簡単な説明会
家にあがらせてもらってから早1時間。元々休みだったので起きるのも昼前だったということもあって、今はもう2時を過ぎている。
途中閑話も多かったので簡潔に纏めるとこうだ。
・ここは地球だが僕のいた地球じゃない
・魔法は誰でも使えて、レベル式(熟練度)らしい
・蛔虫はギルドランク(F〜SSSまである)Cで、この世界で言うところの中堅辺り
・自称芋沢さんでもファイアー…火球を10発ほど連続で打てれば倒せたそうだが、落とし穴など身動きが取れない状況じゃないと無理
・例えばランクFの魔法使いが火球を撃った場合、軽いボヤ程度らしい。ちなみに奥さんが撃ったのは火球ではなく、厳密にはわかりやすく言うと圧縮した火の玉なので当たると爆発するエクスプロージョンのような物。誰もがこれを出来るわけではないらしい
・魔法とは全てが体内の魔力からひねり出すものではなく、空気中にある魔力と合わせて出すものらしい(もちろん内蔵量が多いならそれでも可だとか)
・魔法にも属性があるらしく、分類されているのはテンプレな火と水と地と風と時間。光と闇はなかなかいないとか
・魔法名なんてものは正直なんでもいいので、火球でもファイアーボールでもあっちっちでもいいらしい、ようは自分の納得のいく名前で「呼べば」いいらしい
・芋沢さんの中学時代の火球の名前は「我が師である灼熱の化身より授かりし御霊をここに召喚する。地獄の焔に焼かれて消えろ、ラストエクリプスサンダーブリザードエキストラファイア」
まだまだ聞きたいこともあったのだけれど、ハゲ…こと芋沢さんが床を転げ回って叫び出したので1度外に出てみることにした。
そもそも、Bランクの冒険者仮である僕なら倒せたであろう蛔虫から何故逃げてたのか、という疑問もあり記憶が無いであろう僕にわざわざ教えてくれた奥さんには感謝しかない。
「ありがとうございました。あと、最後に一ついいですか?」
「あら、何かしら」
「携帯いじろうとしたらエラーが出て魔力を流してくださいって言われたんですけど、魔力の流し方ってわかります?」
ある意味僕のいきなりのファンタジー世界に迷い込んでしまった原因がそれなので、帰ってからまたやかましく鳴る携帯と寝る気もない。ならば、と聞いてみたが不発に終わってしまった。
「そればかりは無理よね、ぽかぽか君がもし、『どうしてあなたは息をしてるの?どうやって息をするの?』と聞かれてそれに答えられるかしら?」
という至極もっともなお言葉を頂いたからである。確かに、こちらの世界ではそれは産まれた時から持ち合わせているもので、それのやり方など聞いても「本能だ」としか返せないか。
浅井炬燵、早くも手詰まりである。