光属性のメリット
僕はまたトロン領に来ていた。あの世界樹の処だ。
一人此処に転移してきた。僕が此処に居るのは誰も知らない。夜コッソリ此処に来たのだ。
このところヨウゼフだけで無くミミまで僕の塔に入り浸るようになって仕舞ったからだ。多分、ミミを置いてヨウゼフと二人で、また魔境に行ってしまうかも知れないと思っているのだろう。
そんなことはしない。行くとなったら、今度は一人だ。
僕は光の魔法の盾が、世界樹の及ぼしている効果に似ていると感じたからだ。
この世界の魔法だ。此処の理で働いているに決まっている。
天眼で、もう一度世界樹を詳しく診る。世界樹の周りにこの間僕の魔法と同じ薄いキラキラが広がっているのが分かった。
そうか、世界樹の浄化、癒やし、守りは光魔法の原理が働いていたのか。では、闇は何に影響があるのか。
闇の理が働いているのは瘴気だろうか。魔物だろうか。もしそうなら光魔法は魔物や瘴気にも効果があるはずだ。だから此処には魔物がいないのだ。
僕は塔に帰って、ゆっくり眠った。明日、試してみよう。
朝早く、僕は塔から,魔境に転移した。手には万一の為に収納から、剣を出して持っている。
僕もヨウゼフの魔法の技をパクって剣に火魔法を纏わせている。
この間、風の魔法より火の魔法の方が此処の魔物に効果があった。だから、僕も火の魔法を訓練したのだ。弟子に教えて貰った。僕にプライドはない。使える物は何でも使う。
早速,光魔法を発現させる。そして魔境に入っていった。
魔物が出てきた。僕に襲いかかってこようとするが途中で止ってしまった。
そして逃げていく。僕の光の広がりは、直径2メートル。でも、ずっと遠くの魔物も、逃げていく。
これだけ、効果があるのか。そしてこの光の中は、マナが安定していた。
スキルはどうか。使えるか?収納は使えた。天眼は光の中だけしか使えない。転移はどうか。
僕は塔に転移した。
これから色々手配をしなければならない。もし魔境に入って帰ってくることが出来なければ、皆が心配するだろう。そして探しに来るかも知れない。そうなれば犠牲が出るかも知れない。
オレオ州長に面会した。
「これから難しい依頼はありますか?」
「いや、この間魔境のそばまで行ってくれたからな。もうめぼしい調査は終わった。後は初級でもこなせるような物ばかりだな。」
「そうですか。では暫くまたサウスに行ってきても良いですか?」
「いいが、何か問題でもおきたのか?」
「家があ其処に出来まして。其処に少し滞在しようかと」
「そう言えば、そんなことを言ってたな。中ツ国ではお前に返って来て貰いたがっているのか?」
「いえ、違うと思います。もともと、僕の物が,戻ってきただけですから」
「そうか。分かった。長期休暇だな。受理しよう」
ヨウゼフにも手を回しておかないとまた、同じ事になる。さて、どういう良いわけにするか。