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Ⅻ 金持ちの好奇心

勉強会おしまい。

あれから2時間ほど。俺らの門限が近いということでお開きにしてもらった。なんだかんだ、ためにはなったようだ。


「じゃ、またね~」

「おう」


女子4人は方向が違うとのことで、ファミレスをでてすぐ分かれた。


「にしてもさー。あんなに明日香も佐々木も頭がいいとは。びっくりだぜ」

「なー。…俺ら、このままだとやばいんじゃね?順位下から数えたほうが早いとか」

「蒼汰は知らんが、虎海は大丈夫だ。俺から見てもかなりの学力がある」

「そうだね。その通りだよ。快は心配しなくて大丈夫」

「おれは?!おれは?!」


だから知らねぇって言ってんだろ。


「ならよかったわー。あ、それと飛礫。快でいいよ、むしろそう呼んでくれるほうが嬉しい」

「そうか?じゃあ、快」

「おう!」


名前で呼んだだけでやけにうれしそうだな。最初はやかましい奴だったが、別に悪い奴ではないのは分かった。

それより。


「じゃ、俺らもこの辺でお別れだ。また明日な」

「ん。そうか、また明日な」


あの金持ちと快は去っていった。おそらくな


ーーー18:20---


あと2分くらい歩けば寮につくであろう距離。


「わりぃ蒼汰。先帰っててくれ。財布落としたみてぇだ」

「ん?一緒に探すぞ?」

「時間みろ。そろそろ門限だぞ」

「門限より親友のピンチだろ」


いつか足元掬われるタイプだな。


「俺のせいで怒られるのはしのびないからな。大体検討はついてるし、1人で探すさ」

「そうか?帰ってきたら慰めてやっからな!」

「いらん世話じゃボケ」


蒼汰が寮に入るのは確認した。


「そろそろ出てきたらどうだ?気配が全く消せてないぞ」

「ありゃ。僕の気配の消し方は結構評判高いんだけどな」

「普通のやつに比べたらいいほうなんだろうが、俺には通じん」


木の陰から顔を出してきたのは、さっきの金持ち。大方俺に聞きたいことがあるということだろう。


「で?要件はなんだ?少し殺気をまとっているみたいだがやめておけ。お前に俺は殺せない。そのくらいわかるだろう?」

「うん。やめておくさ。全部見抜かれてるみたいだしね」


案外素直だな。殺気も閉まったようだし。金持ちだから、俺にかかっている賞金狙いってことはないとは思っていたが、


「単刀直入に問おう。君は一体、何者なんだい?」


またか。もうあきたぞ。


「別に、何者でもないさ。ただの1生徒だ」

「ただの1生徒が、幹部全員を倒せるとは思えないんだけどね」

「なんのことだ?」

「あれ、知らないのかな。数日前、とある事件があったんだ。2年生の幹部が峰内で気絶させられていた。全員そろってこう証言するんだ。「なにもわからない」とね。誰にやられたと聞いても、「1年かもしれないし3年かもしれない。少なくとも見知らぬ顔だ」一言一句違わずにね。今の3年にそこまでの実力者は四天王しかいない。だが、四天王には動機がない。つまり、犯人は1年生ということになるんだ。もちろん2年生にもそんな実力者はいない。で、その日の動きを調べていくうちに君に当たったわけだよ。鷹栖君」


ほう。さすが金持ちといったところだな。そんな情報は学園の名誉にかかわるからセキュリティは頑丈であっただろうに。


「んなこと言われても知らないもんは知らん」

「そうか。僕の調べが間違っていたのかもね。あ、それと。トカゲのしっぽ切り」


こいつ…どこまで知ってるんだ?俺は気取られない程度に戦闘モードに入る。


「この言葉について、何か知らないかい?最近噂なんだ」

「知らないな」

「そっか。ただの1生徒に聞いても、こちらの話はわかんないよね、ごめん。聞きたいことはこれ絵全部だから。また明日」


やっぱりあいつは裏の世界に手を出してるな。あのワードは深淵のさらに深くでしか聞かないワードだ。あいつは危険かもしれない。


ーーー18:29---


「門限1分前だよ!今度からさっさと帰ってきな!」


寮母に少しお叱りを受けてしまったが、門限には間に合った。


「ただいま」

「おう、おかえり。慰めはいるか?」

「いらん。それより何見てんだ?」

「これか?これは龍善寺グループのホームページと、公開オークションだ」

「公開オークション?」

「そうだ。全国から集められた数々の骨とう品とか美術品をオークションするんだ。規模がでかいから、買ったやつはかなりの知名度を得られるってわけだ。ついでに龍善寺グループの宣伝がくっついてくるがな」


うん?これはノイズか?


「でな、今日はこれに真人が参加するらしいから覗いてたんだ。なんか、世界的な画家の絵を買うんだとさ。御曹司なのになんか変だよなー。出る前に買えばいいのに。本人がいうには、仕入れ元は別だから、出してからじゃないと買えないんだとさ」

「そうか」


軽く蒼汰の話を聞き流しながら、俺は確信した。これはなめられてるな…。


「あんのやろうめ…」

「ん?なんか言ったか?」

「いや、何でもない」


今後は考えることが増えそうだ。

「飛礫だ。あのニヤツキ野郎は俺を挑発しているようだ。今はまだその時じゃないが、時がきたら乗ってやるさ」

作者:「なんでしょうね…裏の世界は怖いです?」

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