第20話 山賊の城
砦前にて5人は茂みの中を移動する。砦の門の前には二人の山賊が門番のようにそこにいた。
「お、あそこに山賊が二人もいるんでございますね!」
ミールは山賊を視認すると皆伝え、[消音]を発動する。
「声だけは消さないから隠れる時は喋るなよ! ガキど——!」
突然にミールが声を上げ、リルートは焦りながらもミールの口を手で塞ぐ。
「んふんぐぐぐ....!!」
ミールは抵抗するが、しばらくするとおとなしくなりリルートは解放する。
リルートは二手に別れるようにジェスチャーするとリルートとイルン、ダインとアモスとミールに分かれる。
ダインが戦鎚を持って飛び出すとミールが詠唱し、ダインに次いでリルートが飛び出す。
「マグス....キャントスエクソシア....スボルティナトス....インペトムソル....」
「おい! 冒険者だ!! 迎え打つぞ!」
山賊はダインに向けて矢を放とうと弓を引いたその時、魔法が発動する。
「ファイアボルト!」
炎の矢は山賊に当たると身体を焼き尽くす。
「リルート! 乗れ!」
ダインは戦鎚を振りかぶり、リルートは戦鎚の上に乗ると振り上げる。
「おらああああ!!」
リルートは空中へと投げ出されるともう一人の山賊は剣をリルートに向かって投げようとする。
「アモスさん!」
隠れていたアモスが山賊の後ろに現れると首元へ剣撃をぶつけるが山賊はそれを防ぎ、剣と剣の打ち合いになる。金属音の撃ち合いと共にアモスが剣を振り下ろすと山賊は防御する、しかしその瞬間、山賊は剣もろとも叩き潰されると燃えながら転がる山賊にとどめを刺す。
「よくやった! さすがはアモスだぜ!!」
ダインはアモスの肩を掴むと腕を上げ、ピョンピョンとその場を飛ぶがアモスは冷静にダインの手を退けると口を開く。
「....ありがとう」
「そういえばダインの即興劇によく次いてこられたものだねえ」
ミールが感心しながら言うとリルートは答える。
「いやあ、前に似たようなことがあって、それかなあって」
「もしかして俺の以外の男! まさか浮気!?」
ダインはあり得ないと言う目でリルートを見ると息を切らしながらもミールはそれに便乗する。
「あの娘は浮気してますわ! 処さなければ!」
「なんで極刑になるの!」
リルートはミールに覆い被さると脇に手を入れる。
「ちょ、ま! やめろおお!!」
リルートは指をしきりに動かすとミールは笑いながら転げる。
「待って待って! ごめん嘘だから! ごめんて!」
ミールは笑いながら謝るとリルートは手を止める。
「いえたならよし!」
ミールは隠れるようにイルンの後ろに隠れる。
「もうあの子の手じゃないと私ダメみたい!」
「あはは....今回の人たちはなかなか個性的だなあ....」
イルンは苦笑いしながら言うとミールが頬を両手で掴む。
「ふふふ! 引きちぎってやろうかしら!」
「あ痛たたたた!!」
イルンは頬を引っ張られ、抵抗こそしないが痛そうにしているとダインが叫ぶ。
「いいぞ! ほっぺたが落ちるほどやってやるんだ!!」
「良い加減しとかないとイルンが怒るよ」
リルートはミールの腕を掴むとミールは走って逃げる。
「ふはははは! 私は捕まらな——!」
ミールは足を滑らし、転倒するとその勢いでダインの脛に蹴りをぶつけてダインは苦しみながらのたうちまわる。
「ぐはあああああこりゃ....!! 痛ええ!!」
地獄のような状況にイルンが呆然としているとアモスは先へスタスタと進む。
「歩くの早っ!」
リルートは焦りながらアモスを追いかけるとイルンは二人を無理やり起こすと追いつく。
「まだ足が....古傷になってしまった!!」
ダインは足を引き摺りながら歩いているとイルンが肩を貸す。
「古傷はそんなすぐできませんよ....じゃあいきますよ」
そうして5人は砦へと入るのであった。
砦の中はきれいに整備されていた、石壁は磨かれており生活感のある場所であった。
「中は思ったよりも綺麗だな」
ダインはそう言ってブーツに付いた土を壁に擦り付ける。
「山賊の砦じゃなかったら速攻で出禁ですね....」
イルンはドン引きしながら付着した土を触っている中でリルートはふと疑問を感じ、ミールに聞く。
「ミールさん、魔法って私は初めて見るんですけど....普通の武器とかは使わないんですか?」
「うーん! 魔法は使うだけでかなり疲れるんだ! だからそこから肉弾戦まで持ち込むなんてめんどくさいし、それに肉体の訓練をするくらいなら魔法の訓練をしたほうが基本はいいからね!」
ミールは自信満々に言う、リルートは先ほどの魔法のことを思い出すとミールに聞く。
「魔法って私でも使えますか?」
「ふはははは! 魔法は才能がないと使えないのだよ少女! それに杖も魔力のこもった特殊な木でしかダメだしね!」
ミールは鼻高々に行っているとイルンが人差し指を立て、静かにするように催促する。
足音がだんだんと近づいてくる。全員はそれぞれ物陰に隠れていると山賊は近くまでくるとしゃがんで床を確認する。
「....問題はないな....」
山賊はそう呟くと振り返り、奥へと戻っていく、ゆっくりと出てくると山賊の確認していた床を見る。
「これは....罠ですかね?」
イルンの言葉にリルートは聞く。
「落とし穴とかですか?」
イルンはその言葉に応えるように上を指差すと、天井には大量の刀剣がぶら下がっていた。
「まあ踏んだら....そういうことですね....」
イルンはそう言って進むと皆もそれに次いていく中で、ミールはゆっくりと床に触れようとした時、アモスが止める。
「やっべ...ばれちったか」
「....危ないから....」
アモスの静かな声にミールは唇を振るわせる。
「あー! 止められてしまった!」
ミールはアモスの手を掴むと急いで皆に追いつくと3人は物陰から顔を出して何かを見ていた。




