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妖縁奇縁  作者: T&E
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第二話 紹介 その4

寝ぼけた頭を覚ましつつ記憶を呼び起こした少年だが、

自分は確かに狐に戻った真狐と共に眠っていたことを思い出す


しかし、目の前にいる真狐は人間の姿になっており、

そのうえ自分と一緒に一つの布団へ入っている


何故こうなってしまったのかという当然の疑問が浮かび上がる少年だが、

あることに気が付くと、そんな疑問は何もかも吹き飛んでしまった


「すぅ・・・すぅ・・・・・・」


静かな寝息を立てる真狐の着物は着崩れしており、

胸元が開けて胸の谷間が覗いている


頭ではいけないと思いつつも、少年の目はすぐ釘付けになってしまった


「くぅ・・・・・・くぅ・・・」


可愛らしい寝息と共に胸部が膨らみ、胸の谷間がわずかに動く


雄の本能とでも言うべきか、

無意識のうちに少年の手がその谷間に伸びかけたその時


「史陽? 起きてるの?」


扉の外から母親の声が聞こえて来た


慌てて飛び起きた少年は、母親が部屋に入らないよう応答しようとするが、

焦るばかりでなかなか言葉が出てこない


そうなると、必然的に少年を起こそうとした母親が部屋に入ってくる


扉が開いた瞬間、この状況と真狐のことをどう説明すればいいのか

パニックになってしまった少年だが


「あら、今日はちゃんと起きてるのね、偉いじゃない、

夏休みだからっていつまでも寝ているのは良くないからね」


「朝ごはん出来てるから、着替えてから降りてらっしゃい」


母親は何事もなかったかのように少年へ話しかけ、

そのまま部屋を出て行ってしまった


布団の異様な膨らみと、そこから覗く獣の耳が付いた頭に気付かなかったのか、

どうして何も言われなかったのかさっぱり分からず、少年は困惑する


「んん・・・、なんじゃ騒々しい・・・・・・」


困惑する少年をよそに、母親との会話で目が覚めてしまったのか、

真狐がむくりと起き上がった


「もう朝か・・・ ふわぁ・・・・・・」


大口を開けてだらしない欠伸をしながら真狐が呟く


少年は、すぐ着替えて朝食に向かわねばならないことと、

戻るまでこの部屋にいて欲しいことを早急に伝えた


「おお、お主は朝餉の時間か・・・、好きなだけ行って来るがよい・・・」


「わしはもう少し眠っておる・・・、

この布団は柔らかくて寝心地がいいのう・・・♪」


眠り足りないのか、真狐はそれだけ言うと再び布団の中に潜ってしまう


少年は少しだけ呆気にとられたが、すぐに着替え、両親の待つ階下へ向かった


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