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水平線にとどく唄  作者: つるめぐみ
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5.怪我

 歌う人間のほうから風が吹いてきます。

 漂ってきた花の香りに誘われるように、クウは更に首を伸ばしました。

 こんないい香りの友だちはクウの近くにはいません。お母さんの匂いもクウは好きですが、歌っている人間の匂いとは違います。

 人間が身につけている白い布も光を浴びてキラキラと輝いています。金色の長い髪と空のように青い瞳の人間にクウは心を奪われてしまいました。

 こわさよりも先に、気づかれないだろうから、もうすこし近づいてみようという好奇心が生まれます。

 一歩前に歩いたクウですが、急に足に痛みを感じて声をあげてしまいました。

 すると突然、歌声がとまって人間の声が聞こえます。

「誰かいるの?」

 声を聞いてクウは震えました。見つかってしまったらどうなるのだろうと不安になります。

「あっ、恐竜!」

 すると人間が声をあげました。大きなクウの体は隠すことができなかったのです。

 ――人間に見つかったら殺される。

 クウは逃げようとしますが、足の怪我が思ったよりも痛くて動くことができませんでした。

 優竜は海で生活する巨大なトカゲです。そのため、陸で動くことには慣れていません。海に入っていると浮かぶので、普段はあまり足に体重をかけないのです。

 窓から姿を消した人間が、外に出てきます。その人間が手に持っている何かを見てクウは震えました。きっと自分は殺されてしまうのだと。

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