魔石の用途
僕は昔、優しいお姉さんが聞かせてくれた、昔語りを語り部から聞きたかったが、今回はやめておいた。
もう少し経ったら、もう一度、今度は魔境の話をと言い、聞き出してみよう。獣人族ではないと、あたりがきつい。前回は三つ子と一緒だったから優しかったのかな。
暇になったので、荷物の整理をするか。
鯨の魔物の肉が沢山入っている。その他、あちらで討伐した魔物の魔石もかなりあった。数は少なかったが,一月以上もヨウゼフと二人で毎日やっつけていたので、結構な量だ。
ゴロゴロと出てきた魔石は全部で,250ほどあった。質は良くないので大した金にはならないだろう。ヨウゼフはいらない、と言っていた。その代わり肉類は、取って置いてくれと言っていた。また、何か作るつもりなのだろう。
魔石を一つ手に取ってみる。もし自分に錬金術のスキルが有ったら、僕は何を造りたいだろう。
僕には知力が足りないが、チートで、なんとかなるのでは無いか?
例えば光の盾の魔法を閉じ込めて、誰でも使える様にしたり、水や、火、風なんかも良さそうだ。此処は塔なので水の便が悪い。水属性が無いと不便だ。ヨウゼフは何時も僕の所にいるのはその辺に理由がある。
僕は風呂も簡単に入れることができる。あいつは何時も風呂に入りに来るのだ。
町に降りれば風呂に入ることが出来るのに面倒なのだろう。
錬金術師の造る防御の魔石はどのような仕組みなのだろう。光の盾ではない。あれでは,誰も町に入れなくなってしまう。知りたい。
その防御の魔法なら魔境も行けるのではないか?なぜ今まで,その魔石を使って,試さなかったのだろう。確かに貴重な魔石を使っているが、好奇心は無いのだろうか。
魔境に挑むのは獣人族だけなのか。
若しかしたら、町の防御は、効果が薄いのか?
でなければスタンピートにあっても持ちこたえることが出来たはずだ。
エンドモアルの国が歴史にも残せないほど、急に無くなるはずが無い。あの町に,防御の守りはあったのか。無かったのか。知りたい。
後は、なにを造りたい?魔導コンロか?ゴーレムか?電話もどきか?それとも魔力を打ち出す鉄砲か?不思議な薬か?そもそも錬金術のスキルでそれらができるのか?
そんなことを考えながら数日過ごした。
そしてある日、ヌポポが飛び込んできた。
ヌポポはまさしく、妖精といえる物に変態した。