井戸底会議
この頃暇なのでゲームにハマってます。
今更ですが隻狼をプレイしていて、弦一郎が倒せず苦戦してます。
やったことに人にはわからないかもしれませんが、やっぱ死にゲーなだけはあって難しめですし、プレイしてるとストレスたまります。
でもその分、強敵倒せた時の快感がすごくて、ちょっとクセになりそうです。
井戸は薄暗くて中が見えずに、深さもわからない。
若干不安を感じながらも縁を掴んでゆっくりと足から入っていく。
完全にぶら下がった状態になっても足が底につかなくてt、ちょっと心配になり一旦登ってやり直そうと思った瞬間に
つかまっていた部分が崩れて俺は井戸の中に落ちていった。
結論から言うと、井戸はそこまで深くなく、なおかつ底には泥が溜まっていた様で全く怪我もなく降りられた。
井戸の底には横穴があり、その奥にある光を目指していくといかにもな場所に出た。
「いらっしゃい」
そう言って出迎えてくれたのは一匹の大きな毛虫だった。
少しびっくりしたとはいえ、女子じゃあるまいしそんな虫如きで慌てふためく事はない。
「お邪魔します」
そういって神様であろう毛虫に近づいていく。
「私も見た目に驚かないのか?」
神様は自分の見た目に劣等感を抱いているのかそう聞いてくる。
「ちょっと驚きましたけど、特には」
「そうか。そんなところに立ってないで奥に来い。寛げる場所を用意してある。」
俺の返答に少し気を良くしたのか、奥に招かれた。
奥には机と椅子があり、そこに座って毛虫の神様と談笑をした。
「そうだったのか〜。サンタさんは、俺が会った善神の対になってる悪神で、今は力を失ってこんなところに隠れてるのか。」
「こんな所って言うんじゃない」
ちなみにサンタさんと言うのは俺がつけたあだ名で、なんでそんなことになったかといえば、
名前を聞いたときに「神の名は縁を結んだ相手にしか教えられん。」と言われたから、悪神ならサタン。でも安直すぎるし…と思い、文字ってサンタにしたのだ。
「お前は面白いし、好きなだけここにいてくれていいぞ。俺の神格が弱いから、狭くて申し訳ないがな。」
と僕にも優しくしてくれる。
ここで、俺にはある決意があった。
「サンタさん。よかったら、俺をサンタさんの使徒にしてくれないか?」
そう。サンタさんに加護をもらって使徒になる選択だ。
「馬鹿なことに聞こえるかもしれないが俺は本気だ。悪神の使徒になって、俺が悪神の力を復活させる。」
そう。ここまで話してしまったことで、俺にはこの神に対して情が湧いてしまったのだ。
そもそも、悪神と善神は対となって世界のバランスを保っていた。しかし、悪を嫌う善神はそれを良しとせず、自分の使徒を使って悪心の力を削いだのだ。
結果、悪神の力は弱まり、悪の眷属が持っていた魔力は行き場をなくした。
そして、魔力は悪神に帰る事ができず、コントロールを失って世界中に散ってしまったのだ。
「あのな、私は見ての通りこんなだからお前にあげられる加護なんてせいぜい威圧の加護くらいだぞ。そんな見せかけだけの力で生きてけるほど甘くねぇ。それに、お前わかってんのか?死んだら永遠に奴隷だぞ?」
そう。使徒になると言う事は、神に魂を捧げることで、結果として神と繋がった魂によって加護という名の神の力を使える様になる。
そのため、使徒として生きた者は肉体の死後も神界にて神に仕えなければならず、神と繋がった魂の死は神が消滅するまでありえない。
つまりは、使徒の終わりは来ることが無く、永遠に神に使われる立場になると言うことだった様だ。
その言葉に、サンタさんの思いやりを感じて少し笑ってしまう。
「おい、何笑ってるんだ?」
「いや、なんでもないよ。それより大丈夫。今は威圧だけでも、力を戻せば僕が使いたかった魔法も使えるようになるんでしょww?それに、サンタさんになら隷属して永遠一緒にいても楽しそうだなーって。酷いことしてこなさそうだし。」
それが俺の答えだった。
善神らしき神の逆鱗に触れ、せっかくの異世界転生もパーになった後だ。
良いことの後の悪いこと。
ならその悪いことが起こった後は順番的に良いことが来る筈だ。
「力が戻ったとしても、加護がアップデートされる訳じゃないんだぞ。」
「それでも良いよ。サンタさんには良くしてもらったし、何かお礼がしたいから。」
「悪神の使徒になればどうなるか分かんないぞ?」
「狙われるって?でも他者を倒せば力が手に入るんでしょ?なら逆に経験積めて良いんじゃない?」
「こんな弱い神の味方に付いてもメリット無いぞ?」
「サンタさんと一緒の方が楽しそうじゃない?」
「サンタじゃない。」
「え?」
「使徒の契約には、つながりが必要。繋がりは縁であり、神が自分の名前を教えるのが縁結びに相当する。私の名前は、シャフラ・ルーラル。悪を冠する神よ。」
「シャフラ・ルーラル」
「私の加護を得て、使徒になって一緒に戦ってくれる?」
「もちろん!」
最後のもちろんはどっちのもちろんなんでしょうね?
そりゃあ、もちろん…