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妖縁奇縁  作者: T&E
40/76

第五話 来襲 その2

「ああ、まことに美味であったな・・・♪」


程なくして、ケーキを全て食べ尽くした真狐は、

幸せそうな顔でお腹を押さえている


「真狐ちゃん良く食べたね~♪ ほんと、甘い物に目がないのは

変わらないな~♪」


「ああ・・・、まあ、の、それと・・・、ありがとう海狸、

とても美味な菓子であったぞ・・・♪」


甘いお菓子をお腹いっぱいに食べて上機嫌なのか、

海狸に対して珍しく真狐が素直にお礼を言う


「お~?♪ 真狐ちゃんから「ありがとう」なんて

聞けるとは思わなかったな~?♪」


おどけた調子でそう言いつつも、喜んで入るのか、

純粋な笑顔を浮かべながら海狸が返す


「ふん・・・、一応土産なんぞ貰うたんじゃ、

礼の一つも欠かすわけにはいくまいよ」


「あはは、真狐ちゃんそういうとこも変わってないよね~♪

それでさぁ、デートのお金もボクが出してあげたら、

今みたいに美味しいものもたっくさん食べられるよ~?♪」


「む・・・、むぅ・・・、いや、それとこれとは話が別じゃ・・・」


「ちぇ~、まあそう言うと思ったけど~」


隙あらば自分の意見を持ってくる海狸に対し、

真狐はなんとかそれを拒む


「ともかく・・・、デートには一応連れて行ってはやるが、

あまり余計なことはせぬように・・・、ふわぁ・・・・・・、おっと・・・」


海狸に話しかけていた真狐が、不意に欠伸をしてしまい、慌てて口を押える


「す、すまぬ・・・、史陽の前でなんとはしたないことを・・・」


「ありゃりゃ~、真狐ちゃんお腹いっぱいになったから

眠りたくなったのかな~?♪」


「ば、馬鹿を言う出ない、そんな童のようなことが・・・、

ふ・・・、むぐ・・・」


再び欠伸をしそうになり、反射的に口を押える真狐


いつもならば昼寝をしている時間帯だからか、

眠気を抑えきれないようだ


「無理しないでお昼寝でもしたら~?♪

心配しなくても史くんの面倒はボクが見ておくよ~?♪」


「余計に心配じゃ・・・、お主と史陽を二人にしておくなど・・・、

そんなこと・・・」


最後まで眠気に抗おうとしていた真狐だったが、

最終的には机の側にゆっくりと寝そべり、そのまま丸くなってしまった


「真狐ちゃんやっぱり眠っちゃった~、

あ、お昼寝の時はいっつも何かかけてあげてるの?」


その問いかけに少年が頷くと、海狸はどこからか葉っぱを取り出し、

それを薄いタオルケットに変化させる


「ま、妖怪は風邪なんか引かないんだけど・・・、

こういうのは気持ちの問題、かな?」


少年が海狸の気遣いに小さな声でお礼を言うと、

海狸は手を振って応対する


「いいよいいよ、気にしないで~♪

それじゃ、真狐ちゃんもお昼寝に入ったことだし・・・、

また史くんのお部屋に連れてってもらえるかな~?♪」


真狐の昼寝と自分の部屋がどう繋がるのかさっぱり分からない少年だったが、

特に拒む理由もないと考えたのか、

真狐の方を一瞥した後、海狸を部屋に案内すべく、移動し始めた


道中、ふと海狸の言葉が気になり、

ケーキを食べたら真狐が眠ることが分かっていたのか尋ねてみる


「あ、え~っと~・・・、まあ、うん・・・、

お腹いっぱいになったら眠くなるだろうな~、とは思ってたよ?

あ、一応言っておくけど、変な物が入ってたわけじゃないからね?」


歯切れの悪い海狸の言葉にきょとんとしながらも、

海狸が一服盛ったとは思っていなかった少年は、

そのことだけははっきりと伝えた


「あ、あはは・・・、いや、信じてもらえるのは素直に嬉しいんだけど、

ボク、結構あまのじゃくだから、

素直に信じられたら逆に悪戯とかしたくなっちゃうかも・・・」


頬をかきながらそう言う海狸に少しだけ苦笑しながらも、

少年は海狸を部屋に招き入れた


「ありがと~、ふふ、変わってないね~♪

ま、2日で何か変わるわけないか~♪」


特に何か言わなくても、自ずと海狸がベッドに座ったのを見て、

少年は自分も自然とベッドに座り込む


「そうそう、こないだ教えてあげた金平糖のこと、

もう試してみた・・・?」


少年は、海狸の質問に頷くと、昨日真狐の昼寝中に

近場で金平糖を買い、真狐にあげたことを告げる


そして、真狐が非常に喜んでくれたことも伝え、

改めて真狐の好物を教えてくれたことにお礼を言った


「あはは、お礼なんていいよ~♪

そっか~、真狐ちゃん喜んでくれたんだ~♪」


「史くん、なんだかんだ言って真狐ちゃんのために

いろいろ動いてくれるんだね~」


その言葉にきょとんとしつつも、少年は素直に頷く


そして、昨日真狐が海狸にもお礼を言っていたことを伝えた


「えっ? 真狐ちゃんがボクにお礼を言ってたの・・・?

ああ、金平糖の差し入れはボクの入れ知恵だってばれちゃったんだね?」


その問いかけにも少年が頷くと、海狸は思わず苦笑してしまう


「んもぅ、ボクのことなんて誤魔化しちゃえばいいのに・・・、

史くんって嘘つけないというか、そういうとこ要領悪いね~♪」


海狸の言葉を否定出来ないのか、少年は軽く笑いながら頬をかく


「まあでも・・・、そういう正直な所、どっちかというと・・・、

ううん、はっきり言えばボクは好きだよ?♡」


唐突にそう言われ、少年は頬を赤らめながらお礼を言う


「本当のことなんだから照れなくてもいいよ♪

まあ、時にはちょっとくらい嘘ついてもいい時はあると思うけどね♪」


そう言われ、再び照れ笑いを浮かべる少年だが、

特に話題もなくなってしまったのか、二人の間には

次第に沈黙が訪れ始めた


「・・・・・・」


何か言うべきかと思い、少年は頭の中で話題を探してみる


しかし、海狸のことはそこまでよく知らないうえ、

海狸から貸してもらっているスマートフォンはほとんど触れていない


だが、少年は真狐のことなら共通の話題になると気が付き、

真狐についての話を振ってみた


「あ、真狐ちゃんのこと・・・? そうだな~・・・」


「と言っても・・・、真狐ちゃんについて、改めてボクが話すことは

ないかもしれないね~、だって史くん、ボクよりずっと短い付き合いなのに、

真狐ちゃんのこと、色々良く分かってると思うよ~?」


海狸にそう言われても、自覚はないのか、

少年は海狸に曖昧な返事をする


「ほんと、とっても良く分かってるよ・・・、

こんな相手がいて、なんだか真狐ちゃんがうらやましいな・・・」


次第に海狸の声が変わってきたことに気が付いた少年は、

何とはなしに海狸の方を向いてみた


「・・・どうしたの?♡ そんなに熱っぽい目でボクを見て・・・♡」


からかうようにそう言ってのける海狸だが、

その頬は少し上気し、どこか熱っぽい視線で自分を見ていることに気付く少年


どこか具合が悪いのか少年が尋ねてみると、

海狸は少し顔を曇らせながら返事をした


「うん・・・、そうだね・・・、具合が悪いっていうのは

ある意味正しいかも・・・」


「ここがね・・・、少し痛むんだ・・・♡

史くんに擦ってもらったら治るかもしれないな~?♡」


海狸は胸の部分を軽く押さえつつ、少年に視線を向けながらそう言ってのける


いきなりとんでもないことを言われて非常に驚く少年だが、

本当に痛むならそうするべきだと思い直し、

どれほど痛むのか海狸に尋ねた


「んもう♡ そういう痛みじゃなくて・・・、

そうだなぁ、心が痛むとか、そういう意味かな♡」


少年は海狸が病気でなかったことに胸を撫で下ろしつつも、

何故心が痛むのか再び問いかける


「うん・・・、これ、言うべきかどうか迷ったけれど・・・、

やっぱり我慢出来ないよ・・・」


少し目を伏せながらそう呟いた海狸は、一度大きく深呼吸すると、

まっすぐに少年を見据えてこう言い放った


「ボクさ・・・、史くんのこと、好きになっちゃったんだ♡」


平然と、はっきりそう言ってのける海狸に対し、

言われた側の少年は、大きく動揺し、思わず声を上げてしまう


「わぁ、びっくりした・・・、下で真狐ちゃんが

気持ち良さそうに寝てるんだから、あんまり大きい声を出しちゃだめだよ?」


少年は慌てて口をつぐんで小さな声で謝ったが、

すぐに気を取り直すと、何故、文字通り昨日今日出会ったばかりの自分に

告白をしてきたのか海狸に尋ねる


「え・・・、どうしてって言われても・・・、

好きになっちゃったものは仕方ないとしか言いようがないもん・・・」


「まあ、強いて言うなら・・・、ボクのことを、

ちゃんと見てくれたから、そして優しくしてくれたから

気になり始めたのかなぁって思うけど・・・、

でも多分、それも理由の一つに過ぎないと思うんだ・・・」


「そもそもさ、真狐ちゃんだって関係を積み上げたうえで

告白してきたわけじゃないんでしょ?

だったら理由なんてどうでもいいんじゃない?」


「それとも・・・、これも悪戯だって思ってたりする・・・?」


涙ぐんだ目でそう言われ、少年は慌てて海狸の言葉を否定した


「じゃあ、ボクが本気だってことは分かってくれたんだね・・・?」


少年は素直に頷き、海狸の言葉を肯定したが、

同時に、既に真狐と恋仲になっていることも改めて告げる


「真狐ちゃん・・・、うん、分かってる、二人の仲が良いことも、

そこにボクの入る余地がないってことも・・・」


真狐の名前を聞いた瞬間、海狸は顔に暗い影を落としながら

呟き始めた


「ボク、史くんのことも真狐ちゃんのことも大好きだもん・・・、

そんな二人の仲を引き裂くなんて嫌・・・」


「だからこの思い、気のせいだと思いたかったの・・・、

キミと二人きりになっても平気なんだってことを

確かめたかったの・・・」


「でもやっぱり気のせいじゃなかった・・・、

二人きりになって、見つめれば見つめるほど、

ここが痛くなっていく・・・」


「ボク、二人に嫌われたくないよ・・・、

だけど、こんなにもやもやした気持ちを

ずっと抱き続けるのも耐えられない・・・」


次第に海狸の声が悲痛なものに変わっていき、

少年の胸に突き刺さる


どうすればいいのか、どう声を掛ければいいのか、

いくら考えても分からない少年は、

何か出来ることはないか海狸に尋ねてみた


「キミに出来ること・・・? あるよ・・・?」


「ほんの少しでいいの・・・、ボクの気持ちに応えて・・・?

ボクのこと、好きって言って・・・!?」


少年は海狸の要望に驚きつつも、真狐と既に恋仲にあることを理由に、

やんわりと否定的な態度を取ろうとする


しかし、少年が全て言い切る前に、海狸が更に詰め寄って来た


「それは分かってるの・・・! キミが真狐ちゃんと愛し合ってることは

百も承知なの・・・!」


「それでも・・・、キミの「好き」がボクも欲しいの・・・、

いけないことだと分かってても止められないよ・・・!」


「お願い・・・! ほんの少しでいいから、

ボクのことも好きになって・・・!」


切羽詰まった表情の海狸と、どうすればいいのか余計に分からなくなり、

ますます混乱してしまう少年


そもそも、好きになれと言われてすぐになれるはずもなく、

少年は戸惑うばかりである


とにかく落ち着いてもらおうと、少年は海狸をなだめてみるが、

海狸の主張は一向に撤回されない


次第に海狸の方も焦り始めたのか、

少年から視線を外しつつ、何かを呟き始めた


「う~・・・、どうしても史くんがボクを

好きになってくれないって言うなら・・・、もうこれしかない・・・」


「史くん! ちょっと目をつぶって!」


突然の大声に驚きながら、海狸の剣幕に押され、

少年は言われるがままに固く目をつぶる


「いいって言うまで開けちゃだめだからね!?」


海狸に釘を刺され、少年が頷くと、気持ちを整えようとしているのか、

深呼吸をする音が聞こえて来た


「すぅ~・・・、はぁ~・・・、よし・・・!」


小さな掛け声と共に、海狸から何かが擦れる音が聞こえてくる


何の音か気にする余裕のない少年は、ただ只管に硬く目を閉じていた


「よ、よし・・・、史くん・・・、も、もう目を開けてもいいよ~・・・♡」


海狸が許可を出し、少年が言われるまま目を開けた瞬間、

信じられない光景が少年の目に飛び込んでくる


挿絵(By みてみん)


そこには、服を脱ぎ、下着姿になった海狸が

四つん這いになって挑発的な視線を向けていた


「ほら、ボクの体、どう思う~?♡

どうしても史くんが好きって言ってくれないなら、

キミの体に聞いちゃうぞ~?♡」


そう言いつつ、ゆっくりとお尻を振りながら少年に迫り来る海狸


少年は、目の前に存在する官能的な姿の海狸に思わず息を呑んだ


水を弾きそうな瑞々しい肌、性的な部分に自然と視線が引き込まれてしまう

刺激的な色と形の下着、そしてその際どい下着に包まれる海狸の胸とお尻


見ているだけでも卒倒してしまいそうな姿の海狸が

ゆっくりと近づいてくる様子から、少年は目が離せなかった


「良かった・・・、今度はちゃんとボクのことを見てくれるんだね・・・♡

また目を逸らされたらどうしようかと思っちゃった・・・♡」


少年が視線を向けていることに安心したのか、

少し表情の和らいだ海狸が言う


「あと・・・、この恰好見て、鼻血出して倒れちゃったりしないかな~って、

そういう心配もあったけどね・・・♡」


僅かに冗談めいた口調で海狸にそう言われ、

少年もわずかに冷静さを取り戻す


そして、服を着るよう海狸に願い出たが、

当然海狸はそれを聞き流した


「ん~ん♡ キミの「好き」を感じるまで、

服なんて着ないよ~?♡」


「ほら、もっとじっくり見つめて・・・?♡

この下着、史くんに会うからって、わざわざお気に入りを

着けてきたんだよ~?♡」


「本当は見せるつもりじゃなかったんだけど・・・、

ごめんね~、抑えきれなかったの~♡

だって、キミのこと好きになっちゃったんだもん・・・♡」


明確な好意を示す海狸の言葉に、少年の鼓動が更に跳ね上がる


頬はこれ以上ないほどに上気し、

走った後のように息が荒くなってしまう


少年は、ろくに動かない頭でこの状況をどうするべきか

必死に考えてみるが、何も思いつかない


「も~、まだ好きって言ってくれないの~・・・?♡

だったら~、ほんとに体に聞いちゃおっかな~・・・?♡」


そう言いながら、海狸が火照った顔でゆっくりと少年に迫っていく


手を伸ばせば触れる距離から、少しでも動けば触れてしまう距離まで

海狸の肢体が近づいてくる


「ふふ・・・♡ ここまで来ればどうかな~?♡

ボクの体を良く見れるでしょう・・・?♡」


「おっぱいとかお尻とかには自信があるんだよ~?♡

気に入ってくれるかな~?♡」


「触りたかったら触ってみてもいいんだよ~?♡ ほらほら~♡」


自身の体を軽く揺らし、魅力的な部分により注目させようとする海狸


興奮のあまり、少年の頭の中は真っ白になり始め、

何も考えられなくなっていく


もはや少年は、海狸の求める言葉を、

例え言いたくても言えないような状態になっていた


「これでもまだ言ってくれないなんて、意地悪だね・・・♡」


完全に茹で上がった少年の頬に、海狸の手が添えられる


「そんな意地悪なお口は・・・、ボクのお口で塞いじゃおうかな・・・?♡」


そして少年と同じくらい火照った海狸の顔が、

ゆっくりと少年に迫っていく


そしてお互いの吐息が絡み合い、どちらのものか分からなくなるほどの

距離まで近づいたその時


「ここじゃな!! いた!!」


勢いよく扉を開き、真狐が部屋に入って来た


「ま、真狐ちゃん!?」


突然の来襲に大きく驚く海狸と少年だが、

対する真狐は、海狸の姿と状況を見て、

はっきり怒りを露わにする


「か~い~り~・・・! お主・・・、また性懲りもなく

史陽を誑かそうとしておるのじゃな~・・・!?」


「えっ!? いや、ちがっ・・・、違わないこともないけど・・・、

これには訳が・・・!」


「お主の言い訳はこの数百年腐るほど聞いてとっくに聞き飽きておるわ!」


「と、とにかく真狐ちゃん話を聞いて・・・!」


「問答無用じゃ! そこを動く出ないぞ・・・!?」


若干の勘違いをしてしまった真狐が、

怒りの形相でゆっくりと海狸に迫っていく


慌てた少年は、真狐を止めるために駆け寄ろうとしたが、

直前まで興奮していたこともあってか、大きく動こうとしたせいで

足元がおぼつかず、倒れてしまいそうになる


「あっ、史陽、危ないぞ、わしに捕ま・・・、あっ・・・!」


そんな少年に気が付いた真狐が慌てて駆け寄ろうとした瞬間、

海狸の脱ぎ捨てた服に足を取られ、大きくバランスを崩してしまう


「あっ、二人とも危な・・・!」


一瞬遅れて事態に気付いた海狸が二人を支えようと飛び出したが、

寸での所で間に合わず、結果的には全員そろって倒れ込んでしまった


「いたた・・・、ふ、史陽、大丈夫か・・・、あっ!」


「うぅ・・・、真狐ちゃんも史くんも大丈・・・、あっ・・・」


少年が怪我などしていないか、状態を確認しようとした二人が

揃って声を上げる


どういうわけか、二人共少年の顔に胸を押し付けるような形で

覆いかぶさっていたようだ


「す、すまぬ史陽・・・、これは不可抗力というやつで・・・」


「ちょっと史くん、しっかりして・・・!」


気を失いつつ、鼻血を流す少年に二人で声を掛け合うが、

少年はすぐに目覚めそうもない


「ああ、ともかく手当をせねば・・・」


「ボ、ボク、ティッシュ取ってくる・・・!」


「待て、ティッシュならこの部屋にも置いてあるから、

階下まで行く必要はない、それと・・・、お主はまず服を着ろ」


慌てて部屋を出ようとする海狸に、真狐が静かにそう言い放つ


「あ、そ、そうだね・・・、この恰好のままじゃ

史くんの目が覚めてもまた倒れちゃうかも・・・」


「それと・・・、史陽の手当が済んだら、

何をしておったのか洗いざらい吐いてもらうからな・・・?」


「あ、はは・・・、う、うん・・・」


更に、鋭い言葉でそう言われてしまい、

海狸はただ笑うしか出来なかった

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