第41話 そこに見える答え
私はアモスの部屋の前にいた。妙に足が重く、息が苦しい。
ドアに手をかけるが、ノックしようとするその手が直前で止まり、しばらく悩んでいると、その直後、頭に火花が散るような感覚に襲われ、後ろに倒れる。
「........あ.......ごめん......」
手で痛む部分を抑え、ゆっくりと視界を上げると申し訳なさそうにアモスが手を伸ばしていた。
「あはは....ごめんごめん!」
リルートはアモスに手を取り立ち上がると、部屋に入るのであった。
「えっと.....アモス.....」
リルートは先程のことが頭の隅にある、もしアモスが本当にそうだったら.....そう思うと話していいのかわからない。だが話さなければわからない、それに繰り返す力があるのなら、きっとどうにかなるはずだ。
そうしてリルートは今までの推理をアモスに述べるとアモスはしばらく考えると、口を開く。
「......それってさ.....確かに僕らが怪しいってことだけどさ.....本当に正しいの?」
「それって.....どういうこと——」
リルートが聞こうとしたその時、アモスはハッとし、俯くとぶつぶつと呟き始める。
「..........まさか............もしそうだとしたら........」
「アモス? 大丈夫?」
リルートが声をかけるとアモスは立ち上がり、部屋を出ようとドアノブに手をかける。
「ちょっとアモス!?」
リルートが引き留めようとするとアモスは言う。
「.......ちょっと気になることができたんだ.......」
そう言ってアモスは部屋から出ていくのであった。
「......大丈夫かな.......」
〜夜〜
「明後日.....この村から出るのか....」
リルートは荷物をまとめ、村を出る準備をしつつも、レイのことで悩んでいた。
「せめて....墓参りでもしようかな.....アモスも結局帰ってこなかったし....」
犯人を見つけたいと思う気持ちもある、だが見つかったとして.....それは正しいことなのか、そう思い、リルートは不安な気持ちのまま眠りにつくのであった。
SAVE
「.........?」
ノックの音でリルートは目を覚ますと、身体を起こし、怠い身体に鞭を打って扉の方へと向かう。
「ん〜......誰?」
リルートは扉の外に向かって問いかけるとアモスの声が返ってくる。
「少し整理ができたんだ。出てきて欲しい」
アモスの言葉を聞き、リルートは扉を開く。
「昨日は出て行っちゃったけど、何してたの?」
「....犯人が分かったかもしれない」
アモスの言葉にリルートは目を見開き、取り繕うこともせずアモスにリルートは聞く。
「え.....それって誰なの....?」
「............間違ってるかもしれないけどさ.........ライトさん....かな」
リルートは耳を疑った。あんなに優しい人が殺すとは到底思えず、アリバイもある彼がやったとはとても信じられないからだった。
「え.....だってライトにはアリバイもあるし、レイを殺すような理由だって....」
「.....ライトの恩恵の[念力]だよ」
「[念力]がどうかしたの? それがどうして....」
アモスは息を吐くと、真剣な表情で言う。
「自分が思うのがさ、もしもライトさんが泊まっていた時計の時間をずらされていたとしたらどう?」
「時間が....ずらされてた?」
「そう、2時からライトさんは宿屋を出てないなんて言ってるけどさ.....もしも時間がずらされていたとしたら?」
アモスの言葉にリルートはしばらく考えるが、リルートは言う。
「確かに時計が壊れたのも証拠の隠滅って考えられる......」
リルートはそう言った時、一つの違和感を思い出す。
「そういえば....ライトさんのとこの宿屋の女将さんの娘さんが4時交代らしいんだけどさ、2時に来たっぽいんだよ」
「....証拠としては弱いけど.....ちょっとは信憑性があるんじゃないかな....」
「でも.....それってやっぱり憶測に過ぎないんじゃないかな........」
リルートの問いにアモスは言う。
「そうだね.....ただ本当に時間をずらしてたらさ、ライトさんにしか思えないんだよ」
「どうして?」
「ライトさんの[念力]は人には見えないから時間を操作できるはずだよ。それにアリバイの作り方としてのかなり出来て....」
「———でも.....それって他の人が操作した可能性だって....どんな恩恵を誰が持ってるのか把握するなんて難しいと思うけど....」
アモスの言葉を遮るようにリルートが言うとアモスはしばらく黙り思考を巡らせる中でアモスは言う。
「そうだね.....他の人の可能性だってある......少し考えさせて.......」
そう言ってアモスは長考を始め、しばらくするとリルートは立ち上がる。
「少し外の空気を吸ってくるよ」
「ライトが犯人だとはとても思えない、時間がずらされてたと言うのは確かに信憑性はなくはない、だがライト以外だって.......」
そうしてリルートが外を歩いていると、ライトとすれ違う。
下を俯き、考え事をしているライトに声を掛ける。
「ライト! ちょっと聞きたいことが....」
ライトが犯人である可能性が頭によぎるが、リルートはライトに聞こうとしたその時、思考がリルートの頭に走る。
ライトは宿屋で2時間過ごしたと言った、でも冷静に考えればわかる、30分と2時間の差は随分と違う筈で、でもその違和感に気づかなかったとは思えない。だとしたら.....ライトが嘘をついた可能性の方が.....
リルートは僅かに表情を崩しそうになるが、すぐさま冷静を取り繕うと言う。
「えっと......気分は大丈夫....?」
ライトはその時、猫のような眼でリルートの顔を見る。今までにないほど警戒した眼でリルートを見ると、口を開く。
「いつ気付いた?」
その瞬間、首元に激痛が走るとともに、視界は暗くなるのであった。




