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083.二十層までの道程・弐

 :チーム・暁の十八層デビュー!

 :いえーい。

 :マジ早い。最速記録更新なんじゃない?

 :いや、高校生で探索者してて卒業して即座に十五層クリアした探索者がいるから。

 :あぁ、そういや居たなぁ。下層で死んじゃったんだよね。残念だった。

 :マジそれ。将来性しかなかったのに、イレギュラーさえ現れなければ。

 :でもチーム・暁ならイレギュラーすら突破して帰って来てくれる。そう俺は信じてる!

 :そうだな、十兵衛くんなら忍術でなんとかしちゃいそうだよな。

 :スタンピードが起きてもなんとかしてくれると信じてるよ。

 :いや、新宿スタンピードはマジ勘弁。

 :東京に住んでないけど新宿スタンピードが起きたら日本終わるから……。

 :それはそう。

 :そこは大阪に首都置いてもろて。

 :それだったら京都だろ。ダンジョンないし。

 :言うて大阪ダンジョン氾濫したら京都も被害受けるべ。

 :それはそう。

 :とにかくチーム・暁の快進撃を見届けよう。行けるなら二十層突破とか言ってたしな。

 :うん、十兵衛くんたちならやってくれると信じてる。


「ほら、朝だぞ。起きろ」

「う~ん、もうちょい」

「ダメだ。起きろ、最澄」

「はっ」


 十兵衛が最澄を軽く蹴ると最澄が起き上がる。重装備な最澄は寝る時も装備を外さない。当然だ。いつ何時なんどきイレギュラーが起きないとは限らない。最奥は安全だとされているがモンスターが寝ている探索者を襲ってきたと言うイレギュラーは確認されているのだ。故に探索者たちは夜番を立てるし、装備を着たまま寝る。

 最澄などは良く鎧のまま寝られるなと思うが、もう慣れたらしい。自分の命と天秤に掛けたら命のが大事だと言われた。その通りである。

 梨沙は茜を起こしに行ったが、茜は既に起きて準備運動をしていた。

 これから十八層にアタックするのだ。寝ぼけたまま行ける訳がない。


「チーム・暁の皆、頑張って」

「応援してる」

「二十層まで一気に攻略するんでしょ?」

「俺たちの見てない世界を代わりに見てきてくれ。いつか追いつくけどな!」


 色々な探索者パーティから激励を貰い、十兵衛たちは十八層へ踏み入れた。


「……ここが十八層」

「映像では見た事あるけど、入るとやっぱり魔力が濃いなって思うよな」

「十六層とかと比べるとやっぱり違いがあるわね」

「でもあたしたちなら大丈夫っしょ」

「そうだな。大丈夫だ」


 十兵衛がはっきり言い切ると皆が良い顔をしている。十八層は草原、湿原型のフィールドダンジョンだ。ルートとしては湿原を突っ切った方が早いが、その分強敵とエンカウントすることになる。

 チーム・暁は湿原での戦いをしたことがない。だが今後下層、深層でも湿原での戦いは必須になる。つまりここで経験しないと言う手はないと言う事だ。


「と、言うわけでこのルートを通る。リザードマンや両生類系のモンスターが出るから注意してくれ」

「ウェットランドフロッグとかが出るんだっけか。でかい蛙だよな」

「そうだな。後は蛇系とかトカゲ系とかが出るな。ウェットランドフロッグの舌の攻撃は案外素早いらしいから注意しないとダメだぞ」

「わかった」


 十八層の基本的な注意事項をお互い確認し合う。こういう確認は何度しても良い。無駄だと思っても確認漏れがあると大事になるのだ。そしてそれは致命的である。

 まずは湿原より前に草原だ。視界が広い。それは単純に視覚でモンスターを見つけられると同時に、見つかると言う事だ。四方八方からモンスターが攻めて来る事も有り得る。十全に注意しなければならない。

 何せ十兵衛は一人しか居ない。四方から襲われたら良くて二区画しか担当できない。残りは三人に頑張って貰うしかないのだ。


「さて、お出迎えだぞ。オークリーダーとその取り巻きどもだ」

「やっぱり出るんだな。オークソルジャーは戦った事があるけどリーダーが指揮すると一段強くなるんだよなぁ」

「そうね、ソルジャーの動きもそうだけれど、メイジやシャーマンの魔法や呪術も厄介よね」

「まぁ肩の力を抜いて、しっかり対処して行こう。それだけの力はある」


 十兵衛はそういい切って忍者刀を抜いた。オークたちは十兵衛たちを餌だと思い、ずんずんと進軍してくる。


(舐めきっているな。その油断つかせて貰うぞ!)


「風遁〈風刃・嵐〉」


 十兵衛の忍術が炸裂する。しかし威力が過剰だったようで、オークリーダーに率いられた軍団は全滅してしまった。


「十兵衛ちゃ~ん」

「すまん」

「いや、わかってたけど一撃って」

「凄いわね」

「だからすまんって。予想外だったんだ。俺もレベルアップしたからな。ちょいと手加減したつもりだったんだが……」


 そんな訳で十八層初戦は忍術で一撃で終わってしまい、最澄たちの戦いの経験を得る事はできなかった。


 ──それから暫く十八層を歩いた。エンカウントも幾度もして、茜たちの戦闘経験も積めた。多少傷は負う事はあるが、オークリーダーに率いられた集団に大怪我を負うような事もなく、十兵衛たちは予定通り進軍していた。


「これから湿原だ。リザードマンやら色々と出てくるから最初は様子見な」

「そう言って全滅させちゃわないでよ?」

「だからすまんって」


 梨沙が混ぜっ返してくるがこればかりは十兵衛は謝り倒すしかない。ミスはミスだ。十兵衛はアレ以来忍者刀と手裏剣で戦い、忍術は封印していた。


 :十八層でも十兵衛くん無双なの笑う。

 :一発目でオークの集団全滅だもんな。

 :忍術強すぎ問題。

 :チーム・暁に入りたいけど、ついて行けない問題。

 :それはそう。

 :普通の人はついていけない。

 :誰もが思ってる事。

 :一緒に探索したいよな~。下層に来たら誘って見ようかな~。

 :いいんじゃない? チーム・暁他のパーティと組んだ経験少ないからベテランだったら応じてくれると思うよ。

 :別に一パーティでの攻略に拘ってる訳じゃないみたいだしね。

 :そうそう。行けるから行く。みたいなスタンスだよね。


「あ~、別に拘ってる訳じゃないから、誘ってくれたら一緒に攻略とかしますよ」


 :十兵衛くんから返信きた!

 :一緒に探索してくれるって!

 :でもこれ倍率凄いんじゃ……。

 :そりゃ十兵衛くんと手合わせしたい人数だけでも百人を軽く超える探索者が集まった訳出会って……。

 :一緒に探索したいパーティなんて無数にあるよなぁ。

 :〈鈴香〉大阪ダンジョンに来ませんか?

 :鈴香さん降臨。

 :まさかの引き抜き。

 :新宿ダンジョンから引き抜かないでもろて。

 :言うて上級探索者は日本中のダンジョン攻略するんだよなぁ。

 :下層探索者の数は少ないから指名依頼が入るんだよね。仕方ない。

 :言うて日本は探索者人口と実力が釣り合ってるからまだマシ。

 :あぁ、某国に比べれば遥かにマシ。

 :そうだな。アフリカとかスタンピード良く起きてるしな。

 :ヨーロッパの有名探索者を高額で招聘してなんとかしてるんだよな。

 :俺、日本生まれで良かった。

 :それはそう。私もそう思う。

 :言うて親世代になると日本も大変だったけどな……。

 :アレは映像で見てもきつい。

 :今後日本でスタンピード起きないように、探索者の皆さんには頑張ってもろて。

 :ワイ、探索者適正なさすぎて泣く。

 :いや、ほとんどの人にはないから。低層でも頑張ってもろて。

 :ゴブリン殺す感触がダメなんや!

 :あ~、あるよな。人型を倒せないっての。生理的に無理なら仕方ない。

 :そういう意味だと新宿ダンジョンは速攻ゴブリン地獄だからな。耐性ないと潜れない。

 :チーム・暁は淡々と処理してるけどね。

 :オークとか忍術で一発だったしね。

 :あ、リザードマン来た。大丈夫かな。

 :むしろどう倒すかワクワクしてる。

 :勝つ前提だよな。

 :十兵衛くんの忍術解禁すれば楽勝やろ。

 :それだと他のメンバーが成長しないんだよなぁ。

 :それ。



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