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魔法感染  作者: 正午
1/10

敗北

初めて書いた作品なので誤字脱字等あると思いますが楽しんでいただけたら幸いです。

  「あ〜めんどくさいなぁ」

 

  黒髪に青い瞳を持つ10代後半くらいの少年、ユウは荒廃した渋谷で【魔物】に囲まれていた。

  【数十年前に世界各地で発生したウイルスは世界を変えてしまった。】

  ウイルスはCTV(Creature trans virus)と呼ばれCTVは感染した生命体を化け物(後に魔物と呼ばれることとなる)に造り変えてしまうというものだった。

  魔物には通常兵器が通じず人類は抵抗する手段がなく、人口は4分の1にまで減ってしまった。そして人類の生活範囲も大幅に狭まり大都市だった場所にも魔物が住み着く始末になっていた。

  しかし人間にも当然CTVの影響はあった。CTV発生後に生まれた子供は髪や目の色がそれまでの人々と違い様々な色を持っていた。それに留まらず子供たちは特殊な力を使えるようになっていた。そしてその力は魔物に対して大きな効果があった。通常兵器では倒すことが難しい魔物を倒すことが出来たのだ。

  そしてCTVが発生してから数十年が経過した現在ほとんどの人間が【魔力】を使い特殊な力【魔法】を使えるようになっていた...。

  そして先述の少年、ユウも魔法を使用できる。

 

  「さて、そろそろ切り上げて帰らなきゃいけないからどいてもらうぞ?」

 

  ユウの身体に電撃を纏い自身を取り囲んでいた狼型の魔物の1匹に右手を向けた。

 

  「おらぁぁぁぁ!!」

 

  ユウの右手から電撃が放たれ魔物に直撃した。

 

  「ガアアアアアア!!」

  魔物は断末魔を上げて地面に倒れた。残った魔物も同様に電撃で蹴散らしていく。

 

  あたりには電撃で黒焦げになった魔物とその原因を作ったユウが残っていた。


  「うわぁ、派手にやりましたね...」

 

  まるで魔物を倒して安全になったのを見計らったかのようなタイミングで薄く茶色みがかったロングヘアに黄色の瞳を持つユウと同年代くらいの少女がユウに声をかけた。

 

  「見てたんなら手伝えよ、セラ」


  ユウは声をかけてきた少女、セラに呆れたように言い返した。

 

  「だって私が手伝っても足でまといになるだけですし?」

 

  セラはおどけるようにユウの抗議に反応した。そしてこう続けた。

 

  「それよりもなんでユウさんは魔物に囲まれてたんですか?」


  「ああ、いやほら任務だよCTVに関する手掛かりを探してたら囲まれてな...」

 

  ユウはバツが悪そうに答えた。ユウがなぜ渋谷でCTVに関する手掛かりを探していたかというと渋谷が世界各地で発生したCTVの発生源の1つだったからだ。

 

  「で、その手掛かりは見つかったんですか?」

 

  「いやなんにも、まあ数十年たってもCTVの手掛かりなんて見つかっていからなぁ」

 

  「それはそうですけど数十年たったからこそ、そろそろ見つかってもいいと思うんですよね」


  「確かに多少は期待したいとこはあるんだけどな」


  「じゃあもう少し探しますか?」


  「いや、さっきの戦闘音で他の魔物も寄ってくるだろうしそろそろ【部隊】にも合流する時間だろ?」


  部隊とは魔物と戦うために編成された集団であり高い戦闘能力を持つ。先程自らを足でまといといったセラでも、かなりの戦闘能力を持っている。ユウも部隊に所属しておりその任務でCTVの調査をしていたのだ。


  「そうでしたね、なら合流地点まで行きますか」


  ユウが魔物を倒した地点から数キロ歩いた場所が合流地点だった。

 

  「遅ぇぞユウどこまで行ってたんだ?」


  そうユウに声をかけたのは無精髭をはやした30代後半くらいの大男だった。


  「悪いねリュウさんちょっと調査に熱中してたら魔物に囲まれちゃってさ...」


  「気を付けろよ、どんな魔物でも危険なことに変わりはないんだからな」

  というようにユウに声をかけた大男はリュウという名前でユウたちの所属する部隊【グラジオラス】のリーダーだ。仲間思いで義理堅い性格である。


  「ただでさえうち(グラジオラス)は人が少ねぇんだから死んでくれるなよ?」

 

  グラジオラスは数十名ほどの部隊で他の部隊よりは人数は少ないが精鋭揃いの部隊である


  「それにお前はうちのエースだろうが、死んだら困るんだよ...俺は誰1人死なせたくねぇんだ」


  その言葉にユウは素直に反省し、


  「気を付けるよごめんリュウさん」


  素直に謝った。


  「わかればいい...その様子だとそっちもめぼしいもんは見つからなかったみたいだな」


  「まぁそんなすぐ見つかるようなものじゃないしね」


  リュウは「そうか」とだけユウに言い、既に集まっていたグラジオラス全員に言い放った。

 

  「今日の探索はこれで終わりだ!拠点まで戻るぞ、着くまで気を抜くなよ!」


  『了解』


  グラジオラス全員の返事を合図に拠点(練馬区付近)を目指し移動を開始した。全員魔力で身体強化し車並みのスピードで拠点まで駆けて行く。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ――――――数分ほど走っただろうか...魔力であたりを探っていた隊員が叫んだ。


  「何かデカイ魔物が近寄ってくる!!気を付けろ!!」


  それを聞いたリュウが大声で指示を出した。


  「総員戦闘準備!!周りに注意を払え!!!」


  その声を聞き全員が一斉に戦闘態勢をとった。


  「おい...なんだあれ...」


  魔物の姿を一番早く確認した隊員が絶望的な声を出した。


  「なんだぁ...ありゃ...デカすぎる!!」


  リュウが絞り出すかのように声を出した。魔物は獅子型だった。それだけなら特に誰も驚きはしないだろう。ただサイズが尋常ではなかった。獅子型は通常は体長3~4mであるのに対し今回現れたのはどう見積もっても体長10mは軽く超えていた。


  「リュウさん!!コイツヤバい!!早く離脱を!!!」


  最も早く行動できたユウがリュウに声をかけた。リュウはその声を聞き撤退の指示を出した。


  「獅子型の近くにいるやつを残して離脱しろ!!残ったやつは足止めしつつ撤退!!俺も残る!!」


  「リュウさん!俺も!!」


  ユウは残ろうとリュウに進言したが...


  「お前は先に離脱したやつの指示を出せ!いいな!!」


  有無を言わさないリュウの指示に


  「.........わかった、死ぬなよ!!」


  そう言い残し離脱した。


  「野郎共!!足止めじゃなく殺す気で行け!!じゃなきゃやられるぞ!」


  『了解!!』


  グラジオラスの撤退戦が始まった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


  ――――――――数十分後残った隊員で生き残っているのはリュウだけだった。


  「ちくしょう...強すぎんだろぅがよぉ...」


  リュウは岩の魔法を使い獅子型の魔物と戦っていたが既に満身創痍で意識は朦朧としていた。


  「グゥォォォォォォ!!!!」


  獅子型の魔物は既にまともに動けなくなっているリュウに鋭い爪を叩きつけた。自らに爪が迫るのを見ながらリュウは掠れた声で呟いた。


  「あとは頼んだぞユウ...」


 




初っ端から重い話になってしまいました。主人公の出番が少ない気がしますが次は主人公をしっかり出していきます笑

誤字脱字等の指摘ございましたらご指摘ください。ちまちま書いていくので次回は未定です。エタらないよう努力します笑

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