第二話 紹介 その2
先に動き出したのは少年の方だった
窓から日差しが入って来たことで、眩しそうに光を遮りながら目を覚ます
だが、まだ寝足りないのか、朝日の差し込む窓に背を向け
もう一度眠ろうとする
しかし寝返りを打った際、正面に何かがあることに気が付いた
半分寝ぼけたままの少年は、瞼を閉じながらそれに手を伸ばしてみる
「んん・・・ぅ・・・・・・」
少年の手がそれに触れた瞬間、どこからか声のようなものが聞こえてきたが、
少年は全く気が付かない
寝ぼけた頭で、少年は自分が掴んでいる物の正体を考える
まるで動物の毛とでも言うような肌ざわりであり、
生物のように温もりを持っている
心当たりのない少年は、自分が掴んでいるものを確認しようと目を開けた
「んぅ・・・や・・・・・・」
少年が掴んでいたのは狐の尻尾、つまり真狐の尻尾であった
段々と目が覚めてきた少年は、自分が掴んでいるものの正体に気付き、
慌てて手を放す
しかしその判断は少し遅かったのか、少年が手を放した瞬間、
背を向けていた真狐が寝返りを打った
「これ・・・、尻尾は掴むなと・・・、言うたで・・・あろ・・・」
「くぅ・・・・・・」
尻尾を捕まれたことに文句を言おうとする真狐だが、
眠気には勝てなかったのか、またすぐに眠ってしまう
少年は、何故真狐と共にベッドの中で眠っているのか、
動かない頭を必死に巡らせ、昨夜の記憶をたどり始めた




