無敵の騎士 (前)
いろいろ他の方の作品を読んでて、遅い時間になってました。その中でも、私の心の師匠である、『殿水結子』先生の『サイゼリヤ文学』、とっても面白いです。先生に許可をいただいたので、下にリンク張ってます。ぜひ読まれて下さい。
https://ncode.syosetu.com/n3369hv/
「我こそは無敵の騎士、ロマン・デュークだ。悪の化身ザップ・グッドフェロー成敗してくれる」
素っ頓狂な胴間声に振り向くと、そこにはヒョロヒョロな騎士? がいた。着ている鎧兜は銀色ではあるが、シワが寄った所があり、どうも革鎧に薄くメッキしたものに見える。けど、それはピッカピカで無駄に高い技術力やかなりの金額がつぎ込まれているように見える。奴は弱い間違いなく弱い。僕は一瞬呆けてしまった。今まで数多くの挑戦者がここで散って行ったが、間違いなくその中で最弱に見える。
今は朝で、ここは、家の前の庭。僕たちは日課の素振りをしている。今日の参加者は、僕、マイ、少女冒険者4人と、隣のメイドのラパンとピオンだ。
今日も朝なのにギャラリーは多く、幾つもの食べ物の露店が出ている。ギャラリーの目当ては、可憐な少女達がでっかい武器を振るうのを見るのと、毎日僕に挑戦してくる者たちとの戦いだ。そして、その戦いのシステムは、挑戦者が名乗りを上げる。少女達がアピールする。ギャラリーが、戦う者の名前を叫ぶ。そして1番大きな声で呼ばれた者が挑戦者と戦うの流れだ。
今、挑戦者が名乗りをあげ、次はだいたい戦いたい者が口上を述べたり、挑戦者を挑発したりしてアピールするんだけど、今日はみんなキョロキョロ顔を見合わせている。強そうな奴が来て、みんなで取り合いになることはあるが、このパターンは初めてだ。僕の仲間のバトルジャンキー達は、強者と戦うのは好んでも、弱い者いじめは得意じゃない。弱い者と戦ってしかも目の肥えたギャラリーを満足させるのは至難の技だからな。
素振りの手を止めた僕のそばに少女冒険者のリーダーのアンジュが近づいて来る。
「ザップさん、私、聞いた事があるっす。数多くの名のある騎士や戦士を決闘で下した男、無敵の騎士ロマン。けど、あいつどう見ても強そうに見えないっすよね」
「そうね、もしかしたら何か奥の手を持ってるもかもしれないけど、そうじゃなかったら大怪我させちゃうかもね」
マイが腕を組んでロマン君を見ている。
「だよな。基本的にうちの連中は手加減苦手だからな。特にアン」
「何言ってるんですかご主人様。私は1度だって殺した事ないですよ」
殺した事は無いけど、丸焦げにした事は何度もある。まあエリクサーで回復はさせたけど、隣の店のマリアさんから肉料理が売れなくなるって苦情が来た。まあ、エリクサーで焦げた臭いは消せないもんな。焼き肉してる時にコンロに髪の毛が落ちたようなもんだ。悪臭はどんな美味いものも台無しにする。
「今日は、私が行く。多分、私が1番手加減得意」
メイド服の忍者ピオンが前に出る。メイド服の忍者ってなんか訳解らない言葉だな。
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