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カモ理論~帰り道が同じ友達に養われていた件~  作者: シミネ
カモという沼から抜け出せなくなったらしい
24/34

一通り済ませましたし、孝充君に奢ってもらいましょ♪

「家電も見に行きましょう」


なんて愛良先輩の提案に乗じて家電スペースに顔を覗かせたはいいものだが……。


「置き場はありますけど……」

「時々わたくしが伺って料理して差し上げたいのは山々なのですが」

「だよな……」


三人全員渋っている理由がある。

家の台所が狭すぎる故に料理にはかなり向いてない。


「料理自体は出来なくはないですが」

「換気扇がザコすぎますわ」

「正論パンチやめい」


痛いわ。主に俺んちの厨房が。


「早朝、夕飯の作り置きなどロマンがありましたわ」

「美少女の作り置きご飯にだんだん胃袋掴まれていくお約束展開か」

「ロマンの集合体ですね。あいにく私は料理音痴ですけど」

「わたくしに分がありますもの。胃袋掴まえればもう勝ち確のヌルゲー。ザコザコなお姉様に勝てる唯一の手段ができましたわ」

「むっ。イジメられました! こういう時慰めてくださればポイント高いですよー」

「はいはい。撫でてあげるから機嫌直すんだよ愛良先輩―」

「むっへ~」

「ストーカーのご機嫌取りも忘れちゃこまりますわ。抱きつかせてくれないとめそめそ泣いてしまいますがよろしいんでしょうか?」

「泣き入り作戦はえげつない……いいよ、おいで」

「孝充様ぁ♡」


抱き着いたままスリスリコンボまでかましてきやがった。


「何度も思うんだけどさ」

「はい」

「メスガキお嬢様ってキャラブレまくりじゃん」

「盛り過ぎようとして失敗したサブヒロイン感が否めませんね」

「アイデンティティーがあっていいじゃありませんの」


華生ちゃん真のアイデンティティーってどこからどうみても純粋な狂気だよなあ。

真っすぐな瞳で時々えげつない発言がポンポン飛び出るギャップがメインだ。

ネタだなんだ言い合い語り合いを繰り広げつつ、外へ出る。

いつしか差し込んできた夕陽がショッピングモールの窓ガラスに反射して辺り一面の喧噪に煌びやかな色が塗りつぶしていく。


「では夕飯取って解散にするか」

「食事代はせめてわたくしが……」

「いえ」

「孝充君に奢ってもらいましょう」

「あーそういうことですの?」

「はい♪」

「ちなみに華生は自前で払ってくださいね」

「孝充様―毒姫がイジメるぅー」

「よしよし、華生ちゃんにはご飯作ってもらったしあんま意地悪しないの」

「むす~」


理に敵った理由で文句は言えなくてぶー垂れる。はたまた単に拗ねたのか。

拗ねたアピールで抱き着いてきた華生が俺から剝がされた。


「メニューはどうしましょう」

「はいっ! わたくしはオムライスがご所望ですわ!」

「メイド喫茶なんて孝充君がデレデレしちゃいそうですのでアウトです」

「オムライス=メイド喫茶の図式はいかがなものかと」

「メイドカフェではなくコンカフェに行くつもりですか。一方的に貢がされる苦しみも一度は味わってみたいと思ったのですが……」

「愛良先輩の脳がアウトだろ」


経験のついでに行ってみたいとは正直思うけど!

女の子連れて行くところでもないし、酒も飲める歳じゃないのでメリットよりデメリットの方が勝つ。

それにだ。


「オムライス一杯に二千円以上払いたくはないよ。もうちょっと腹に溜まる系が食べたい」

「ですわね。ちなみにわたくしはごはんからチェキやらその先やらまで無料ですので」

「裏メニュー営業かな?」


いつでもどうぞってガチで危ない匂いしかしない。

期待の眼差し向けられても困る。いっそ朝、起こしてもらう時とかに頼みたいとは正直思うが、今ではない。


「何かあるか探してみますけど……何かご所望のものはありますか? 肉とか麺とか」

「カテゴリーだったら肉が食べたいな。あんま縁がなかったし」


今どきの学生の中、肉が中々拝められないなんて同年代の中では多分俺だけだ。

バイト先の賄いも大半が麺類かチャーハンなど腹にすぐ溜まるものばかり。家にはフライパンはあるもののスーパーで買い物する暇もなかったのでいつしか忘れられる始末。

食べるって言ってもラーメンのチャーシュー数枚くらいが。

だからだろうか余裕ができたらまずは肉って反射的に浮かぶ。


「孝充君はシュハスコって知ってますか?」

「広告で偶然見たことくらいなら」

「食べ放題は行ったことありますか?」

「幼い頃一回か二回くらいだっけ? 回数は知らないけど経験はあるよ」

「でしたらこちらに参りましょうか」


にらめっこしてた画面をこちらにかざす愛良先輩。

どれどれ……。


「シュハスコ食べ放題……ひとり5399円(税込)?」

「数日前開業したての店ですので衛生面は合格。食べ放題ですので量も問題ありません」

「チェーン店ですのね。探してみたところ、肝心の味付けもかなりしっかりしているらしいわね。わたくしはオッケーですわ」

「では参りましょうか」


パンと満面の笑みが浮かべたままお嬢様らしい拍手で拒否権はなしと暗に伝わってきた。


「俺の意見は……?」

「値段でケチつけてもカモは喜びませんよ?」

バッサリと切り捨てられては両腕ががっつりホールドされる。

だから俺の意見は…………!

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