ヌポポの成長
ヌポポはまた、蛹になった。今度は蚕のでかい奴のような物になって、じっと動かない。
静かになって、良かったのだが、何か物足りない。
僕は暇になってしまったのだ。
弟子達は帰ってしまい、ヨウゼフはミミとずっと居る。魔物討伐まで一緒にやっている。
僕は一人、塔の中で、本を読んだり、なんとか、錬金術のスキルが生えないか、試行錯誤しているが、成果が無い。飽きた。
久しぶりに三つ子達の様子を見に行こう。そして語り部に,今度こそ魔境の話を聞き出そう。
☆
三つ子達は大きくなっていた。もうスキルに目覚めている。マナも,多い。
獣化が出来ているのは、矢張り初めて見たとき猫と熊だった子だ。もう一人はアイテムボックスが目覚めている。物を隠したり出したりして、見せてくれた。この子は一番おとなしくいつも他の子の後を付いていくだけで、積極的に悪戯を仕掛けようとはしないが、,結構したたかで、悪戯するときは酷く計算された、意地悪な仕返しをしたりする。知力が結構高い。此はこれで、可愛いと思うのは変だろうか?
三つ子と一緒に、語り部のところに、いってもらった。
「おじちゃんだと語り部ばあさんに追い出されちゃうからね。」
と言われた。矢張り余り好かれては居なかったようだ。
「また来たのかい」
言われてしまった。僕は愛想わらいをし、三つ子を前面に出し、なんとか話をして貰うことに成功した。
☆
昔むかし、
精霊の王がいたとさ。
それはそれは大きな精霊樹の根元にいたとさ。
妖精達は皆、精霊王の僕だったとさ。
精霊王の僕はウサギはウサギ
精霊王の僕は猿はエンプ
精霊王の僕は犬はコボルト
・・・・此が延々と続くので僕は飽きてきた。魔境の話はまだか?
精霊王の僕で,一番ずる賢いのは,ゴブリン
人型魔物はご用心
みな精霊王が作り替えた。
皆、地に潜った。
出てきて大きくなってまた地に潜る。
その時はご用心。皆喰われる。皆壊れる。後はなんにものこらない。
魔境は精霊達にかえられた。精霊王は通れない。
おしまい。
☆
今回の話は、童歌のような節が付いていた。
子供達は何度も聞いて歌えるようになるのだとか。精霊王は妖精を魔物に作り替えたお話だった。
出てきて大きくなる、か。
皆喰われるとは、子供に教えるには怖すぎる。でも子供はこんな話が好きだ。
怖がりながらも真剣に聞いていた。
魔境は精霊にかえられた。精霊王はとおれない。此は真実なのだろうか。
塔に帰ったら、ヌポポが変態していた。
ヌポポは大きくなった。形はそのまま、三倍になった。




