表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水平線にとどく唄  作者: つるめぐみ
PR
10/27

10.ただいま

 穏やかになった海を泳ぎながら、クウは家を目指します。

 シャロンが治療してくれたので、足も痛くありません。

 島に近づくとお父さんの大きな体が見えました。お母さんも友だちも近くにいます。

「お父さん、お母さん!」

 クウは水平線のむこうまで聞こえるくらいの大きな声で叫びました。クウの声を聞いた、お母さんが海水を散らせながら駆け寄ってきます。

「クウ、無事だったのね」

 長い首で抱き寄せてくれた、お母さんの優しさと温かさを感じて、クウは安心しました。

「どんどん流されて……すごくこわかったよ」

 クウの話を聞きながら、お母さんは首を縦に振りながら「うんうん」と答えます。

 話の途中で、クウはお母さんにシャロンのことを話すべきかと思いましたが、やめることにしました。

『人間はこわい生き物。絶対に近づいては駄目』

 そう言っていた、お母さんに怒られてしまうと思ったのです。

 クウが無事な姿を見て、お父さんも駆け寄ってきます。友だちもです。

 たくさんの仲間たちに囲まれて、

「どうやって助かったの?」

「どこにいたの?」

 と、質問されます。あまりにもいろんなことを訊かれるので、クウは困ってしまうと、

「疲れているから、また今度話すよ」

 と言って、その場を離れました。

 ――人間に助けられたって言ったら、みんなどう思うんだろう。驚くのかな。お母さんみたいに怒るかな。

 優しかったシャロン。クウは人間は悪い生き物ではないと思いました。

 無事に帰ってきた我が家です。今日はゆっくりと休めるはず。クウは、そう思っていました。

 けれど、その日の夜、困ったことがおきてしまったのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ