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第二話 紹介 その1
季節は夏真っ盛り、舞台はある町に存在する何の変哲もない民家
既に太陽は昇り始めており、
外は明るい日差しとにぎやかな鳥の声に包まれている
そんな中、薄暗い部屋では二人の男女が眠っていた
片方の男は、少年と言って差し支えがないような背丈の、
ごく普通と言える人間
もう片方の女は、男に比べると背丈もずっと高く、
頭には狐の耳、腰には狐の尻尾が生えている、
ごく普通の人間とは決して言えない美しき女性
しかし、二人が今どうなっているかということに注目すれば、
その違いなど些細なものだと思えてくるだろう
性別から背丈、姿形まで何もかも異なり二人の男女は、
共に一つのベッドで眠っていた




