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012.修正と命の危機


 森の木陰で休憩がてらゆっくりとサンドイッチを食べていた時、ウィンドウがいきなり現れた。

_ _ _ _ _ _

 アップデート情報!

 敵のHPが閲覧可能になったよ!

 自身のHPとMPが視界内に表示されるよ!

 ステータスの仕様が変更されたよ!

 一部スキルの仕様が変更されたよ!

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

 お、おう? アップデートだと? そういえばウィンドウが一昨日言ってたな、アップデートがなんちゃらって。……あれ? でも俺、報告なんてしてないぞ? ……まさか、俺以外にも居るのか? ゲームテストプレイヤーが。

 ……まあ、考えても仕方ないか。取り敢えずアップデート内容を確認してみようか。


 まず、敵のHP。これは俺も感じていたヤツだな。見分けがつかないってやつ。

 んで、自分のHPとMPが表示されると。これも便利だな。位置的には視界の左上で、上側がHPで下側がMPだ。

 最後がスキルの仕様変更か。何が変わったのか…………あれ? 何にも変わってなくないか? 俺が持っていないスキルの仕様変更か。これは、俺以外のゲームテストプレイヤーの匂いが強くなってきたな。


 * * *

 

 サンドイッチを食べてから俺はEXPもといスライムを探していた。とにかく今はスキルのレベルを上げたい。取り敢えずどちらもレベル三を目指すことにした。


 * * *


 スライムを探し始めてから体感で2時間ほど経過した。

 あれから俺は16体のスライムを討伐した。これがその戦利品である。


・スライムの粘膜×16

・スライムの魔石×5

・768EXP

・768GL


 まあ、妥当だろう。

 これにより、俺のレベルは5の<376/500>となり、スキルは探知がレベル3の<368/500>となり、軌道修正は3の<168/900>となった。

 そしてこの探知がものすごく便利だったりする。このスキルが輝くのは対集団戦だ。常に展開する訳にも行かないが、一瞬でも展開することでスライムどもの位置が丸分かりになる。

 そして、軌道修正もかなり便利だ。レベル2までだとあまり恩恵を感じなかったが、レベル3の操作性60%が本当に便利で助かっている。動いていない的を当てるのに四苦八苦するほどの腕前。便利なのは言うまでもなかった。



 いい加減、そろそろ帰ろうかと考えていたその時、俺は異変の一端を目撃してしまった。


「グギャァァ……」

「グルゥガァ」


 なんと、スライムの森にゴブリンが2体いたのだ。

 門番の人からこの森はスライムしか出ないと聞かされていたため、違和感を感じざるを得ない。


 だが、所詮はゴブリンだ。

 今日はスライムを狩っていたとはいえ、昨日は何体ものゴブリンを屠ったのだ。さらに、俺自身色々と強化もされている。油断さえしなければ勝てるだろう。


 いざ勝負! ……と、行く前に、職業を剣士に変えておく。軌道修正を使いたい気持ちが無いわけでもないが、命の方が大事だ。腰に鉄の剣をぶら下げて、一応スキルに投擲物異空間収納を入れてナイフもすぐ取れるように。よし。

 改めて、ステータス。

_ _ _ _ _ _

《ステータス》

ネーム:サクマ 年齢:17 Lv.5<376/500>

職業:剣士

【能力値】

HP 2880/2880(+340)

MP 89/100(+30)

STR 267(+150)

DEF 347(+230)

MAG 105

MDF 245(+130)

AGI 151(+20)

【アクセサリー】

頭:<セット>

首:<セット>

右腕:<セット>

左腕:ゴブリンの左腕飾り

腰:<セット>

【スキル】<非セットスキル>

・スラッシュ<剣士専用>Lv.-

・飛斬<剣士専用>Lv.-

・投擲物異空間収納Lv.-

・探知Lv.3(368/500)

・ドロップ鑑定Lv.-

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

 

 今さら気が付いたが鉄の剣の所持能力値は腰に下げているだけじゃ含まれないのか。まあ、どうでもいいか。


 さて、戦闘開始だ。

 取りあえず開幕は飛斬で先制攻撃だ。


「フゥー……『飛斬』!」


 俺の持つ剣が光り、その光を飛ばす。

 飛んだ光はナイフとは異なりしっかりとゴブリンに一発でヒットする。

_ _ _ _ _ _

 サクマはハイゴブリンに210のダメージを与えた!

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

 210……? スキルを使った割にはダメージが少ないような。


「グギャラゴォーッ!」


「ッ!!!!」


 なんだッ!? 身体が硬直して……!

 って、まずッ、


「グギャァ!」

_ _ _ _ _ _

 ハイゴブリンはサクマに63のダメージを与えた!

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

 ッ、フゥー。よかった。防御が上がったから受けるダメージ自体は少ない。

 ……って、待て。良く見りゃこれ、ハイゴブリンになってんじゃねぇか! クッソ、そりゃ硬い訳だ。だが、倒せないという程ではない。HPが極端に減ることもないだろう。安全マージンを取りながら戦えばなんとかなるはずだ。

 

「ゴォゴギャァ!」


 って、マジか!?

_ _ _ _ _ _

 ハイゴブリンはサクマに63のダメージを与えた!

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

 ヤベッ、二体居るの忘れてた。

 だがまあ、総ダメージ量は126。それに対して俺の体力は2880。流石に削られ負けることもないだろう。



 それから俺はハイゴブリンたちと戦い続けた。時に普通の、時にスキルを使いながら戦闘を続けた。

 戦闘を続けておおよそ10分ほど。

 集中力やら体力やらが悲鳴を挙げ始める頃合いだった。


「ふぅ、ふぅ。いい加減……倒れろや!」


「グギャ!? グギャァ……」

_ _ _ _ _ _

 サクマはゴブリンに106のダメージを与えた!

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

 ふぅ、ふぅ……ようやく、一体……。

 だが、ようやくとは言っても二体に均等にダメージを与え続けてきたんだ。敵のHPバーも殆どミリと言っても過言ではない。

_ _ _ _ _ _

 サクマはハイゴブリンを倒した!185EXPと185GLを入手した!

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

 お、出たでた。因みにこれは今日あったアップデート内容のステータスの仕様変更だ。倒した直後に出るようになったらしい。個人的には視界の一部が遮られるからやめてほしいのだが……まあ、後で報告しておこう。


 っ? あれ?


「グゴォ! グゴォ!」


 そこに見たのは、戦っていたゴブリンの内の片割れ。様子を見るに、死んだ仲間を思って泣いているのだろうか。地面に両ひざを付き、目から濁った液体を流している。


「(やめろよ、心に響くだろ……。罪悪感でいっぱいなるだろ……だが、ここを見逃すほど俺は優しくないぞ?)」


 そう思い、一歩踏み出そうとするが……。


「ッ。動けない?」


 足が動かなかった。さらには首を動かそうにも、手を動かそうにも一切を動かす事が出来なかった。

 まるで、戦闘中に急に始まるムービーやストーリーのようだった。


「いったい、なんだってんだ……?」


 俺は訝しみながらもゴブリンを見ることにした。

 ゴブリンの行動を注視し始めた時だった。


 ふとゴブリンの付近に目が行った。先程倒したゴブリンの魔石が転がっていたのだ。俺はどうせなにも出来ないしと思いながらゴブリンの魔石をインベントリに仕舞おうと意識する。


「(ん? ……あれ?)」


 どういう訳か仕舞えなかった。

 まあ、この硬直が原因だろうと思い仕舞おうとするのをやめた、その時だった。


「はッ?」


 ゴブリンの魔石が宙に浮いた。

 さらにはそのゴブリンの魔石に魔物の死体が纏うポリゴンが纏わりはじめた。

 この時点で嫌な予感はしていた。

 もしや、ゴブリンは無限に復活し続けるのではと。

 しかし、そんな予感は斜め上の回答に塗り潰された。


 泣いていたゴブリンは、復活したゴブリンの死体を貪り始めたのだ。

 強烈な吐き気と嫌な予感のダブルパンチに俺の頭はショート寸前だった。が、その考えは、数秒先の現実に塗り潰される。


 ハイゴブリンの進化。

 それが目の前で起こった出来事だった。


 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。ブックマーク登録や評価、感想をいただけるとモチベが爆上がりします。また、「ここおかしくない?」、「ストーリー矛盾してない?」ということがありましたら感想で指摘していただければ幸いです。

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