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 ボマー (3)


 黒マントの小柄な人物についていく。奴は時折しゃがむと地面に手を触れる。僕は嫌な予感がしてその奴が触れたい所には触らない。


 ドゴン!


「ギャーッ!」


 爆発音と大声に振り返ると、奴が触れた所で爆発が起きていて、人が倒れている。駆け寄ると、その右足が無い。即座にエリクサーで癒す。そうか、アイツは触れたものに爆発の能力を付与し、それは誰かが触れたら発動して爆発する。それにしても、容赦ないな。無差別だ。アイツは何度か地面を触った。もしかしたら、そこも全て爆発するかもしれない。どうするか一瞬迷うが、アイツを無力化して元凶を断つ事が1番被害者を減らすだろう。もう、出し惜しみは無しだ。遠慮無くやらせてもらう。

 僕は駆け出すが、奴も走り始める。奴はメインルートから外れ脇道をひた走り、街の外壁沿いの道に出る。あと少しで追いつく。奴は振り返ると、こちらに向かってつぶてを投げる。また虫か? 僕はそれらを大きくかわす。


 ドゴドゴドゴッ!


 そのつぶてが落ちた所に幾つか穴が空く。小さいのに凄い威力だ。


 ドゴーン!


 一際大きな爆発音がして、城壁には穴が空いている。逃げる気か? 奴はその穴をくぐる。僕は急いで追いかける。

 けど、何で奴は僕を誘導するような事をしてるんだろう。もし、僕が奴のような能力を持ってるのなら、自分の身を隠し、色んな所に爆発を付与するのに。アイツは僕について研究している。もし僕が回りの被害を考えないのなら、一撃で倒す事が出来る。

 例えば、必殺の『剣の王』『槍王』。収納に思いっきり投げ込んだ武器を収納のポータルから出す技。一瞬にして敵をハリネズミに出来る。

『自家製メテオストライク』。自家製ではあるけど、本家本元メテオストライクと威力は何ら変わらない。収納スキルで上空に出した隕石もどきは辺り一帯に避けられぬ滅びを撒き散らす。

 多分何らかの意図があるのだと思うけど、考えてみても解らない。


 黒マントは、僕の前を駆けていく。とても違和感を感じる。その走りはひょこひょこと跳ねるような走り方で、とても素人臭い。多分奴は暗殺者だと思うが、僕の知り合いの元暗殺者たちは一様に走る時に重心がブレない。まるで地面を滑るかのように走っていく。重心がブレると急に動けないからだ。ワザとなのか? いや、それはあり得ない。奴は僕にいつ攻撃されてもおかしくないのだから。

 そう言う違和感が僕に攻撃を躊躇わせた。何かあるのではないか? 

 しばらく走り、街が遠くに見える所で奴は止まって振り返る。そもそも僕が追っかけてたのに、アイツは1度も振り返らなかった。僕が追っかけて来てるのを確信しているかのように。

 そして、奴はフードを上げて、マントを脱ぎ捨てる。

 なんとなくそうじゃないかと思っていた。嫌な予感は的中だ。

 そこには上半身裸の男の子がいた。目の焦点が合ってない。胸の所には金色の魔方陣。チキンが爆発するときに見たのに似ている。


『人間爆弾』


 無差別テロや、よく虚構の話とかで出てくるクソな奴だ。どうするか?



 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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