三題詩

リンゴ・哲学・源泉

リンゴ。かつて知恵の実と呼ばれたその果実がなければ。

人の原罪の象徴として描かれるその果実に、アダムとイヴがかじりつかなければ。

僕らは僕らのことを考えることはあったのだろうか。

哲学は、否、全ての学びと名の付くものは発展したのだろうか。

僕らの飽くなき探求心は、ひとかけらのリンゴからあふれ出したのだろう。

尽きることのないココロの源泉はかつてリンゴの形をしていた。

善悪や喜怒哀楽の全てを詰め込んだその果実は今、僕らの中にひとつづつ生っている。