俺氏、自分の創った厨二世界に召喚される
新作書いてみた。基本いきあたりばったり。でもプロット考える。がんばる!
俺は眠りにつこうとしていた。
今日学校であったこと。ただ授業に出て昼飯食って午後の授業に出て。
そして家路につく。
ぼっちの正しい生き方だ。あの件があって以来、俺は無難に地味に当たり障りがないように生きることに努めることにした。ぼっちも慣れれば楽しいものだ。くそったれな高校生活など早く終わらせるにかぎる。
だんだん意識が薄らいでいく。ああ、明日も同じように、ただ授業に出て昼飯食って午後の授業に出る生活だ。ああ楽しいなあ!
ところが。
どこからか声が聴こえてきた。幻聴か? 俺は何かヘンな病気にでもなってしまったのか?
『よお、そんな人生で楽しいかい?』
どうやら夢の中らしい。夢の中だと分かる夢もあると知っている。だからこれは夢の中だ。目の前に何やら影のような人間が立っている。
驚くべきことにその声は俺の声そっくりだった。だがどうせ夢の中だ。怯まずこう答えてやった。
「ああ、楽しいよ。こんな楽しい高校生活はないね」
『そうかい? 今から俺が楽しい世界に連れて行ってやろうと言うのに、その返事はないね』
彼はつまらなげな――と言っても表情がまるっきり分からないので想像でしかないのだが、そんな様子で俺に言う。
「連れて行く? そんなことがお前にできるのかよ?」
『できるさ、だって俺はお前だからな』
冗談にも程がある。ああ、なんてくだらない夢だ。このまま楽しい世界の夢を見たとしてもくだらない。
『くだらない? なんでも物事を斜に構えて見てんじゃねえよ。比企屋直人よ。お前はいっつもそうだな。そんなにあのことがトラウマだったのかい?』
どうやらこいつはあの事も知っているらしい。まったく嫌味な奴だ。
「うるさい。早く消えろって」
『ああ、消えるさ、さてどうなるかね。クック』
そしてその人影は消えた。薄気味悪い忍び笑いをしながら。
窓辺から日差しが入ってくるのを感じ、俺の意識は現実へと戻っていく。めざましなしで起きるとは久々のことだった。
と、俺はむにゅむにゅと変な感触を掌に感じていた。今までに感じたことのない感触だ。例えてみるならば、それはおっぱい。いや今まで触ったことがないが、そうとしか形容のできないものだった。
俺は目を開けた。
知らない女の子が一緒に寝ている。なんだこれは。しかも部屋はいつもの俺の部屋ではない。どうなってしまったんだ?
そして少女も俺が胸を揉んでいるのに気付いて目を覚ます。俺は笑顔でこう言った。
「お、おっす」
絶叫が部屋中に響き渡った。当たり前だ。しかしなんでこんなことになってしまったのだろう? そうか、これは夢の中だ。まだ俺はまだ夢の中にいるのだ。
慌てて布団から飛び出す。少女も飛び起きて俺に一発平手打ち。
痛い。
コレハユメ?
痛さを感じる夢もあるらしいので、これは夢だ。
少女は手当り次第周りの物をぶつけてくるので、俺は避けようとして手を伸ばした。
その時、彼女は手を止めた。そして不思議な言語でこう言った。
「それは、タンリュウモン!」
驚いた風の彼女の声に、思わず俺は腕を見てみた。右腕に不思議な痣がついている。こんなもの俺にはなかったぞ? タンリュウ? 龍? 俺は過去の黒歴史を思い出した。そんな設定を過去に作ったことがある。
そう、ここは俺の黒歴史の世界。
そう、ここは俺の厨二病妄想設定でできた世界のようだった。
――俺、過去に作った厨二世界に召喚されてしまいました!
すねぱにのほうは、しっかりストック溜まってから続編投稿します。こっちはある意味実験作。