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カモ理論~帰り道が同じ友達に養われていた件~  作者: シミネ
ちらつく深淵(ストーカー)の影
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病み上がりに尾行は重たすぎる

相反する二つのアイデンティティーの間で迷ってるのか?

童貞厨は処女厨のトランスバージョンでカモとかなり似通ってるところも多いからどっこいどっこいなのでは?

なんていつもの軽口が叩きたいがそうするわけにもいかなくなった。


「すう……すう……」

「先に寝ちゃったか」

「ふぁ~」


またもや出てくる欠伸を嚙み殺し、愛良先輩同様瞼を閉じる。

ドクンドクンと鳴り響く己の心臓に規則正しく刻む愛良先輩の寝息のコラボレーション。

目は冴えてくる一方だが泥のような眠気にいつの間にか飲み込まれて睡眠に陥っていた……。

いつのまにか片付いていたストーカーもんだい

昼寝から目が覚める頃、純情ストーカー華生ちゃんが家に来ていたため寝汗でびっしょりの服を替えさせてもらったり夕飯作ってもらうなどの至れり尽くせりと女子力発揮。


しかし介護は苦手らしい彼女で愛良先輩がすべてカバーしてくれる神かかった連携でこの日は暮れていった。

翌日、二人の介護のおかげで熱が収まりつつある俺を無理矢理病院に連れて行って診察してもらうはめになっていた。

医者曰く『身体に積み重なった疲れがろくにとれてないまま腸に負担がかかった結果』だそうだ。

当然監視カメラに記録が残されていて二人に小一時間ほどきつく説教された後、料理は全面的に禁じられるはめに。


「新手の自害は未然に塞いでおきたい」だそうだ。別に暗黒物質召喚してないだろうが。

しかし体調崩したのは紛れもない事実。ともかくその日から華生ちゃんの手料理のおかげでみるみる元気となり風邪ひいた日から一週間以上立った今日から登校が許された。


「今日の夕飯は出前にしましょうね。孝充君の『奢りで』食べたいです♡」

「はは……だったら今日出前アプリの使い方レクチャーしてくれ

「難しいことはないんですけどね」

「ご褒美はいつ貰えるのでしょうか」

「俺に出来ることなら今すぐでも構わないよ」


唐突すぎるご褒美ねだりかと思うかもしれないが、ちゃんとした理由ならもちろんある。

療養中、肝心の栄養やらストーカーやらで華生ちゃんは夜中に帰ることが多かった。

泊まり込みで世話してくれる日もあったが何故かその日は愛良先輩も一緒に泊まり込みで介護してくれることになり、さすがに申し訳なってきて“叶える範疇に限りなんでも言うことを聞く”と約束したのである。


「お姉様ごめんなさい……どうやらわたくしも……」

「?」


なんかブツブツ祈ってるのも束の間。こちらに振り向き今まで見たことない真剣な顔つきで訪ねてきた。


「孝充様」

「うん」

「……明日の朝、わたくしとデートしていただけませんか?」

「……えっ」

「ふーん……」

「また放課後に。ですね、それじゃ」

「ま、また後でなー」


合流ポイントで二人を見送ってから再び登校道へ。

いつもの時間に教室につき、カバンを横にかけて椅子に腰を下ろす。

本来なら机に座っただけで一限目がスタートする間際まで眠りこけていただろう。

しかしここ一週間療養したおかげか、体内時計もすっかり元通りだ。


「今日は……うっわ、昼休み以外地獄コースか」


特にクラスメイトと呼べるものもいないため授業開始の前までスマホばっか弄る。

音量殺して動画サイトを徘徊してもなんの面白味もない。リストアップした書類のチェックの絵柄付きバージョンみたいでガン萎えだ。

道理で登校の最中も学校の中でもみんなイヤホン使ってるわけだ……。

真理に悟りかけた頃、馴染みあるチャイムが校内全体に響き日常に戻ったと告げてくれる。

今日は真面目に勉強してみるか。


「つっかれた……」


合流ポイントにつくと自然と文句が口につく。

この学校に入学して数週間、バイト三昧で放課後までぐったりだったから抜けていたことだが、午後の授業は大変だ。

今日はタイミングも悪いことにクソつまんないと噂の先生の授業。


配慮は利くし、質問したら丁寧に返してくれる先生だけど授業はなぜかつまんなくてノート取り以外頭に入らないミラクルすぎる先生は俺が起きてることに感極まったか一瞬、視線が合った後から張り切り始めた。

結果はご覧の有り様。寝ることもなんか憚れてできないしさらに授業が頭に入らない始末だ。


「いい先生なんだけどなぁ……」


忙殺されそうなルーティンか終夜逆転した生活リズムじゃなきゃ毎日あれ聞かされるのか……。

どうやって切り抜けて来たかって?

休み時間に死ぬ気でノート取って必要だなってピントくるポイントだけ覚えてました。


「……今日はいるのか」


姿は見えないが、やたら粘っこい視線が感じられる。

真夜中に帰る必要がなくなったから午後からつけてるのか?

愛良先輩のスイッチ入れたメラメラとした絡み取るも安心する視線でも、華生ちゃんの粘っこい視線でもない。

すっかり公認ボディーガードとなって直接浴びることが多くなったが、もともと華生ちゃんはつけてくる時は存在感が完全に消される。


「孝充君、今日一日お疲れさまでした。体調は大丈夫ですか? 水分はしっかり取りましたか?」

「孝充様お疲れさまでしたわ。今日も夕飯作りに参りますので何かあればなんなりとお申し付けくださいね」

「そういうメイド面としたセリフ言ってみたい人生でした。羨ましいので両手、渡してくださいね」

「やだこの毒姫姉様助けてください孝充様ぁー! サイコがイジメるぅー!」

「いよいよ口調崩壊してるけど大丈夫か?」


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