プロローグ
僕は、ぼっちだ。友達と呼べる人間がいない。だから、この教室では常に一人で過ごしている。いや、一人と言うよりは、独りと言った方がしっくりとくる。
ぼっちと言っても、別にいじめられている訳ではない。たぶん。ただ、友達がいないだけだ。気の合う人間が、この教室にいないだけだ。
この教室には、20人の生徒がいる。 僕を含めて。
僕以外の生徒は、みんな楽しそうに学校生活を送っている。
正直に言うと、羨ましい。
しかし、友達を作りたくても作れないのが、僕だ。コミュ症である。
そんなこんなで、気づけば5月。
一般的には、仲のいい友達同士のグループが出来ている頃だ。この教室でも、仲のいい友達同士のグループが出来上がっていた。僕以外に、一人の人はいない。みんな、どれかのグループに入っていた。おしゃべりをしたり、トランプをしたりして楽しんでいる。
もちろん、僕は独りだ。喋る相手もいない。
しかし、独りだとどうしても気になることがある。
例えば、僕に関する会話。
「あいつさ〜、さっき独りで笑ってたんだけど〜」
「何それ〜、きも〜い」
「やっぱり〜、独りの人って何考えてんのかわかんね〜」
とか、
「あいつ、さっきあんたのこと見てたよ」
「マジかよ。気持ち悪い」
「もしかして、あんたのこと好きなんじゃね?」
「やめろよ気持ち悪い。考えただけでもゾッとするからさ」
とかだ。
ちなみに、この例えばの会話は、僕が実際に聞いたものだ。トイレに行く時に、たまたま聞いたのだ。一応言っておくけど、トイレに行ったのは便所飯をするためではない。さすがに、そこまでひどいことにはなっていない。
話が逸れてしまったけど、要するに、悪い噂が流れていないかが気になるのだ。自分に関する噂が気になるのは、人間として当然のことだ。
こんな感じの悪い噂が立たないように、僕は頑張った。
そんな僕が過ごした、一人ぼっちの学校生活を話していくことにする。
正しくは、独り、ぼっちの学校生活の話を。




