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クルスの街

僕が住んでいるのは、クルスの街だ。以前『新地』と呼ばれていた処だ。

開発から、僅か3年で形か整った。その功績を称えて,僕の名前から取ったのだという。

僕の、拒否権はなかった。

此処の州長は予想通り、白熊オレオが就任した。

新しいギルド長は未だ決まっていないので、暫くは兼任だ。


ケビンは、学校の校長を任せられた。

学校は人族と、獣人族が一緒に学んでいる。今は教師が30人に膨れ上がっている。教師には獣人族も数人居るが殆どが入植してきた人達だ。

人族は十歳から、獣人族は五歳から受験出来る。鑑定に掛けて資格があれば入れる。合格ラインは適性が一つでもあればOKだ。その段階で、クラス分けがされる。一般と、魔法士コースだ。

魔法士になれば,ライセンスが与えられる。呼び方は違うが、人族のやり方を踏襲した形だ。

一般は、卒業後は,各村々に派遣されて、村の運営や子供の教育をして貰う。

学校は無料だ。運営費は金山の収益で賄われている。


イーストリアの国は、大分落ち着いてきたようだ。あそこからの入植者は,帰る気は無いようだ。今では州に馴染んでいる。あれほど宗教に拘っていたのに、今は,数人のみが信仰しているだけだ。


魔法士の為に当てていた,塔は,手狭になったので,教師達は,街に住居を構えた。

其処に、各地を回っていた,マリア魔導師が帰ってきて塔に住んでいる。

今塔は2つ、空き家だ。


僕は今も冒険者をしている。

トトとミミとも偶にパーティーを組むが、大体はヨウゼフと二人だ。

僕は皆と一緒にずっと組んでも良いのだが、ヨウゼフがミミと組むのを嫌がるのだ。

彼はミミを苦手にしている。


原因はミミにある。

「兄貴。かくまってくれ」

またか。ミミがヨウゼフを追いかけ回しているのだ。どういう訳かこのゴリラは獣人に持てる。

毎日あちこちから,お誘いが耐えない。偶につまみ食いをしているようだが,男だから、仕方が無い。だろう?

「チョットー。ヨウゼフ、なんで、逃げるのよ。ちゃんと,話を聞いて!」

ミミがうるさい。僕の後ろに隠れているヨウゼフがブルブル震えている。

「きちんと言ってやれヨウゼフ。後ろに隠れてないで、ちゃんと話をしろ!」

「・・お、俺は,ミミさんとはチョット・・無理です。」

何が無理なのか。多分、あれのことだろうな。

「あの、おデブの受付嬢は、いいっていうの?」

「・・・・」

まだ,ササちゃんと付き合っていたのか。おデブは言い過ぎだミミよ!彼女は出るところが非常に出ているすばらしい体型なんだぞ。ミミのことがタイプのイケメンでも捕まえれば良いのに、何故かこのゴリラに執着している。

「ミミ。諦めろ。ヨウゼフはミミのことを妹のようにしか、考えられないんだ」

ミミは、諦めたのか、キットひと睨みして帰って行った。

でも、また同じ事が繰り返される気がする。あいつは諦めが悪い。


ヨウゼフは,ホッとしたのか、いそいそとキッチンで料理をし始めた。

「おい!自分の塔が、在るだろう。そっちでやれよ!」

「今日は兄貴が前に教えてくれた、クリイムシーチュウウを作ります。どうっすか?」

クリームシチューな。。

全く、食い物で釣ってくるとは。






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