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『あのっ! 先日、助けて頂いたツルですが』

作者: 謎猫

昔話に、「鶴の恩返し」がありますけど

今じゃ考えられませんよね~?


「天然記念物だったり絶滅危惧種だったり?」


昔なら、水辺には普通にツルが居たのかも知れませんが

今となっては、ごく限られた地域か動物園でしか

見られません・・・


「そもそも、街中に罠なんて・・・」


どうして、急に昔話の鶴の恩返しについて

考えて居たかというと・・・


「まぁ~ そうだよね(困)」


何の脈略もなく、鶴の恩返しを考える事は

普通有りません。


「そうっ! 無いっ!!」


普通は無いのです・・・

無いのですよっ!


「無いってばっ!」


本当・・・ 有りません。

罠に掛かったツルが

私の家の前に居るなんて(泣)


「えぇ~(困)」

「コゥー! コゥー! コゥー!」


なんで、家の前でツルが罠に掛かって

私の方を見ながら鳴いているの!?


「本当に~? ツル?(汗)」

「コゥー!×3」


夕方、帰ってくると家の前に罠が落ちているなんて事は

宝くじで1等が当たるよりは低い確率でしょうけど

あり得ない訳ではないと想う・・・

誰かのイタズラとか、希な落とし物とか?


でもっ! ピンポイントでそこにツルが来て!!

天然記念物のっ! 絶滅危惧種のっ!!

そのツルが、なんで罠に掛かってるのっ!?


「ツル・・・(泣)」

「コゥー×3(泣)」


でも~ これ助けたら何か見返り有るかな?(酷!)

2本くらいで良いから、金塊を持ってきてくれたりとか?

1ozのメイプルリーフを100枚くらいとか?

なんて、そんな事はどうでも良いので・・・

この近所迷惑なツルをどうにかしなきゃです(泣)


「えっと・・・ この罠、どうなっているの???」

「コゥー!×3」

「ちょ! ちょっと、大人しくしてよっ!」

「コゥー! コゥー!」

「あわわっ! 暴れないでってば!」

「コゥー!!」

「もう! 永遠に黙らせるよっ!!(怒)」

「コッ・・・・・・(静)」


とりあえず、罠の仕組みは分かったような気がしますので

後は怪我をしないように解除です!

私の手が♪(酷)


「ちょっと待っていてね 手袋取ってくるから」

「コゥ」


本当は革の手袋とかが良いのでしょうけど

そんなの有りませんので、ガーデニング用の軍手を

2枚重ねで代用する事に。


「それじゃ、私が罠を広げて抑えてみるから」

「コゥ」

「その隙に、足を罠から抜いてね」

「コゥ!」


人生で初めてです・・・

罠を解除するなんて(泣)


でも、何とか私の力でも少し動かせたので

意外と早く無事にツルの足は抜け出せました。


「はぁ・・・ 腕痛い・・・(疲)」

「コゥ! コゥー! コゥー!」

「あぁ、鳴き声うるさいから帰って良いよ」

「コゥー! コゥー!」

「もう、罠に掛からないでね」

「コゥー!」


なんか、ツルはバサバサと大空へ羽ばたき

あっさりと帰って行きました。


「あのツル、絶対恩返しに来ないタイプだ」


それと、あの罠ですけど・・・

危ないので紐でグルグル巻きにして

今日の所は物置に一時保管です。



-その夜-



夕方に、あんな事があったので

昔話、鶴の恩返しを読み直してみることに。


「罠に掛かったツルを助け」


そこまでは、私も同じ~

とか想いながらページを捲ります。

(まぁ、スマホの様な画面の中でですけども)


「旅をしているという綺麗な女性が尋ね」


あぁ~ 今回に限っては

格好良い男性が良いな~

何歳か年上のっ♪


はたを織らせて下さい」


でも、男の人だと機織はたおりって・・・

機織はたおりはいいから、洋食とか料理を作って欲しいかも


「絶対に覗かないで下さいね」


あはは~ 人間、ダメって言われると

余計にダメですよね~

今も昔も同じなのですね~(笑)


「私は、あの日・・・ 助けて頂いたツルです」


絶対に見ないでって言われたのに

約束を破るから~


「この姿を見られては・・・ さようなら」


ほえ~ 鶴の恩返しって最後は別れて終わりなんだ~

やっぱり、物語の最後って記憶が曖昧かも(汗)


「約束は守らないとね~(笑)」


他のも気になって、鶴の恩返しを何種類か読んでみたり

調べてみたりしたのですが、やっぱりどの話も最後は

別れのみとなっているようです。


「って! もう22時過ぎてるっ!」


今の私っ!

多分、鶴の恩返しマスターくらい詳しい気がするっ!


「と言うかっ! あのツル来ないしっ!」



-翌朝-



結局、私が寝るまでの間にツルは来ませんでした。

インターホンの履歴を見ましたが、尋ねてきた形跡も無し。

一応玄関を開けてみましたが、何も置かれていませんでした。


「まぁ、当然だよね~(笑)」


いつもの様に、朝食を食べながらテレビを見ていると

慌ただしい中継の映像が・・・


『昨日の深夜、何者かが-』


その生中継を見て、朝食を食べる手と口が停まりました・・・

テレビには見覚えのある風景と建物が


『銀行へ侵入し金庫内にあった現金や地金が-』

「うわぁ~(怖) この街も物騒だね~(困)」


銀行強盗とか・・・

ドラマや映画の世界だと想って居たけど

こんな近くで強盗事件が起こるなんて


『監視カメラは壊されており、現場には鳥の羽が落ちて-』

「えっ?(汗)」

『他に有力な証拠物は見つかっておらず』

「鳥の羽って・・・ ツルじゃないよね・・・(激汗)」

『専門家へ調査を依頼し、事件との関連性を-』

「えっ・・・ 昨日のツルじゃないよね???」


これって、まずい・・・

めっちゃまずいと想うっ!

これはっ!!!!!!


『盗まれた物の行方と犯人を-』

「ツルっ! 絶対に来るなっ! 恩返しに来るなぁー!(泣)」




-めでたし×2-

最後まで読んで頂き有り難うございました。


なんか・・・

鶴の恩返しが

恩を仇で返しに来た鶴に

なってしまいました(泣)


昔話と言うのは、物語を通して色々な教訓を

伝える事が有りますが「鶴の恩返し」の教訓としては


1.約束は守ろう(鶴の恩返しVer.)

2.助けに見返りは求めない(恩を仇で返しに来た鶴Ver.)


と言う事でしょうか♪

にゃはは~(冗談)

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― 新着の感想 ―
[一言] これはこれで面白い。 まさか、銀行強盗は鶴?
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