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第21話 螺旋階乗

 ミールはゆっくりと顔を出すとそこには10人ほど、山賊達が食卓でたむろしていた。

 「じゃあ、僕とミールさんで気を引くので、そしたら一気に叩きましょう」

 そう言ってイルンはミールに何かを囁く。

 「わかったよ」

 ミールは杖を構えると詠唱をし始めると同時にイルンは小粒ほどの石を袋に詰めると目の前に持っていく。

 「マグスキャントスエクソシア..スボルティナトスインペトム....ヴェントス....ウィンドブレイク!」

 「[錯眼]」

 イルンがそう呟くと山賊達の真上に巨大化した袋が現れると杖から放たれた風の刃が袋を切り裂き、石飛礫が山賊たちを襲う。

 「いくぜ!」

 ダインが先陣をきるとそのままリルートとアモスが次いで走り、ミールは魔法を、イルンは弓を放ち、3人はそれぞれで戦闘を行う。

 リルートは山賊の剣撃を受け流すと顎を蹴り上げ、その瞬間に切り払う、山賊は血を流しながらも剣を振りかぶった直後に額に矢が命中し、そのまま倒れる。

 リルートは続いて奥の山賊にナイフを投げると同時に地を蹴る。山賊はナイフを避けずに手の甲で受け止めるとリルートの一撃を受け止めると甲に刺さったナイフを外すと空中で掴むとリルートの顔に向かって突き出す。


 「うお!?」

 リルートはギリギリの所で突きを避けるが、山賊に服を引っ張られるとリルートはバランスを崩し、後ろへと転倒する。

 「く....!」

 リルートは煙玉を取り出すと山賊の目の前に出し、爆破する。

 「ぐああああ!」

 山賊は痛そうに目を抑え、悶絶する。リルートもまた涙目になりながら山賊を蹴り飛ばすと急いで離れる。

 「催涙弾.....予想以上に痛い....!」

 リルートが振り向きざまに山賊に切りつける、しかし次の瞬間にリルートの復剣の刀身は真っ二つに折れる。だが既に山賊の目の前までアモスは近づいており、山賊の首を刎ねる。

 「いきますよ」

 アモスに言葉を聞き、周りを見ると山賊達は既に死んでいた。リルートは復剣を見た時に、既に刀身が錆びついていることに気づく。

 「なにこれ....」

 「これは[酸化]ですかね....金属を錆びさせる恩寵ですね、早く武器を変えていきますよ」

 

 「まあ余裕だったな! それじゃあ行くぜ!」

 ダインが腕を大きく振り上げるとリルート達もそれに合わせて腕を上げ、鼓舞する。

 「いきますよ!」

 リルートは拾った斧で刀身を完全に叩き潰す、そして進もうとしたその時、突然に男が飛び出し剣撃をぶつける、しかしダインはその一撃を戦鎚で防御すると男を弾き返す。

 鮮やかな橙色の髪の毛、短髪で若作りされているが20代後半であろう、肩にかかるほどのボロボロの黒マントの男のその目は戦闘の狂気に取り憑かれているようであった。

 「誰だ! お前は!」

 ダインの言葉に応えるように男は言う。

 「俺は地獄の使者! 名はガルザル! ここにはたまたま来ていたんだが....ちょうど用事があるやつがいたんでな!」

 ガルザルの持つ剣は峰部分がノコギリのようにギザギザとしている特殊な剣であった。アモスとダインが突撃するとイルンは弓を構え、ミールは詠唱する。


 「マグスキャントスエクソシアミディアス、インペト——」

 「魔法は嫌いなんだよ!!」

 ガルザルは大きく跳ぶとミールを狙って剣撃をぶつける、ダインはその一撃を戦鎚で防ぐとその瞬間に金属の擦れる音が鳴り響き、武器と武器のぶつかった部分から火花が飛び散るとダインの戦鎚が真っ二つに切れる。

 「な!?」

 ダインは突然の出来事に対応できず、防御を貫通して腕に刃が届く。

 「ぎゃはははははははは!!」

 ガルザルは笑いながらダインの腕を切り落とす、肉が巻き込まれる音と骨の切断される音、ダインの腕は地面へと落ちる。

 「ぐがあぁぁぁああ!!」

 ダインは切断された腕を必死に抑えるが血が止まらない、ダインが怯んでいるとガルザルは大きく振りかぶり剣を振り下ろす。

 「ダインさん!」

 リルートはダインの元へ走るが間に合わない、無情にも剣は振り下ろされる。


 「避けてください!」

 イルンが叫び、ダインは咄嗟にしゃがむと矢がガルザルに向かう。ガルザルは矢を弾くと剣を構える。

 「へえ、でも当たらないなあ!」

 ガルザルはダインの方に走り出すと大きく飛ぶ。アモスはダインを守ろうと防御の構えを取ったその直後、ガルザルは剣で薙ぎ払い、互いの剣が触れた直後にアモスはふっとばされる。

 「アモスさん!」

 アモスが吹っ飛ばされた方向は窓がある。このままではアモスは落下死してしまう、リルートはアモスの手を掴もうとする、しかし——


 「あ.....!!」

 手は届かずにアモスは姿を消す、リルートは窓から顔を乗り出そうとする、だがガルザルの攻撃は止まらない。

 「よそ見してんじゃねえぜ!」

 リルートはすぐさま復剣で防御するが当たった直後に切断され、リルートは体勢を崩しながらも剣撃を避けると煙幕弾を投げる。

 「うお!? 煙幕かぁ?!」

 ガルザルはリルートを反射的に殴り飛ばすとそこら中を闇雲に切る。するとそれを好奇とミールが魔法を放つ。

 「ファイアインパクト!」

 杖先から炎が現れると、巨大な円柱の形を描くとガルザルに向かって煙の中に炎が飛び込む


 「逃げるよ! リルート!」

 ミールが叫んだ直後にナイフが頭に突き刺さる。ミールは声も出せないままに血を流し、そのまま倒れ伏す。

 「ミールさん....!!」


 リルートは心の痛みを必死に抑えると元きた道を進む。イルンはダインを背負って走ろうとするがダインはイルンを突き放す。

 「ダインさん、早く逃げ....」

 イルンはダインに呼びかけようとするが口を止める。

 ダインは折れた戦鎚を持つとガルザルに向ける。

 「あいつはやばい気がする! 強いとかじゃなくて! 得体がしれないんだ、ここは俺に任せて先に行け!!」

 「それは....なんか死ぬ気がします!」

 ダインはイルンを蹴り飛ばすと叫ぶ。

 「俺は最強の男だぜ! あんなやつはけちょんけちょんの毛虫にしてやるさ! さあいけ!」

 イルンはコクリと静かに頷くと走り去るのであった。





 「さあ! ガルザルとやら! 勝負と行こう!」

 煙の中からガルザルは笑顔で現れると剣は高速で振動し始める。

 「切断と行こうじゃねえか!!」

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