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朝焼け・海・椅子
小さな椅子をもって、海に出かける。
今日の同居人は興味がないらしい。
もうすぐ日が昇る。じりじりと海岸線が光に満たされる。
椅子に座って、ただそれを見つめる。一日の始まりを迎え入れる。
太陽が頭を出す。もうすぐだ、まだか、まだか。
やがて時が来る。眩いほどの朝焼け。神々しくも儚い朝焼け。
美しく、それでいて不変の瞬間。
全身で堪能する。目を閉じ、瞼を通して見つめる。
やがて、名残惜しく背に日を浴びて椅子を片付ける。
部屋に戻り、支度を始める。同居人が目を覚ます。
今日も一日が始まる。