詩　旅人と影

作者：仲仁へび

「旅人よ。お前の本当の望みは、なんだ」

　分かっている

　分かっているさ

　虚空が語り掛けてくる

　迷子なんだろう

　そうなんだろう

　出口へいけなくなって幾千年

　同じ景色は飽きたのかい

　でもね　ここから本当にでたいのかい

　自分の心の声に耳をすませてごらんよ

　本当のノゾミは一体なんだい

　ノゾまぬ者に　未来は訪れないからさ

　見つめて　ご覧よ

　見つめて　見な

　分かっている

　分かっているさ

　何も言うなよ

　言わなくていい

　後はこちらが勝手にやること

　そうさ　これは影

　本音を　代弁するもう一人のお前なのさ

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