Ⅷ 今日は先輩と特訓
ふいに放課後、先輩に呼び出された飛礫。
「この辺か?」
今日の昼に、この公園に来てくれと先輩に言われ、放課後時間通りに来たはいいのだが。
「いなくね?」
少し早く来過ぎてしまっただろうか。5分前行動?なるものをしてみたのだが。
「あ、おまたせ〜ししょー」
「だから、その師匠呼びやめてくださいよ。俺はそんなのじゃないっすよ」
「え〜ししょーはししょーだよ」
「さいですか…」
ま、呼び方はなんでもいいか。やることは変わらん。
「で、どんなふうに強くなりたいんすか。先輩は」
「どんなふうに?」
「強さって言っても色々あるのはわかります?武力が強いのか。頭脳明晰なのか。魔法の扱いに長けているのか。メンタル面か」
「うんうん」
「自分のなりたい強さ。ってのがちゃんと見えてないやつは弱いっす。芯となるものを持ってることが1番の近道なので」
「そっかぁ」
「で?どうなんすか。さっきからうなずいてばっかっすけど」
「そう言われてもな〜」
「…何か、目標はあるんすか?」
「目標はあいつらに負けないことだよ!!」
食い気味で顔を近づけてこなくてもわかるって…。
「じゃあ、武力面でまずは強くならないとダメっすね。実技の成績はいかほどで?」
「…3…目」
「はい?」
ボソボソ言うもんだから全然聞こえん。
「下から3番目!」
ありゃ、こりゃまた酷いもんだ。勉強に極振りしてんじゃねーか。
「じゃあ、試しに少し動いて見てください。運動能力をみたいっす」
公園なのはちょうどいいな。
「あそこの雲梯で往復10回くらいしてもらって」
「え、まじ?」
「まじまじのまじっす」
驚くほど顔引き攣ってんじゃねーか。この程度余裕では?
「ふんっ!」
こんな声だしてるけど、1つも進んでない。
「先輩はとりあえず、基礎体力が足りてませんね。戦術に関しては才能あると思うんで、走り込みからっす」
「はぁ…はぁ…。はいっ!ししょー!」
「元気そうっすね。とりあえず、公園の外周10周してきてください」
「え〜!!」
「さっさと行くっ!」
「はっ、はひぃ〜」
ーーー10周後ーーー
「走れるには走れるんすね」
めちゃくちゃ遅かったけどな。蒼汰と同じくらいか?
「もう疲れた〜!!」
「うーん、先輩に足りないものが多過ぎて」
「え〜っ!!わかってたけどさぁ」
「そうっすね…。寝る前でもいつでもいいんで、腕立て100回と腹筋100回、毎日やりましょう。あとのことはそれこなしてからっすね。来週様子見ましょう」
「100!?」
「100です」
「あの、50とか…」
「200にします?」
「精一杯100回やらせていただきます!」
足りないものが多いとは言ったが、足りないのはおそらく、身体能力だけなので、課題はそれだけだ。能力は覚醒すればどうとでもなるしな。すでに最強な気がするが。
「今日は解散っすね」
「はっ、は〜い」
「あ、先輩。武器って何使うんすか?」
「これといったものはないけど、多いのは剣かな」
じゃあ、居合と足捌きか…。
「そうっすか。ストレッチちゃんとやった方がいいっすよ。普段体使わないの丸わかりだったんで。筋肉痛やばいっす」
「そうだね…」
俺は帰路を辿った。現在時刻、17:30。
ーーー翌日ーーー
「そろそろ中間テスト2週間前だからなーしっかり勉強するように」
気が付けばもう5月の1週目。そろそろ中間テストがやってくる。俺には関係ないがな。
「おーい。1か月寝てばっかだったけど、ほんとーに大丈夫なのかよ?」
「いらん心配だ」
「俺がおしえてやろっか?」
「いらんお世話だ」
「つれないやつだなー。なな、今度どっかで勉強会しねぇ?いつになるかはわかんねーけどさ」
「はぁ?別にんなもん1人でやればいいだろ」
「みんなでやるから楽しーんだろー。もう2人くらい男子連れて行きてーな」
はぁ…こいつはまだ友達が増えんのか。寮には呼ばないだけましなのかもしれん。1つ上にずっとうるさい部屋があんだよな。毎日寮母に注意されてっけど。
「おう、蒼汰。そこで寝てんのは、前言ってたお前の親友か?」
あ?親友になった覚えは一度としてないが。
「そうそう。こいつが、寮の部屋も一緒の飛礫だぜ。見ての通りいっつも寝てんだ」
「よっぽど眠いんじゃねーの?そっとしといてやれよ」
お、話の分かるやつじゃないか。そのまま蒼汰を連れて行ってくれ。
「でも、こいつ全授業寝てんだぜ?」
「は?まじ?」
「まじまじ。ほんとに寝てんのかってくらい」
「流石に寝すぎやん…」
「あぁ?別にいくら寝たってお前らにはかんけーねーだろーが」
「あ、起きてたのか」
「おはよう、飛礫。自己紹介がまだだったな。俺は虎海 快。よろしくな」
虎海が手を出してくるので、俺は無言でそれに応える。話の分かるやつかと思ったが、そうでもないのかもしれない。
「あ、そーだ。快、今度勉強会やりたいんだけどさ、誰かしら連れてけそーなやつ知らない?」
「おお、そろそろテスト近いしいいな。幼馴染のやつならいつでも暇だからたぶん行けるぞ」
「ん。じゃあそいつ連れてきてくれ。これで8人になったな」
8人?てっきり杏奈と才花で合計6人かと思ったが。どうせ参加しないって言っても引きずられるしな…。
「8人?そんなにいんのか」
「あぁ、男女比4:4だぜ」
「おお!それはすばらしい!」
どこが素晴らしいんだ。
「今日は俺か。俺の名前は虎海 快。好きなものは、鍋だな。能力は、”動物を操る能力”だ。勉強会なぁ。小学生の時はやらなかったから、結構楽しみだな」
作者:「自己紹介どうもです。作者は一回もしたことありませんがね…」




