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精霊族の視察団

また、精霊族が現れた。今度は違う種類の精霊族だ。

見た目、エルフなのでエルフなのだろう。エルフの男とゴブリン似のドワーフの男。何の種族か分からない小さい直立した,猫。ケットシーだったか。3人で視察をしに来たと言う。オレオ州長が応対し、マリア魔導師が,通訳に就いた。

彼等は、人族と獣人族の代表に会いたいと言った。其れで急遽アフロスに連絡を入れ、各国人族代表とアフロマ代表との面会の場を用意した。彼等はアフロスに向かっていった。矢張り通訳として、マリア魔導師が付いていった。

        ☆

一月後に彼等は、見送りの僕達の前から、精霊の道というのを通って消えていった。

あの金山よりも少し離れた場所だった。

僕は彼等の消えた場所に、天眼を掛けてみた。矢張り反応はない。するとヌポポが僕に、

『精霊の道は,向こうからも、空いていないと入れない』と教えてくれた。そして、精霊族特有の力が無いと、精霊の道は、通り抜ける事は出来ないそうだ。僕の天眼は彼等を、診る事が出来なかった。

人族の魔法とは、違う理なのだろう。

なんか、嫌な気分だ。あちらから、いつでも来られるのに此方からは行くことが出来ないなんて。一方的にやられ放題じゃあ無いか。


マリア魔導師から、オレオ州長、ケビン、僕、ヨウゼフが、今回の会合の詳しい話を聞くことができた。

彼等は,人族と獣人族との社会に興味を持って、色々聞いていたという。人里離れた場所も興味を持った。

とくに深い森に行きたがったが、魔物が沢山出ると聞くと興味を無くしたと言う。

そして最後に、過去の人族との諍いについてどのように言伝えられているか、聞いてきた。

人族の代表は、知らなかった。僕の師匠から譲られた本は多分あれ一冊だけだろう。

昔の歴史は人族では残っていない。残っていたとしても、マイナーな考えとして埋もれているだろう。この本のように。

獣人族の代表は此に答えて、昔マナ神を信仰していた人族と精霊を信仰していた精霊族との諍いで、世界が壊れたと言い伝えがある。と答えた。人族の代表は此を聞いて目をむいた。

精霊族は其れをだまって聞いていて肯定も否定もしなかった。

精霊族は今回の訪問でお土産を置いていった。

精霊樹の木の実だった。「この実を食べればマナが増える。」と言って、10個程置いていった。

見たことも聞いたことも無い木の実。人族は、恐る恐る、手に取った。獣人族も受取った。

此方からは何か欲しいものは無いか、と聞くと、もう十分見させて貰ったので別に何もいらない。と答えたという。


彼等は精霊樹を探しに来たのだ。深い森には精霊樹があるはずだと考えて。でも,魔物がいる、と言う事は精霊樹がないと言う証なのだろう。

精霊樹を探して、どうするつもりだったのか。彼等にも精霊樹が在るのだ。木の実をお土産に出来るほど良く茂っているのだろう。此方にあっても別に欲しいとは言わないはずだ。

木の実をもらい受けた人族は、収納持ちに預けたままにするそうだ。

獣人族は此は只の木の実だ,と言って皆で分けて食べた。


僕も精霊樹の木の実を貰うことが出来た。

世界樹の木の実と見た目は変わらない。やや大きいようだ。前回のことがあったので,じっくりと見ていると、ヌポポが、これからは妖精は生れない。と言った。

そうか、なら食べてみるか。ヌポポは食べないみたいだし、シャクッといい音がして、甘酸っぱくて、赤い梨のような感じだ。美味しかった。マナは増えなかったが。





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