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悪神の威を借る使徒  作者: 辻斬り権兵衛
5/12

V字からのИ字

この頃暑い日が続きますね。

ここ最近は、クーラーのついた部屋に居続けていたので体温管理能力がバグってるみたいで、この前外に出たら汗びっしょりになってシャツがスケスケになりました。

話は変わって、このコロナ問題でできなくなったライブハウスでのライブに対して打首獄門同好会がVRライブ配信を企画しているらしいですね。テスト動画も見ましたが、非常に面白い取り組みだと思います。

まだ画質はイマイチですが、需要が出れば技術の進歩も期待できるでしょうし、今後の新しい形のライブとしては良いのではないでしょうか?

気になる方は是非見てみてください。

皆さんは、夜の海を泳いだことが有るだろうか?


海といえば、夏の暑い日に燦々と照らす太陽に見守られながら泳ぐイメージが強いだろう。


俺は昔に一度だけ夜の海で泳いだことが有る。


最初は少し怖かったが、慣れてくるとその幻想的なものに惹かれていった。


夜の海は何もかもが真っ暗に染まる

水もまるで墨汁のようで、漂っていると非常に神秘的なものを感じる。


人は、わからない事に恐怖を感じるが、それを神秘と捉えて満足も得ることができるのだろう。


なんでこんなことを急に思い始めたのかといえば、今のまさに俺は夜の海に浮かんでいる様だからだ


ふと思い返せば、俺は船から落ちたのだっ

とはいえ、自分が少し沈んでいっているような感覚を覚え、これはいけないと水面に必死で浮かぼうとする。


浮かぼうととは言うが体も動かず、ただ焦りながら浮かぼうという意思だけが有るのみだ。


しかし、その気持ちが通じたのか徐々に徐々に俺の体は浮かんで行き、周りにまとわりつく水の感触が無くなったと思った時、


そこは天国だった。


自分でも何がなんだか分からないが、今までのことが全て夢だったかの様に、俺は天国の様な場所に佇んでいた。

「何だここは?」

誰に向かってでもなくただ呟いたその疑問は


「おはようございます。神の庭によくぞ起こしになられました。」

いつの間にやら居た人物によって答えられる。


「うわぉ!え?どなたですか?」

驚きつつも誰何するとまた声が帰って来る。


「はじめまして。私はこちらの案内の任を仰せつかっております者です。貴方のように此方へ迷い込んでしまった方を神様方に引き合わせる案内人でございます。」


その声は中性的で、見た目も平凡なつかみどころのないその人物は自分を案内人と名乗り、此方を迷い込んだ人と称した。


「えーっと、神様に引き合わせるという事は、俺って死んでしまったんですかね?」

一番気になるのはそこだろう。

もし俺が迷い込んだだけで元の世界に戻れるとしたらそれに越した事はない


「そう緊張なさらずとも大丈夫ですよ。死の定義にもよりますが、貴方が今存在しているという事は、生きているのでは有りませんか?」

「いやあの、元の世界というか、俺はクルーズ船から落ちた筈なんですが、そこから何でここに来てるんですかね?」


「貴方の魂魄は魂と魄に分かたれました。肉体から離れた魂は輪廻によって新しく生まれ変わる筈ですが、貴方のようにそこから外れてしまう方が居ります。そう言った方は、此方にやって来てしまうのですね。」


という事は、やはり俺は死んでしまったんではないか。

神との会合とは天国か地獄かの判断を下されるという事なのだろうか?


「ちょっとまっ「着きました」」


話している間になぜか周りの風景も変わっており、気がつけば目の前に大きな扉が見えた。


「此方に神々がお待ちです。他の迷い人もいらっしゃる様ですよ。」


有無を言わさない様にか、その言葉と同時に門が開く。


「ここでは何が行われるんだ?」

少し震えた声で尋ねてみるも


「入ればわかりますよ」

素っ気無い態度で返される。


非常に恐ろしいが、迷っていても始まらない。


サブカル的発想ではあるが、こう言った状況はまるで異世界転生のお話の様で、神様が自分を助けてくれたのではという淡い期待を持って勇気を出して門を潜った。



門は外からでは中を見る事はできなかったのだが潜った門の先は意外と広いコロッセオの様な広間で、中には複数十人ほどの人が集まっていた。


あの人たちはどっちだろう?


此処には神々と迷い人両方が居ると聞いていたので、少し身構えつつ集団に近づいていく。

少し近づいていっただけで向こうもこちらに気づいたのか視線が向けられる。


集団まで数メートルのところに差し掛かり、声をかけようとしたとき

「集まった様だな。それでは始めよう」

急に声が響いて来た。

「世を生き抜いて来た諸君らよ、其方らの人生は決して簡単とは言い難い物だった筈だ。

その中を悪に染まらずに生き足掻く姿勢は優等で有り、此処で終わらすには少々惜しい。」


周りの奴らにもこの声は聞こえている様で、皆んなざわめいて周りを見渡している。

俺も見渡すが、喋っているであろう神の様なもの見当たらない。

そうこうしている間も声は響き。


「そこで、我らの願いに応えて世界の調整に協力してくれるのであれば、其方らの願う力の加護を与えよう。」


つまりは、神の手伝いをすれば力がもらえるから契約しないか?という事だろうか


情報を頭で整理していると、ほかの迷い人らしき人が何やらよく分からない言葉を発しはじめた。


するとそれに呼応するかの様に声が響く。

「調整の協力というのは、バランスの崩れた世界に神の使徒として赴いてもらい、そこで生きて欲しいという事だ。其方らの生き様を世に示せば、傾いたバランスを正常に戻すこともできるだろう。」


要するに、他の世界のお手本となる人物としてその世界で生きて欲しいと。

まるで生徒会の様なアイディアだが、どうしたものか。


「断ることも可能だが、迷い人が輪廻に戻る事は神の介入以外で不可能だ。このままでは、この神界の一部として吸収される事になる。

元の世界に戻す事も我らには可能だが、それをするメリットが我らにはない。戻すとしても、調整の協力を得た後だろう。」


欲しい情報が次から次に得られるが、正直混乱する。

しかし、この異世界転生の様なシチュエーションに心が惹かれない事もない。


満を辞して自分も質問をしてみる。

「送られる世界の状況と送られ方を教えてください!」


「其方らが向かう世界は魔力が溢れた世界で、魔法の使い手や魔力に侵された魔物が居る世界だ。そこで諸君らにはそやつらの勢力拡大を阻止するべく行動して欲しい。直接戦闘でなくても正しい生き方でいることがその助けになるだろう。其方らは、一度死んでおる故にもう一度肉体を得る為に赤子として生を受けてもらう。その時に全ての記憶は保有したままである。」


キタキタキター

これはもう、お約束の異世界転生でしょ!

しかも、願う力一つくれるとも言ってるし、チート貰えるやつじゃん!

でも一つってのがネックだよな〜

何か一つに絞らなければ……あっ!


此処で閃いたアイディアが僕の背中を押して、一番乗りでの異世界転生への参加を決めさせた。

正直、失敗だったと思っている。が後悔はしていない。


「神様!!俺行きます!異世界に!」

俺は元気よく手を挙げて発言した。気分はもう優等生の生徒会長だ。


「そうか。では、願う力をを一つ言いなさい。我ら神の中からそなたの望む力を司る神の使徒として契約してもらう」


そういう仕組みだったのか。

「でしたら、力をいただける回数を無限回にしてもらうって望みはダメですか?」


やっぱり、こういう時の定番な答えはこれでしょ?

神に二言はないだろうし、これでチートがゲットし放題!


そんな風に有頂天になる俺に、神の声は非常に冷たかった。

「我らは対等な対価のみ払う。そなたらが使徒に選ばれたのは誠実さを買われたからで有り、そなたの願いは誠実とはかけ離れている。誠実な願いを望みたまえ。」


明らかに怒っていると分かる声色で、聞いているこちらの肝っ玉も震える。

有頂天だったテンションも急降下だ。


「え?あ、じゃあ、ま、魔法が使いたいです。」


神様に軽くビビってしまい、慌ててファンタジーなら定番の魔法を所望する。

さっきの説明でも、俺らの向かう先は魔力があって魔法もあると言っていた

咄嗟のことで少しつまらない答えになったがまあいいだろう。と思っていると…

空気が死んだ。



マジで、そうとしか言えない様な感覚だった。

空気が一変して、蛇に睨まれたカエルの様に体がすくんで動かない。

重力がしたにあるのかどこにあるのかグルグルしてきて、そもそもどっちが下か、世界が回ってる。そんな感覚だった。


「ふざけるのも大概にしてください。」

その声と共に俺の体に感覚が戻り、呼吸を忘れていた肺が空気を求める。

恐怖から腰を抜かした俺に対して、何処からともなく声が響く。


「あなたは加護を与えるに相応しくない様だ。」

その声と共に足元の霧が迫り上がって俺を包み込んだと思えば、ホラーゲームに出てきそうな森の中の廃墟に俺は居た。


「マジかよ」

それが、俺の出せた精一杯の言葉だった。

個人的に、こうやって書いているのは単なる暇つぶし的なもので、特にリターンを求めているわけでは無いのですが、ちょっと反応があったり閲覧数増えてると嬉しいものですね。

こうやって、自分の作品を公開してる人って自己承認欲求がやっぱり強いんだと思います。

今後とも宜しくお願いします。

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