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2話 キャラメイク

ゲームを始めると真っ白な空間にいた。目の前には『キャラメイクを始めます。名前を決めて下さい』と表示されている。名前は直前に決めたノトリアという名前にする。由来は中世ヨーロッパの魔導書の名前で知識を与えるとされるものだ。伊織がノトリアと入力すると

『ノトリアで登録します。続けて初期設定を初めて下さい。』

と表示され、目の前にウィンドウが出てきた。


名前『ノトリア』

種族『』

職業『』『』

スキル『』


 初期ステータスは種族によって変わるためまだ表示されていない。セカストでの種族は平均的なステータスの人間やINTが高いエルフ、生産よりのドワーフや獣人などが存在する。それぞれステータスに違いがあり獣人の場合は、動物によっても変わる。それぞれ種族スキルがあり、基本スキルよりも効果が高いことが多いがデメリットスキルを強制所得される。人間だけが種族スキルがなく、デメリットスキルを取らないようになっている。初心者向けの種族とも言えるだろうが俺は人間を選ばない。

「やっぱファンタジーの世界なら人間意外のが面白いよな」

 ゲームをやるのであれば現実で出来ないことをやったほうが楽しそうだからだ。そして人間意外の中から俺はエルフを選んだ。魔法に特化していて、知能に当たるINTが高いので現実では出来ないことも多くできそうだからだ。種族スキルは【魔力操作1】と【DEX上昇】の能力が上昇するスキルからひとつと、【STR低下】と【VIT低下】の能力が低下するスキルからひとつ選べるらしい。俺は迷わずに【魔力操作1】と【STR低下】を選ぶ。魔法のような非現実的なことに憧れていたのと、もともとやろうとしている構成にしたときにSTRは低くても構わないからだ。

「種族は良いとして、次は容姿だよな」

身長や体重などは大きく弄ると上手いこと歩いたり行動出来ないため大きく弄ることは出来ないようになっている。しばらく悩んだあとに髪の毛を白色にして、瞳の色を青色にした。そして身長と体重と顔は何も変えずに決定した。


「次は職業とスキルだよな」

 職業は大量にあり、剣士や魔法使い、僧侶などの他に学者や教祖などもあり、その中からふたつを選ぶ。主にロールプレイ用の職業だろう。ヘルプを見ると後で変えることも出来るらしく、ここでは初期スキルが変わるが好みで選んでよさそうだ。俺は最近の趣味が読書のためひとつを【司書】にしてもうひとつを【ライター】にした。【司書】は本を読むことに特化した職業で本に対して補正がかかり、【ライター】は本を書くことに特化した職業でこちらも本に対して補正がかかる職業だ。職業【司書】は本を読むと経験値を獲得できる特殊職業で、【ライター】は本を書いたりすると経験値を獲得できる職業だ。

読書をして自分で執筆するというマイナーすぎる構成のため戦闘関係の補正がゼロだが、趣味のためなら問題ないだろう。


 次にスキルだが『剣術』や『魔法』などの戦闘スキルや『鍛冶』や『薬師』などの生産スキルの他に、『マネーイズパワー』のようなネタスキルも存在する。ノトリアは本に特化させるためのスキル選びにする。『解読』と『言語理解』に『執筆』を選び、どの本でも見ることができ【ライター】の職業を活かすことが出来る『執筆』を取った。時間がかかるが大体の本を読むことが出来るようになった上に、本も書けるようになった。『解読』は時間をかければどの暗号でも解読できるスキルで、悩んで分からなかった場合の対策として所得した。そして『言語理解』はどの言語でも時間をかければ理解できるというスキルだが、特定言語のスキルと比べると倍以上かかってしまう。『執筆』は【ライター】の専用スキルで本を書く行動を含め本に関係する行動に大幅な補正がかかるスキルだ。結果としては、『本』に関係する行動に大幅な補正がかかり、それ以外に一切の補正がかからないという特殊すぎる構成になった。


「これで最後だ。」

 目の前には初期ステータスを決める画面が表示されている。100ポイントを割り振る仕様のようだ。

 まずは知能や魔法に関係するINTに30ポイント振り、AGIとDEXとLUKに20ポイントを振った。STR低下のスキルがあるためSTRにはポイントを使わないで、最後の10ポイントをVITに振って初期ステータスの割り振りを終わらせた。


 すべてのキャラメイクを終わらせると目の前に

『キャラメイクを終了します。準備が整い次第ス

タートのボタンを押してください。』

と表示され、ウィンドウにスタートと出てきた。「最終確認だ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前『ノトリア』

種族『エルフ』

職業【司書】LV.1

  【ライター】LV.1


STR0  INT30

VIT10 DEX20

AGI20 LUK20


スキル『解読』LV.1

   『言語理解』LV.1

   『執筆』LV.1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 問題ないことを確認してからスタートを押した。すると目の前が暗転した。最後に空間内に響く声で

「それではセカストの世界を楽しんでください。我々は常に見守っていますよ。」

という声が聴こえた。

この作品が初投稿になります。余り期待せずになんかやってるなぁと思って頂いて大丈夫です。気が向いた時に見に来てください。また作品に関する意見やミスなどがある場合は是非教えて下さい。

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