第102話 微信号
「.....あの言葉だけどさ———」
「まずはどうするかだね、国が魔族を復活させようとしてる事実を公表するにしても....」
「ええそうね、やっぱり問題は黒龍騎士団になるかしら?」
「おいおい、俺お前らと違って騎士だから自由ってわけじゃねえし、2ヶ月も休暇取れたのも奇跡みたいなもんだからな.....」
「ヒッヒッヒ.....まずはこの戦力差もありますからな」
「え、あれ.....?」
皆が思ったよりも協力的なことにリルートは驚き、声を上げると皆が不思議そうにリルートの方を見る。
「ん? どうしたのさ?」
「どうしたんですか? 今はこれからのことについて——」
「そうじゃなくてさ.....! みんなは今の話を....信じてくれるの....?」
リルートがレルフェンスの言葉を疑わないことにリルートは疑問を問いかけると、フレッドが言う。
「まあ確かにあいつの話だけ聞いてたら信じるかどうか微妙だったかもな」
「だったらどうして......」
「俺は.....いや、俺たちはレルフェンスの言うことを信じてるというよりは、お前を信じてるからなんだよ、リルート」
「私を....?」
リルートはフレッドを見つめる。疑念と、自分を信じてくれる理由がわからないのもあってなんと言うべきなのかわからない。
「でも....みんなはどうして.....根拠も確かでは......」
「そういうことじゃないのよ、そもそも協力する時点で言ったでしょ? アンタを信じるって」
「でも信じるって言っても疑ったりとか———」
「信じることにいちいち考える必要があるの?」
「確かにそれもその通りだと私は思うけどね、私たちはそもそも仲間でしょ? 確かに信頼関係が薄かったら悩むだろうけど、ここまできて今更疑わないね」
エレノアの言葉を聞いて、リルートは初めて自分が言ってることの意味に気づいた。
今までの戦闘で一つ一つの行動を疑い続けていた。僅かな隙や動きすら怪しくみてしまう、戦闘や人それぞれの動きがそうさせて、実際に生き残ってきた。だからこそ......仲間すら疑ってしまっていたのだろう。
今は.......信じてみるべきなのかもしれない、私を信じてくれている仲間を。
「うん、ごめん変なこと言って、それでこれからのことなんだけどさ」
リルートはそこで10秒ほどの沈黙を得てから、口を開く。
「私たちにはまず....力が足りないと思うんだよ、だから協力してくれる人を探すのを優先するのはどうかな」
「ヒッヒッヒ、何か当てがあるのですかな?」
コルクの問いに対してリルートは自信なさげな表情で問いに対して答えを返す。
「あるには......あるかな......」
*****
「あれ、久しぶりだね!」
リアスタ国、リルートは検問で怖面の騎士に声をかけられるとリルートは騎士に聞く。
「あの、一つお願いしてもいいですか?」
「ん? なにかな!」
リルートは一つの文書を渡す。騎士は中を見ていいのか確認をとった後に文章を読みにこやかに笑い言う。
「わかったよ! 任せてね!」
「ご足労かけます。ありがとうございます」
そうしてリルート達はリアスタの検問を易々と抜けるのであった。
「「「.........??」」」
カイル、ラティナ、エレノアがまるで文字が出てくるかのようにハテナ顔を浮かべている。まるで正気が抜けたような顔で。
「えと.........意外と簡単に通れるものね? もう少し詮索されるものだと思っていたけれど、あの門番大丈夫なのかしら?」
ラティナが若干の困惑を隠し切れていないが軽口を叩く。若干余裕がでてきているのもあるだろう。
「うーん....私とフレッドは初めて来た時はしっかり持ち物検査とかはしたかな。顔を知ってるのもあるんだと思うな」
「たしかに、俺らが初めて来た時あの騎士、すごい怖かったんだよな、初見で度肝を抜かされたが」
「それでどうするのさ? 誰に協力してもらうんだい?」
「......私が登録した冒険者ギルドの.....アドレットさんって人だよ」