怪人タルタルソース男
「なんでだ?おっさんがタピオカ好きじゃダメなのかよ!」
俺の叫びがこだまする。
「ダメです。」
無慈悲な女性店員の手によって、俺は駅前のタピオカ屋からつまみ出された。
畜生ぉぉぉ、なんでだ!
中年は塩辛でも食ってろ、ってか?
ふざけるな!俺はスイーツが食べたいんだ!
俺は復讐の準備を始めた。
塩分の恐ろしさというものを見せつけてやる。
俺は全財産をはたいて、大量のマヨネーズと玉ねぎを買い、それを全部使って自家製スペシャルタルタルソースを作った。その量およそ5億リットル。
そう、今日から俺は怪人タルタルソース男になる。
まずはあのタピオカ屋だ。
「おい、開けろ!開けないならタルタルソース!開けてもタルタルソースだ!覚悟しろ」
バン!扉が開く。
「え?なんですかもう…ウッ、うっ、ぅぅぅヴっうわぅぅぅぅぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!」
ドピュッド!!
女性店員の目にタルタルソースをぶつけてやった!
これが必殺タルタルソース目潰しだ、思い知ったか!
フハハハハ!
まずは一人タピオカ屋の店員を倒した!
次は店長の番だ。
「おい店長、出てこい!」
「こんにちは、私店長の佐々木ですァッッキャグァぁあああああァァァァ!!!!!!痛いヒヒヒヒヒヒッフフフゥゥゥオ!!!!!!」
ドカン!
店長の目にタルタルソース目潰し!
タピオカ屋討伐成功!
よし、俺はこのまま世界征服を狙う!
総理官邸に行こう。
侵入成功!
「おい総理!」
「ん?なんだね君はわぎゃぁぁぁあああひいィィイィィヒィィィィィアァあああ!!!!!!」
ボガンッッ!!
総理の目にタルタルソースをぶつける!
タルタルソース目潰しは最強だ!
首相はあまりのタルタルソースに耐え切れず死んじまった!タルタルソースマジ神!
首相を倒した!つまり今日から日本は俺のものだ!
フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!
俺は王座に座る。
「待てい!」
なっ、その声は・・・我がライバル、パンケーキマスターエリザベスか!?
「これ以上お前の好きにはさせない!うおぉぉおぉおおお‼︎!!!!!!喰らえパンケーキボンバー!!!!!!」
熱々のパンケーキが顔に向かってくる、ヤバい、避けられないッ!助けてくれェッ!アヅッ、熱いいいいいいいいヒヒヒヒヒイイイイイイイィィィィィィ!!!!!!
ウッ、ここまでかッ・・・
俺はただ、少しタピオカが飲みたかっただけなのに・・・どこで間違えちまったんだ、畜生ォォォォォォォォ!!!!!!!
バタッ。
こうして、数々の傍若無人を働いたタルタルソース男は、無様に息絶えたのであった。
「怪人タルタルソース男・・・悲しき怪人だったな。どれ、俺は次の怪人を探しに、再びパトロールに行くとするか!また会おう!」
ありがとうパンケーキマスターエリザベス!!!!!!君は、日本の危機を救ったヒーローだ!!!!!!
僕らは、絶対君の勇姿を忘れない!!!!!!
ありがとうパンケーキマスターエリザベス!!!!!!
ありがとうパンケーキマスターエリザベス!!!!!!
めでたしめでたし。