XIV やっぱり実践が早い
特訓に変化を。
「だいぶ力ついてきたっすね」
先輩の腕力は、先月と比にならないくらいになっている。これならそこそこあの幹部たちともいい勝負するのではないだろうか。
「そーう?僕的にはあんまり変わってないんだけど。ほら、腕の太さも変わってないし」
「それは先輩が女性であるからっすね。人間である以上、性別の性質には抗えません。でも、腕力は上がってると思うっすよ。試しにあれ、持ち上げてみてください」
俺が指をさすのは、先月は全く持ち上げられなかったタイヤ一つ。なんであるんだか知らないが、使わせてもらっている。
「え!?ほんとだ!楽々だぁ!」
「でしょうね。生半可な鍛え方はしてないっすから」
まぁ、俺が3歳くらいの時にやったメニューをさらに緩和したものだが。
「これなら、あいつらにも勝てるんじゃないっすか?」
「…もうちょっと」
「そっすか」
ご所望ということなので、もう少し厳しくしてやろうじゃないか。
ーーー2時間後ーーー
「よっし、そろそろあれやりましょ」
「あれ?」
先輩は首をかしげているが、そりゃそう。これからやるのは実践訓練である。
「先輩には、とある奴と戦ってもらうっす」
「とある奴?」
「えぇ、モンスターって言われてるやつっすね。数十年前に存在が確認された」
「モンスター?戦って大丈夫なの?僕死なない!?」
「先輩の力ならもう大丈夫っす。これ以上は実践でしか引き出せない強さがあるので」
「ししょーがそういうなら…」
「と、いうことで今からここに出すっすね」
「ここ!?さすがに一般人もいるんだけど!?」
「ま、見ててくださいよ。フィールドオープン!」
俺の足元に魔法陣が描かれ、一瞬で辺りの風景を変えてしまう。
「んで、メターシス!」
「あわわ、なにこれ」
「これは転移魔術の一種すね。あと5秒後には呼んだモンスターくるんで、倒しちゃってください。どんだけ時間かかってもいいっすよ。俺、寝るんで」
「ちょ!?ししょー!?」
さて、2時間ぐらいは寝れるかな。
ーーー4時間後ーーー
「ゼェー…ハァー…ゼェーハァー…」
「思いのほか時間かかったっすね」
「だってぇ…あいつら強いんだもん…」
最下級のモンスター呼んだんだけど、こんなもんであろう。
「そのうち楽々勝てるようになるっすよ。今回受けた傷、覚えといてください。そのうち役立つんで」
「傷…?」
「はい」
今日はもう先輩も限界ということなので、解散となった。
ーーーAM 1:00過ぎーーー
「で?今日はなにすりゃいいの」
「お前は今日はあそこに行ってもらう」
「はぁ…だっる」
「んなこというな。代々続く仕事なんだから。これでも人間界にいいの見つけて仕事は減ったほうなんだぞ」
「って言ってもなー。俺はあいつを探しているだけなんだが」
「まだ捜してんのか。もう見つからんし、見つけたとてだろ。あのお方の力も借りたんだろ?」
「んだよ。俺じゃ勝てねぇっていいてぇんか」
「そんなことは言ってねぇだろ。だが、いくら覚醒児だからと言って、なんでもできるわけじゃないんだから」
「だから父さんはあきらめたんだもんな」
トットットッ・・・
「反抗期だなぁ…まったく。あ、仕事行ったかな」
ーーー1週間後ーーー
「んあーもう七月か」
「なんかまずいことでもあんのか?」
蒼汰は7月であることにご立腹のようだ。別に何も変わらんだろ。
「そろそろ夏休みだぞ?暇になる」
「あぁ、そういえばそうか」
栄勝学園では、7月の2週目から9月の初めまで夏休みとなるそうだ。なんでも、大勝祭の準備期間だとか。ま、大方自主練期間ってとこだろうな。
「お前も自主練すればいいんじゃねぇか?」
「もちろん、付き合っては?」
「知らん」
「1人じゃ退屈なんだよぉ。杏奈も才花も強すぎるしさぁ」
「ならなおさらやんないとだろ」
そういえば、4月以来剣振ってないような気がしてきた。
「そうか!快を誘えばいいのか!」
「虎海って、実技どうなんだ?」
「ん?俺よりは強いらしいが、幹部になれるほどではないって言ってたな」
「そうか」
うむ。
「気が変わった。俺も少しだけついて行ってやる」
「まじ!?やった!」
「夏休みだけな。あと、気が変わったらやめる」
「わぁってるって」
最近あれもないしな。午前中が暇になってきた。
作者:「今回は割と意味深寄りの展開だけど、ウケますかね。少し短めなんですが」
??:「知らん」




