第24話 聖剣vs聖剣
弾ける金属音、何の音かわからない、繰り返した時にそんな音は....
私は暗い視界の中で目を開けた。
「な...!?」
そこには死んだはずのアモスがいた。震剣を、拾った剣で弾く。
「ごめん、遅れてしまった」
アモスは右手に持った剣をすぐさまガルザルに剣撃をぶつける。ガルザルはすぐに後ろに避けるとその瞬間にアモスに向かって斬り込む。
「動きが読めたよ」
震剣がアモスの首に向かう、アモスはその剣撃を受け止める、しかしそれと同時に後ろに向かって黒剣を振り払う。
「うおっと!?」
ガルザルは剣撃を咄嗟に避けると震剣を振るう、アモスはその一撃を躱わすと剣で突く。
「幻を作れても消えることはできない、思った通りだったよ」
アモスはリルートと背中合わせになると言う。
「死角を作らないようして....ここは——」
アモスは喋る暇もなくガルザルはアモスに向かって斬り込む、アモスはその剣撃を受け流すとガルザルに攻撃するが、消えてしまう。
「幻だけしか来ないけどいつ本体が来るかわからないから....常に警戒したらいいと思う」
「わかった、頼みます!」
幻は一体ずつ、だがいつ本体が来てもいいようにリルートは復剣を構える。どこにいるかを警戒し周りを見た時、リルートは気づく。
「上です!」
天井が破壊され、その瞬間にガルザルは現れる。ガルザルは落下しながら剣撃を放ち、アモスにぶつける。
「死ね!!」
落下速度の加わった剣撃は重く強い。アモスは体勢を崩して後ろ倒れる。ガルザルが追撃を当てようとしたその時、アモスは地面に手をつくとそのままぐるりと後ろに回転しすぐに体勢を戻すとガルザルに剣撃をぶつけに行く。
「うおっと!」
ガルザルが後ろに避けたその時、リルートは毒針を投げ飛ばす。ガルザルは震剣で咄嗟に防ぐ、しかしガルザルの手足に数本が刺さるとガルザルの動きが僅かに鈍る。
「麻痺毒か!!」
ガルザルは突然止まると、息を吐く。
「なるほど、なるほどなあ」
リルートは剣を構える、やつが本体とは限らない、だがあの落下攻撃から一切、目を離していない。ここでガルザルを倒せればリルートは勝利する。ガルザルは震剣をゆっくりと地面へ近づける。
「必要なのは工夫だぜ?」
震剣が地面に触れたその瞬間、ガルザルはこちらに向かって跳ぶ。その速度は今までの比ではない、肉眼で一瞬捉えられなかった。あり得ないほどの速度が、真正面からリルートの目の前まで迫っていた。
リルートが力を込め、全力で守ろうとしたその時、ガルザルの手足が霧のように消え始めた。
「幻....!?」
リルートが上を見るとガルザルが剣を持っていた。リルートは剣撃を防ごうと上を向いた時、ガルザルの剣に気づく。
「震剣じゃない....?」
上のガルザルは幻じゃない筈.....じゃあ震剣は....
その時、アモスが飛び出す。金属音が鳴り響き、アモスの持っていた剣は切断されるがなんとかそれを弾く。
「聖剣.....!」
弾き返されたのは震剣であった。リルートはすぐさま震剣を拾ったその時であった。
「ぐ.......!?」
突如として電撃が手に走り、リルートは思わず震剣を落としてしまう。痺れるような痛みが腕に残るが、今はそれどころではない。アモスは落下攻撃を防ぐことをせず。受け流すようにする。ガルザルは地面へと落下したその瞬間。アモスは黒剣を振り下ろす。
ガルザルは仰向けになりながらも防御する。しかし武器は切断できない、二人の力が拮抗したその瞬間。アモスの黒剣は重くなる
「クソ.....!!」
ガルザルは全身の力を込めて耐えるがさらにアモスの剣撃は重くなる。ガルザルは抵抗し続けるが、その時、腕に限界が来たのか、生を諦めたのか、ガルザルは剣から手を離した。
剣撃は轟き、まるで爆発したかのような威力で地面に突き刺さる。ガルザルに剣撃は確かに命中していた。しかし——
「まだ....死んでねえぜ?」
斬れたのはガルザルの左腕であった。咄嗟に剣撃を受け流すと同時に左腕に吸収させ、死を回避していた。
アモスはすぐに黒剣を引き抜くと、横に切り払う、ガルザルはすぐさま起き上がると震剣を咄嗟に拾おうとするがリルートが震剣を蹴り飛ばす。
「この....!」
リルートはガルザルに剣を振るうが避けられる。ガルザルはすぐさま走って逃げ、リルートが追う。
ガルザルの足は速いが、リルートの方が僅かに優っている。リルートはガルザルの後ろにつくと剣撃を撃ち込むが、ガルザルはその攻撃を弾くと、走りながら斬り合いになる。
打ち込み、斬り合い、受け流し、弾く。ガルザルの剣撃の速度は遅い、明らかに疲弊している、だがそれでもリルートにもまた限界が迫っていた。
「く.....!」
リルートの腕が裂かれた直後、僅かな隙をガルザルは見落とさない、ガルザルはすぐさまリルートの復剣を蹴り上げる、リルートの体勢は僅かに崩れたその瞬間にガルザルの剣撃はリルートの首元まで届く。
「死ね!!」
リルートの首に届くその瞬間、死の波動、髪の切られる感触、そしてその後に訪れる首元への激痛、リルートが諦めそうになったその直後、アモスの剣撃がガルザルの背中に命中する。
「く....そが....!」
ガルザルの剣撃が僅かにブレ、リルートの腕を切り裂き血を流すがリルートは死を回避した。ガルザルはアモスの腹に剣を突き刺す。血が流れ、体温の下がる感覚が彼を襲う。
「アモスさん!」
「止まるな....戦うんだ....」
リルートはナイフを取り出すとガルザルの顔面に目掛けて突く、ガルザルは切断された左腕を前に出すとナイフは断面に深々と刺さる。
「痛ってえなぁあああ!!」
ガルザルはリルートの首元に顔を近づけると口を大きく開く、リルートは後ろに下がりながらも落ちてくる復剣を掴む。
(これ以上[幻]を出せるとは思えない、アモスさんの作ったこの好機はもうくるかわからない、だからこそ全力で....!!)
叫ぶ、力を込めて、これ以上ない気迫で。リルートは大きく振りかぶると首元に剣撃を当てる、ガルザルはリルートの腕に噛みつくと、血が吹き出す、腕にくる痛みに耐え、剣を左手に持持ち替えるとリルートは剣撃を振り切った。
そしてガルザルの首は飛ぶのであった。




