかな、僕らは第三陣以降を突破されないようにするんだ」

 カランはそう言って地図を取り出し、指差す。

 「ここだね、攻城兵器バリスタがあるから、これを活用していくよ、一応他の兵士もいるからね」

 

 「早くこの戦いも終わってしまえばいいのにねー」

 ラティナはそう言って走り出し、先頭を取るとゴブリンの軍勢がいる方向を目を細めてみる。

 「うーん....もう戦闘中ってところね。灯りがあるからわかりやすいわ」

 闇夜の中で未だに戦線は続く、ゴブリンロードはすでに侵入してる可能性がある以上はすでに警戒しなければならない、それでも危険を感じるにはまだ程遠い。


 「そういえばカランさんはよくメリーさんが言いたいことがわかりますね?」

 リルートはカランにふと思った疑問を投げかけるとカランは笑いながら答える。

 「メリーは訓練時代の同期でね、もちろん身分は違うけど、院内では比較的仲が良かったんだよ」

 

 「そうなんですね〜」

 カランは少し嬉しそうだ、メリーは相変わらず一切表情は動いてないが......わかるのはカランだけなのだろう。


 「第三陣まで40分か........長いなあ......」

 リルートはそう愚痴を溢しながらも深夜の道を歩くのであった。

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