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Ⅱ 栄勝学園中等部入学式

体育館に向かう彼ら。

体育館に向かってパイプ椅子に座った俺たちは、小声で話し込んでいた。


「そういえば、学園長がすごい変な人ってうわさがあるんだが、知ってるか?」


となりに座る蒼汰がそう呟く。実は俺もその噂は聞いたことがある。


「あぁ、なんでも毎年、入学式になにかかますらしいな」

「そうなんだよ。一種の名物らしい」


名物ねぇ…。学園長なんてどっかり座ってるだけのお偉いさんだろ。どうせ。


「えー、では栄勝学園中等部入学式をここに開会します」


88888888888


「拍手のほど、ありがとうございます。1.学園長あいさつ。学園長、よろしくお願いします」


司会をしているのは、さっきのBクラスの担任のようだ。名前は…なんだったかな。


「紹介もらいました~。学園長の那須 真奈美でーす」


スピーカーから声がするが、肝心の人影が見えない。まわりも同じことを思っているようでざわついている。


「こっこで~す。こっこ、ここ~」


ぴょん!

先ほどまではなかった姿は、いきなり演台の上に表れた。あ、また隠れた。


「学園長!台、使って!」


司会の先生の発言は思いっきりマイクに乗っている。


「いやー。毎度身長が小っちゃくて~。あ、ここ笑っててもいいとこですよ。お、そこいいですねー。こらえずに爆笑しちゃってください」


…?


「えーこほん。そろそろ話を進めないと出雲先生に叱られるのでお話しますね。新入生のみなさん!ご入学おめでとうございます。我が栄勝学園へようこそ。歓迎します。この入学式では、ほかのプログラムがない代わりに少し私の話が長いです。退屈でしょうが聞いていてください」


「さて、この学園ではほかの学校と違う点がいくつかあります。その中でも特徴的なのはリーグ制でしょう。学園の顔となる四天王。そして栄王。その特典を手に入れるために入学した方も少なくないと思います。四天王として、栄王として認められるチャンスは1年に2度あります。一つは大勝祭の”大勝トーナメント”もう一つは”Big four決定戦”です。この二つに四天王、栄王が参加し1対1の戦いをしていただきます。勝てば入れ替わることができます。入学式で説明するとすればこんなところでしょうか。あとは自分の目で、自分の耳で、体で確かめてください。以上です」

「はい。学園長、ありがとうございました。以上にて入学式は終了となります。本日はHRが終わり次第、下校となります」


2回チャンスがあるのか。1度で十分だ。


「おーい?教室戻るぞー?なんか考え事かー?」

「んあ?あぁ、教室な。行くか」

「おう」


ーーー教室へ戻ってーーー


「じゃあ今日は、教科書買って終わりな。自主練室はあるから好きにしていいぞ。1年だからといって遠慮する必要はない。努力する奴が勝つからな」


先生はそう言うが、俺は早く帰って寝たい…。


「ねぇねぇ、君遅刻しかけた子だよね。名前は?」


隣の女子が話しかけてきているようだが、俺は無視する。


「無視しないでー?私寝てたから君の名前知らないんだよー。ねぇねぇ」


うるせぇ


「うるさいって何さ!名前くらい教えてくれてもいーじゃんケチ」


おっと俺としたことが、声に出てしまったようだ。


「なんだよ…。俺はねみぃんだよ…。鷹栖 飛礫。これで満足か?」

「飛礫ね。これからよろしく」

「この学園は...、いやなんでもない」

「??」


俺は寝る。


ーーー6時間後ーーー


「あ?お前いつまで寝てんだ?」


先生の声がした。起きて外見てみたら夕日が出ている。あぁ、思いの外寝てたのか。


「全然来ないから何事かと思えば寝てたのか。金は持ってるか?教科書代」

「えぇ、まぁ」

「ほら。お前の教科書だ。早く金出せ」


別にいらないっちゃあいらないんだが…。


「よし、これで全員分な。お前寮生だったよな?早く帰らないと寮母さんに怒られんぞー。寮母さん怖いんだよな…。門限は18:30だったはずだ」


現在時刻は18:40。帰るか…。


ーーー寮にてーーー


「おー!まー!えー!らー!」


今まさに叱られている最中である。鬼の形相している寮母は、傍から見れば怖い。


「明日は18:00に帰ってこい!いいな!」


他に叱られているのは3人ほど。どうやら怖がっているらしい。とりあえず部屋戻るか。


「おっ、叱られたか。めっちゃ声聞こえたぞ」

「そうか」

「どうだった?怖かった?」

「別に」

「お前肝座ってんなー。俺なんかここでも怖かったぞ」

「飯は?」

「夕食は寮で出るらしい。19:00だったか。って、お前ここにきてから何日だよ」

「そうだったな」


ーーー夕食後ーーー


カリカリカリ…

蒼汰が勉強してる音が部屋に響く。俺はベットに横になり寝る用意だ。


「お前寝てばっかだよなー。勉強しなくていいのか?」

「そのうちわかる」

「お前なんでもできそうだもんな」

「電気、消していいか?」

「あぁ、もう少し勉強するからデスクライトはつけるが」

「了解」


現在時刻20:00。

「おーう、俺は神楽 蒼汰。今回は俺な。好きなものは肉全般。趣味は遊ぶこと。ゲームでもなんでもござれだぜ!能力は”ものを浮かせる能力”だ。こんなもんでいいか?」

作者:「はーい。神楽君あざす」

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