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 初めての対人戦(前編)

 状況説明を少し追加しました。


『ヒャッハー。ここは遠さねーぜ』


 鉄条網とトゲトゲで革鎧をカスタマイズしたモヒカン男が3人あたしの前に立ち塞がる。今日は王都で買い物をした帰りだ。王国は基本的に治安がいいけれど、先の大戦で野盗に落ちた傭兵崩れがたまに出没する。多分コイツらも傭兵崩れ。倒しても大したお金にならないけど、このまま放置すると他の人に危害が及ぶ。しょうが無いわ。


「ごめんなさい」


 あたしは駆け出し、収納から出したデスサイズを三度振るう。振り返ると首があった所から噴水のように血を流す男が3人。あたしはそのままそこから立ち去った。


 あたしの名前はマイ。最強の荷物持ちザップ・グッドフェローの自称右腕だ。今では、人間に対しても相手が悪党なら容赦なく武器を振るう事が出来る。けど、あたしはザップと会うまでは、人を殴った事さえ1度もなかった。あたしが初めて人と戦ったのはいつだろうか? 昔の事を思い出してみる。





「なんかですね、馬に乗って鎧着た人達がきてますよ」


 ドラゴンの化身アンちゃんが右手で顔にひさしをつくりながらザップに声をかける。


 迷宮を抜け出したあたしたちは、近くの村でゴブリンの大軍を倒したあと、王都に向かってる時に冒険者の一団と合流した。隊商の護衛らしく、パーティーのリーダーはポルトさんって名前だった。野営したあと、あたしたちは街道を王都に向かってる所だ。ポルトさんたちは馬車、あたしたちは歩きだ。


「アン、どこにどれくらいいる?」


「道の遠くの方に、んー、10人以上はいます。こっちに向かって全力疾走してますよ」


 ザップにアンちゃんが答える。目を凝らしても何も見えない。


「ポルト、こっちに騎士が10人以上近づいてるみたいだぞ、どうする?」


「あまり関わりたくない、みんな荷台に乗ってくれ、道から離れる。お前らはどうする? ここで別れるか?」


 ポルトさんたちは、急いで荷台に乗る。


 ザップがあたしととアンちゃんの方を見る。あたしたちは首を縦に振る。判断はザップに任せるわ。


「ついて行く。戦力は多いに越したことないだろう」


「護衛としてあたしたちを雇わない?」


 あたしはザップの前に出る。ここはせっかくだからすこしでもお金を貰わないと。ザップは金銭感覚0だから。


「いいだろう。護衛を頼む。出来高制でいいか?」


「任せる」


 もう、ザップはちゃんと金額詰めないと……


「馬車に乗れ、いくぞ!」


 ポルトさんが馬車から身を乗り出して。手で招く。


「大丈夫だ。走る」


 そうね、あたしたち馬より走るの速いもんね。


「おいおい、お前ら本当に人間か?」


 ポルトさんが驚いている。ザップとアンちゃんは置いとくとして、あたしは間違いなく、人間よ。まあ、獣人じゃあるけど。


「何言ってやがる。無駄口たたく暇あるならもっととばせ!」


 ザップは口から泡を飛ばしながら叫ぶけど、もうお馬さんは限界っぽい。あたしたちが馬車と馬を担いだ方が速いかも。


 

 けど、今はもう街道を疾走してる騎士が見える。銀色の全身鎧がギラギラと光を跳ね返している。20騎はいるみたいだ。明らかに強そうだ。もしかして、あたしたちが目的じゃないのかも?


「もしかして、ゴブリン討伐にきたんじゃないの?」


 あたしは思いつきを口にする。


「どうだろうな」


 馬車から顔を出してるポルトさんの表情は複雑だ。けど、騎士団と敵対するような極悪人にはポルトさんは見えない。どういう事なんだろう?


 読んでいただきありがとうございます。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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