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デモンズラビリンス  作者: 漆之黒褐
第三章
50/73

3-2

 適当に落ち着いた所で、現状を聞いていく。

 何故だか俺が預かった子供達が3種族の長老達の前にいたが――一応、一番前にいたのは最長老――細かいところは気にしないでおく。


 まず、何と言ってもラミーナの件。

 聞くところによると、俺が眠りについた次の日から増長しだしたとのこと。

 しかも俺から貰ったという花飾りを見せびらかしながら『正妻たる妾がか弱き汝等を正しく支配してしんぜよう』とか何とか宣い始めた。


 元々ラミーナは彼等では束になっても勝てない実力者だった。

 運良く弱っていた所を捕まえたは良いが、手籠めにする事は叶わず、頑丈な牢屋に放り込んでおくだけが精一杯。

 しかし俺が提案した迷宮改造計画の一環でラミーナを封じていた牢屋が無くなり、あまつさえ仕方なく引き取った俺が殻に閉じこもってしまい音信不通。


 結果、俺という枷がいなくなった事でこの集落をあっと言う間に支配してしまったのだとか。


 ――っと言ったところで、俺は最長老に正座させられる。

 別に野放しにするのは構わないが、しっかり後先考えておけだの、あれこれ言われた。

 『存在進化』するなら事前に言ってくれ、という無理難題な説教もされた。

 それは無理だろうが、と言い換えそうと思ったが、後ろにいた全員が涙目で辛い過去を偲んでいたので口を噤む。


 あ、だからといってどさくさに紛れてあの女性2人を寄越せとかいう要求は聞くつもりはないからな。

 そこだけは譲るつもりはないので、ギロッと睨んで黙らせておく。

 いや、『ちっ』ってなんだ、『ちっ』って。

 もしかしてさっきの説教はそのための布石だったのかよ。


 さて、問題は例の女性2人なのだが。

 あの2人が悲鳴をあげた時から何となく分かっていたが、どうやら俺の希望というか願望というか、一番最初に予想していたものではないようだった。


 見た事が無い、イコール、例の○ライム2匹なのでは?

 答えは否。

 歴とした人間(ヽヽ)だった。


 そう、人間だ。

 正確には、亜人種の《混沌の民(ヒューム)》の女2人。

 人間なのに亜人種、これ如何に?と思うかもしれないが、この世界ではそういう分け方としているらしい。

 説明は省略。


 兎も角、あの2人はどこからどう見ても俺の知る人間そのものだった。

 少し前にこの集落へ飛び込んできたらしい。

 しかも迷宮の奧の方から、物凄く疲れた様子で。


 正直、運が悪かったというより他ない。

 現在、この集落には繁殖用奴隷は一人もいない。

 食中毒?事件で全員が亡くなっている。


 鴨が葱を背負ってきたと、早速3種族は全力で捕獲した。


 しかし、彼女達は運が良かった。

 そこで待ったをかけた者がいたのだ。

 それがラミーナ。


 ラミーナは自らも雌であったため、彼女達の窮地には思う所があった……訳では無く、単純に俺へと献上する土産が出来たと喜び、力尽くで2人の身柄を3種族の魔の手から奪い去ったのだとか。

 最長老が物凄く悔しそうに説明してくれた。


 まぁ何はともあれ、彼女達の貞操はラミーナによって救われた。

 互いに言葉は理解出来なかったが、少なくとも彼女達はラミーナに感謝を覚え――色々扱き使われていたそうなので、すぐにその感情は吹き飛んだだろうが――今日まで生き延びた。

 あとは俺が知っている通り。


 失禁して、気絶して、身包みを剥がされ、貝殻(ベッド)に連れ込まれた。


 ――その言葉だけ聞くと、何だか俺が随分と悪者の様に聞こえるが、それは誤解だと言っておく。

 まだ俺は手を出していない。

 いや、将来的にも手を出す予定はない。


 どちらにしても、俺の意にそぐわない事態に至らなかったのだから、俺はラミーナを少し褒めておいた。

 吊したままにしておくのも止めよう。

 ナイフで突き刺してきた事も許――そういえば、まだ理由を聞いていなかったな。

 何でだ?


 ……。

 俺の子供を腹へと宿すには、殺してから子種を奪うのが一番確実だから、種族的本能でつい、だそうな。


 雌を捕らえて精を植え付けるゴブリン達。

 雄を殺してから必要な精だけ奪うラミア。

 やはりラミアもモンスターなんだな、としみじみ思う。


 ラミーナの事とあの女性達の事を聞いたので、今度は俺が指示していた迷宮改造計画に関しての進捗を聞く。


 第二第三の水場、迷宮入口から迷宮奧へと続く通路の迂回路、取り壊したバグ族の新集落建築、あとついでに俺の家の拡張。

 あれから十日程度経っているのだから、結構進んでいるのだろう。

 何しろ、後回しにしても良いと言っていた俺の家がこんな状況だからな。

 これは期待出来るというものである。


 ――報告を聞いて、俺はラミーナを顔をもう一度アイアンクローした。

 ほぼ全ての改造計画を止めて、俺の家の拡張ほぼ一点に絞っていたとはどういう了見だ?

 御陰でバグ族は住む場所もなく、今では他2種族の集落へ散り散りになって厄介になっているとか。

 しかも食糧調達などを疎かにしていたので、段々と生活が苦しくなり、なかには飢えの所為で失敗し死んだ者もいるんだってな。

 女王様気取りで圧政を敷き民を苦しめるとは、貴様はいったい何様のつもりだ。


 これは緊急度が高いとすぐに察し、空腹の者以外は今すぐ食糧調達を始める様に指示を出す。

 俺の家人であるバグフェとバグファンには、恐らくラミーナが貯め込んでいるだろう我が家の備蓄の解放を指示。

 アクリスとエリアスはゴブ族集落の現状調査。

 御菜江と御沙樹にはコボ族集落の現状調査。

 倭ノ介には各部族の老人衆と共にそれ以外の場所の見回り調査を指示。

 俺は生命線とも言える水場を最優先で確認しに行く。


 その日はそんな感じで慌ただしく過ぎていった。




[アルちゃんはスキル【鮫肌】を対象よりスティール]

[アルちゃんはスキル【ギロチン歯の断喰】を対象よりスティール]

[アルちゃんはスキル【背鰭刃一閃】を対象よりスティール]

[アルちゃんはスキル【雷光脆弱】を対象よりスティール]

[アルちゃんはスキル【気配察知】を対象よりスティール]

[アルちゃんはスキル【鰓呼吸】を対象よりスティール]

[アルちゃんはスキル【高速水泳】を対象よりスティール]

[アルちゃんはスキル【水源日の加護】を対象よりスティール]











 いつのまに名前が……。







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